カーンターラ 神の降臨
言語
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『カーンターラ 神の降臨』(カーンターラ かみのこうりん、Kantara / Kantara: A Legend)は、2022年のインドのカンナダ語アクションスリラー映画[18][19]。監督・製作・脚本・主演をリシャブ・シェッティが務め、主要キャストとしてサプタミ・ガウダ、キショール、アチユト・クマールが出演している。カルナータカ州沿岸部に暮らすトゥル人の間で執り行われている伝統儀式ブータ・コーラの演者である主人公と森林官の対立を軸に自然と人間の対立、トゥル人の民話、精霊憑依、神への信仰などの要素を織り交ぜながら、先祖から受け継いだ土地を巡る事件が描かれている。
アニルド・マヘーシュ
シャニル・ゴータム
シャーム・プラサード
ラージ・B・シェッティ
プラカーシュ・トゥミナード
チャルヴェ・ガウダ
| カーンターラ 神の降臨 | |
|---|---|
| Kantara | |
| 監督 | リシャブ・シェッティ |
| 脚本 |
リシャブ・シェッティ アニルド・マヘーシュ シャニル・ゴータム シャーム・プラサード ラージ・B・シェッティ プラカーシュ・トゥミナード |
| 製作 |
ヴィジャイ・キランガドゥール チャルヴェ・ガウダ |
| 出演者 |
リシャブ・シェッティ サプタミ・ガウダ キショール アチユト・クマール |
| 音楽 | B・アジャニーシュ・ローカナート |
| 撮影 | アルヴィンド・S・カシャプ |
| 編集 |
K・M・プラカーシュ ショービト・シェッティ プラティーク・シェッティ |
| 製作会社 | ホンバレー・フィルムズ |
| 配給 |
|
| 公開 |
|
| 上映時間 | 148分[1] |
| 製作国 |
|
| 言語 | カンナダ語 |
| 製作費 | ₹160,000,000[2] |
| 興行収入 | ₹4,000,000,000 - 4,500,000,000[注釈 1] |
| 次作 | カーンターラ 炎の決戦 |
2021年8月から沿岸部の村ケラディで撮影が行われ[20]、2022年9月30日に劇場公開された[21]。『カーンターラ 神の降臨』は40億ルピーを超えるヒット作となり、第70回国家映画賞で2部門(健全な娯楽を提供する大衆映画賞、主演男優賞)を受賞したほか[22][23]、第68回フィルムフェア賞 南インド映画部門では作品賞を含む7部門を受賞するなど高い評価を得ている。2025年には前日譚となる『カーンターラ 炎の決戦』が公開された。
ストーリー
1847年。カルナータカ沿岸部を治める王は、献身的な王妃や子供たちに囲まれながらも満たされぬ日々を過ごしていた。王は心の安寧を求める旅を始め、森の奥深くで猪の神霊であるパンジュルリ神を宿した聖なる石を見つけ、失っていた心の安寧を取り戻した。先住民たちに「石を宮殿に持ち帰りたい」と乞い願う王に対し、パンジュルリ神は巫者の口を借りて、王の所有地である森林を先住民に与えることを条件に宮殿に赴くことを承諾すると同時に、「約束を破れば、神霊グリガが祟りを起こすだろう」と警告する。
1970年。先住民が暮らすカードゥベットゥ村では、パンジュルリ神を祀る神降ろしの儀式ブータ・コーラが執り行われていた。そんな中、王の子孫である地主の親族が演者のアンナッパに対して土地の返還を要求し、アンナッパは先祖が交わした約束を理由に返還を拒否する。親族の男が神降ろしについて疑問を呈すると、アンナッパは「ただの人間ならば再び姿を現し、パンジュルリ神ならば二度と姿を見せることはない」と告げて走り出し、森の中で消息を絶った。その後、土地の返還訴訟を起こそうとした親族の男も裁判所の前で不審死を遂げる。
1990年。アンナッパの失踪から20年の歳月が流れ、カードゥベットゥ村を含む森林地帯の自然保護区への指定が模索され、ムラーリ森林官が赴任してくるが、彼は村の青年シヴァを始めとする村人たちの激しい抵抗に直面する。シヴァはアンナッパの息子だが、父を失ったトラウマからブータ・コーラ演者としても役目を従兄弟のグルヴァに任せ、友人たちとカンバラや狩りに熱中するなど遊び暮らしていた。そんな中、勉学のため村を離れていたリーラが帰郷し、幼馴染みのシヴァは彼女と恋に落ちる。シヴァは地主のデーヴェンドラに頼み込み、リーラに森林警備員の仕事を斡旋してもらうが、強引に村や森林の調査を進めるムラーリとの対立が深まる中、彼に従う立場となったリーラは村の中で孤立し、シヴァとの関係も険悪になってしまう。同じころ、シヴァはパンジュルリ神や猪の姿を度々幻視するようになる。両者の対立が深まる中、シヴァや友人たちが切り倒した大木の下敷きになったムラーリが重傷を負い、シヴァたちは殺人未遂の容疑で追われる身となってしまう。シヴァは逃亡生活を送る中でリーラと和解するが、直後にムラーリに逮捕され、リーラは逃亡を手助けしたことで停職処分を受けてしまう。シヴァたちが留置所に送られる中、村ではグルヴァが何者かによって殺害される事件が発生する。
デーヴェンドラの助力で釈放されたシヴァは、彼からグルヴァ殺害の犯人がムラーリであることを聞かされ、復讐するためムラーリのもとへ向かう。その途中、村人マハーデーヴァのもとを訪れたシヴァは、彼から真犯人がデーヴェンドラであることを聞かされる。デーヴェンドラは20年前に父が不審死を遂げた一件以来、村人から土地を奪い返すことを決意し、村人を騙して土地の名義を自分のものに変えさせ、自分に非協力的だったグルヴァを殺害し、その罪をムラーリに着せてシヴァに殺させようと画策していた。シヴァは話を聞いた直後にデーヴェンドラの手下に襲われるが、手下たちを撃退して村人たちに真実を告げ、ムラーリもシヴァと和解してデーヴェンドラに対抗することを約束する。そこにデーヴェンドラが手下たちを引き連れて姿を現し、村人たちとの間で戦いが始まる。戦いの中、シヴァは聖なる石に頭を打ち付けて重傷を負うが、それをきっかけに神に憑依されて超人的な力を手に入れ、デーヴェンドラや手下たちを打ち倒して村を守り抜いた。数か月後、シヴァは新たな演者としてブータ・コーラを執り行い、ムラーリや村人たちと団結を誓い合う。儀式の最中、シヴァは森に向かって走り出し、そこで父アンナッパの霊と出会い、子供を身籠っているリーラを残して姿を消してしまう。ミッドクレジットシーンでは、シヴァとリーラの息子がシヴァの友人に失踪事件について尋ね、友人はシヴァは行方不明になった経緯について語り始める。
キャスト
- シヴァ、アンナッパ - リシャブ・シェッティ
- リーラ - サプタミ・ガウダ
- ムラーリ森林官 - キショール
- デーヴェンドラ・スットゥール - アチユト・クマール
- グディ - プラモード・シェッティ
- ランパ - プラカーシュ・トゥミナード
- カマラ - マーナシ・スディール
- 弁護士 - ナヴィーン・D・パディル
- ラヴィ - スチャン・シェッティ
- グルヴァ - スワラージ・シェッティ
- スンダラ - ディーパク・ライ・パーナージ
- ブッラ - シャニル・グル
- シーラ - チャンドラカラ・ラーオ
- アンマッカ - スカンニャー
- タバラ - サティーシュ・アーチャーリヤ
- ラグー森林管理官 - ラグー・パーンデーシュワル
- グルヴァの父 - バースマ・コダグ
- ラッチュ - サンジャン・サージュ
- デーヴェンドラの父 - シャイン・シェッティ
- 王 - ヴィナイ・ビッダッパ
- 王妃 - プラガティ・リシャブ・シェッティ
- デーヴェンドラの息子 - アーティシュ・シェッティ
- 巫者 - ナヴィーン・ボンデル
製作
企画

リシャブ・シェッティは『カーンターラ 神の降臨』のテーマについて「自然と人間の対立」と語っており[20]、故郷ケラディで1990年代に発生した森林管理官と部族の衝突にも着想を得ていることも明かしている。このほか、彼は映画について「この映画は私たちの土地、そしてルーツから生まれた作品なんです。また、何者の手も加えられることなく、私たちの文化に深く根差した、世代を超えて語り継がれてきた物語でもあるのです」と語っている[24]。リシャブ・シェッティが映画化の構想を思いついたのは、COVID-19パンデミックに伴う都市封鎖が行われていた2021年ごろであり[20]、映画のタイトルについて「カーンターラとは神秘の森であり、その地域一帯を舞台にした物語なのです……映画のタイトルには"dhanta kathe"(伝説)というキャッチコピーが付いていますが、こういったありきたりな、あるいは直接的なタイトルは付けたくなかったんだ。この言葉(カーンターラ)は、あまり馴染み深いものではありません。サンスクリット語が由来ですが、カンナダ語でも使われています。また、ヤクシャガーナでも使われていて、そこでは神秘的な森のことを"カーンターラ"と呼ぶんです。この言葉は謎に包まれていて、タイトルそのものから謎解きを始められるようにしているんです」と語っている[25]。
撮影
『カーンターラ 神の降臨』では三つの時代(1847年、1970年、1990年)が舞台となっているが、参考文献の入手が困難だったため、ロケ地であるケラディに暮らす部族の協力を得ながら撮影が進められた。これについて、衣裳デザイナーのプラガティ・シェッティは「村中を走り回って部族の人々に話を聞いて、彼らから装束について詳細を聞いたんです。クンダープラから若手アーティストを集めたんですが、彼らの部族の衣裳を着てもらうように説得するのには骨が折れましたよ。サプタミ・ガウダが演じる森林警備員の衣裳デザインも、彼らの話を参考にしているんです。制服は年代ごとに一新されるらしくて、しかも警備員バッジなどは、すべて特注品だったそうです」と語っている[26]。撮影はケラディにある4か所の森林地帯で行われ、1990年代の集落を再現した撮影セットも作られた。これについて、美術監督のダラニ・ガンゲプットラは「撮影セットの設営には、天然資材がたくさん使われているんです。このほかにも学校や寺院、ツリーハウスも作ったんです。文化調査のためにベンガルールから35人、ケラディからも15人の村人が参加してくれたんです」と語っている[26]。カードゥベットゥ村の撮影セットには牛舎や鶏小屋を含めた家屋や中庭、農園、カンバラの競技場などが作られ、リシャブ・シェッティは4か月間かけてカンバラの技術を学び、撮影に臨んだという[27]。
音楽
背景音楽の作曲はB・アジャニーシュ・ローカナートが手掛け、このほかに30から40人のミュージシャンが参加している。作曲にあたっては現地の民族音楽に造詣の深い音楽家マイム・ラームダースの協力を得ながら、伝統楽器とジャーナパーダの音楽を取り入れて作曲しており、作物の収穫期に農民が歌う曲や、アーディヴァシーの間で親しまれている曲が採用されている[26]。
2022年10月にケララ州を拠点に活動する音楽バンドのタイクダム・ブリッジは、挿入曲の一つである「Varaha Roopam Deiva Va Rishtam」が、バンドの楽曲「Navarasam」の盗作だと主張して訴訟を起こした[28]。訴えを受理したコーリコードの初級裁判所がタイクダム・ブリッジの許可なく配信プラットフォームで「Varaha Roopam Deiva Va Rishtam」を使用することを禁止する暫定命令を出したため[28]、Amazon Prime Videoで配信された際にはオーケストラ・アレンジや歌手が変更された[29]。その後、2023年に両者の間で和解が成立したことを受けてケララ高等裁判所が訴訟手続きを取り止めたため、再びオリジナル版の「Varaha Roopam Deiva Va Rishtam」が使用されるようになった[30][31]。
公開
劇場上映
2022年9月30日にカルナータカ州の250劇場で公開され、同時にアメリカ合衆国・イギリス・ヨーロッパ・中東・オーストラリアでも上映が開始した[32]。カンナダ語版が成功したことを受けてテルグ語・ヒンディー語・タミル語・マラヤーラム語の4言語で吹替版が製作されることになり、10月14日にヒンディー語吹替版、翌15日にテルグ語吹替版・タミル語吹替版の上映が開始した[33][34]。当初、ヒンディー語吹替版の上映館数は800スクリーンと発表されていたが[35]、最終的には2500スクリーンで上映された[36]。また、ソーシャルメディア上でトゥル語吹替版の上映を求めるキャンペーンが展開されたことを受けてトゥル語吹替版の製作が決まり[37]、11月25日に海外市場で上映が始まり、12月2日からはインド国内でも上映された[29][38]。このほか、カンナダ語映画として初めてベトナムでも上映されている[39]。
ホームメディア
カンナダ語版・テルグ語吹替版・タミル語吹替版・マラヤーラム語吹替版・トゥル語吹替版の衛星放送権はスター・インディア・ネットワークが取得し、ヒンディー語吹替版の権利はソニー・マックスが取得している。デジタル配信権はAmazon Prime Videoが取得し、2022年11月24日からカンナダ語版・テルグ語吹替版・タミル語吹替版・マラヤーラム語吹替版の配信が始まり[40][41]、12月9日からはNetflixでヒンディー語吹替版の配信が始まったほか、2023年3月1日からはトゥル語吹替版も配信されている[42][43]。
反響
『カーンターラ 神の降臨』公開後、題材となったブータ・コーラに注目が集まったことを受け、カルナータカ州政府は60歳以上のブータ・コーラ演者に月額2000ルピーの給付金を支給する方針を発表した[44]。
評価
興行収入
累計
当初、公開初日の興行収入は3500万ルピーから4250万ルピー程度と想定されていたが、実際の興行収入は想定を上回る6000万ルピーを記録した[45]。初週末の興行収入は2億2300万ルピーを記録し[46]、公開第1週の累計興行収入は3億8000万ルピーから5億ルピー程度と発表された[47]。カルナータカ州では公開初週末の観客動員数が190万人を記録しており[48]、興行収入が6億ルピーを超えた時点で観客動員数は400万人を記録している[49]。公開第2週には国内興行収入が『PS1 黄金の河』『Godfather』の記録を上回り[50]、カルナータカ州でも2作を上回る興行収入を記録している[51]。また、公開第2週末までにカルナータカ州だけで7億ルピーの興行収入を記録している[52]。
公開15日から17日目の次点で累計興行収入は10億ルピーを超え[53]、公開第3週末の興行収入は3億6500万ルピーを記録した[54]。公開18日目には累計興行収入が15億ルピーを超え[55]、公開第3週末までに累計興行収入は17億ルピーから17億5000万ルピーを記録しており、このうち国内興行収入が15億ルピー(カルナータカ州の興行収入だけで11億1000万ルピー[56])となっている[57][58]。公開第4週末の興行収入は3億2000万ルピーを記録し、この時点で累計興行収入は18億8000万ルピーを記録しており、このうち国内興行収入が17億ルピーとなっている[59]。また、北米市場では100万ドルの興行収入を記録したほか、オーストラリアではカンナダ語映画史上最高額となる20万ドルの興行収入を記録している[60]。公開25日目には観客動員数が『K.G.F: CHAPTER 2』を上回り、ホンバレー・フィルムズ製作作品の歴代最高記録を更新したほか[61]、累計興行収入は21億1500万ルピーを記録しており、このうち国内興行収入が19億6950万ルピー(カルナータカ州の興行収入だけで12億6000万ルピー[62])となっている[63]。
公開1か月までに興行収入が25億ルピーを超え[64]、このうち国内純利益は20億ルピーとなっている[65]。イギリスでは11万1245ポンド(約1060万ルピー)の興行収入を記録し[66]、間もなく累計興行収入が28億ルピーを超えた[67]。カルナータカ州では公開32日目に観客動員数が800万人を超えたほか[68]、公開33日目には累計興行収入が30億ルピーを超えており[69]、公開36日目には累計興行収入が32億5000万ルピーを記録した[70]。また、公開41日目には35億ルピーから35億5000万ルピーの累計興行収入を記録し、カルナータカ州での観客動員数が1000万人を突破した[71]。その後、公開44日目には累計興行収入が36億ルピーを超え[72]、ヒンディー語吹替版を除いた4言語版の公開6週間における合計興行収入は28億ルピーを記録している[73]。カルナータカ州の興行収入も18億ルピーを超え[74]、公開50日目には37億ルピーから37億7000万ルピーの累計興行収入を記録している[75]。公開第7週の興行収入は2億4000万ルピーを記録し、『バーフバリ 王の凱旋』の記録(1億1000万ルピー)を超えて歴代最高記録を更新した[76]。公開53日目には累計興行収入が40億ルピーを超え[77][78]、この時点で年間国内興行成績第3位にランクインしている[79]。オーストラリア・イギリス・カナダ・アメリカ合衆国・アラブ首長国連邦では公開50日間で上映が終了し[80]、『ダイニク・バースカル』は公開68日間で累計興行収入が44億6000万ルピーを記録したと報じている[81]。多くのメディアは公開74日目の次点で累計興行収入が45億ルピーを記録したと報じたが[82][83][84][12][85][11][13][86]、『ウダヤヴァーニー』は累計興行収入が50億ルピーを超えたと報じている[87]。
吹替版
テルグ語吹替版の公開初日における興行収入は5000万ルピーを記録し[88]、公開初週には2億1150万ルピーを記録した[89]。公開10日目には2億8000万ルピーの累計興行収入を記録し[90]、公開25日目には5億300万ルピーを記録している[91]。公開39日目には累計興行収入が6億ルピーを記録し、純利益は4億2000万ルピーとなっている[92]。
ヒンディー語吹替版の公開初日における興行収入は1億2700万ルピーから1億5000万ルピー程度と報じられ[93]、公開初週末には8000万ルピーを記録している[94]。公開第1週には累計興行収入が1億5000万ルピーを記録し[95]、公開13日目には『PS1 黄金の河』のヒンディー語吹替版を上回る2億9100万ルピーの累計興行収入を記録し[96]、公開第2週末には3億1700万ルピーを超えた[97]。公開第3週末には累計興行収入が5億1500万ルピーを超え[98]、公開第4週末には2100万ルピーの興行収入を記録した[99]。公開24日目には累計興行収入が6億2400万ルピーを超え[100]、公開第4週末には6億9750万ルピーを記録している。公開第5週末には累計興行収入が7億9250万ルピーを超え[101]、公開39日目には9億6000万ルピーを記録した[92]。
批評
『Rotten Tomatoes』には6件の批評が寄せられ支持率は83パーセント、平均評価は7.9/10となっている[102]。『ザ・ヒンドゥー』は「リシャブ・シェッティは神話や伝説、そして迷信が紡ぎ出す物語を綿密に、しかも自身の母語を用いて描き出すことに成功したのだ。舞台となった土地は色彩と躍動感にあふれ、B・アジャニーシュ・ローカナートが手掛けた背景音楽は、まさに土地の精神を現わしている。また、撮影監督アルヴィンド・S・カシャプの手による思索的な映像表現は、その土地の文化を際立たせると同時に、素朴な風景の雄大さを伝えてくれる。そして、カンバラの競技シーンは、彼が素晴らしい手腕の持ち主であることを証明してくれている」と批評し[103]、『ニュー・インディアン・エクスプレス』は「リシャブは作品を重ねるごとに実力を増しており、ホンバレー・フィルムズの支援を受けることで、よりリアルな映画を作り出した。人間と自然の対立という使い古されたテーマを扱っているものの、ブータ・コーラとカンバラの物語が、この映画に独自の味を加えている」と批評したほか[104]、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』は「想定内のストーリー展開にプロフェッショナルな技術が加わり、独創的な映像体験がもたらされている。まさに『カーンターラ 神の降臨』は、リシャブ・シェッティの独壇場であり、彼は監督としても主演俳優としても輝く存在だ。その美しい映像は観客を映画の世界へと引き込み、その一部にしてしまうのだ」と批評している[105]。
『ニュース・ミニット』は「リシャブ・シェッティ監督の素晴らしい点は、自己言及的な物語を単に面白いだけではなく、独創的なマサラ映画として提供してくれたことである」と絶賛する一方、脚本については「村や人々が土地争いに対して大きな役割が与えられていることは理解できるものの、彼ら個人の物語や葛藤がストーリーに結びついているとは言い難い」と批判している[106]。また、『ファーストポスト』は背景音楽について「物語を支えるだけではなく、その魅力を高める重要な要素になっている」と称賛する一方、サプタミ・ガウダ演じるリーラの描写については「リーラは決して単調なキャラクターではないし、彼女が抱える葛藤は実に興味深いものだが、それを掘り下げる時間が存在しないのだ。彼女はもっと注目されるべきキャラクターなのに、掘り下げが欠けているために、この映画は女性キャラクターを単なる"魅力的な街灯"にしてしまうという悪循環に陥っているのだ」と批判しているほか[107]、『デカン・ヘラルド』もリーラの描写について「村人たちが嫌悪する森林警備員として村の女性を雇い入れるというアイディアは素晴らしいが、リシャブ監督は任務と私生活の間で生じる葛藤を一般的なレベルに留めており、このキャラクターの潜在的な魅力を充分に引き出せていない。そのせいで、普段は安定した演技を見せてくれるキショールさえも単調な印象に留まることになり、その魅力が損なわれている」と批判する一方、リシャブ・シェッティの演技については「スタイリッシュなブータ・コーラの演舞を披露するために行った内面的な準備と、外見を完璧に仕上げるために行った努力は称賛に値する。野心的だが骨が折れたであろうアクションシーンの後に訪れる、息を吞むようなクライマックスシーンで彼の演技は別次元へとたどり着く。ラスト15分間で見せたリシャブの驚異的な演技は、間違いなく語り草となるだろう」と絶賛している[108]。
受賞・ノミネート
| 映画賞 | 授賞日 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第11回南インド国際映画賞 | 2023年9月15-16日 | 作品賞 | 『カーンターラ 神の降臨』 | ノミネート | [109] [110] |
| 監督賞 | リシャブ・シェッティ | 受賞 | |||
| 主演男優賞 | ノミネート | ||||
| 審査員選出男優賞 | 受賞 | ||||
| 主演女優賞 | サプタミ・ガウダ | ノミネート | |||
| 審査員選出女優賞 | 受賞 | ||||
| 助演男優賞 | キショール | ノミネート | |||
| 悪役賞 | アチユト・クマール | 受賞 | |||
| コメディアン賞 | プラカーシュ・トゥミナード | 受賞 | |||
| 撮影賞 | アルヴィンド・S・カシャプ | ノミネート | |||
| 音楽監督賞 | B・アジャニーシュ・ローカナート | 受賞 | |||
| 作詞家賞 | プラモード・マラヴァンテ 「Singara Siriye」 |
受賞 | |||
| 男性プレイバックシンガー賞 | ヴィジャイ・プラカーシュ 「Singara Siriye」 |
受賞 | |||
| 特別功労賞 | ムケーシュ・ラクスマン | 受賞 | |||
| 第54回インド国際映画祭 | 2023年11月28日 | 審査員特別賞 | リシャブ・シェッティ | 受賞 | [111] |
| 第68回フィルムフェア賞 南インド映画部門 | 2024年7月11日 | 作品賞 | 『カーンターラ 神の降臨』 | 受賞 | [112] |
| 監督賞 | リシャブ・シェッティ | 受賞 | |||
| 主演男優賞 | 受賞 | ||||
| 主演女優賞 | サプタミ・ガウダ | ノミネート | |||
| 審査員選出女優賞 | 受賞 | ||||
| 助演男優賞 | アチユト・クマール | 受賞 | |||
| キショール | ノミネート | ||||
| 助演女優賞 | マーナシ・スディール | ノミネート | |||
| 音楽アルバム賞 | B・アジャニーシュ・ローカナート | 受賞 | |||
| 作詞賞 | トリローク・トリヴィクラマ 「Karma Song」 |
ノミネート | |||
| 男性プレイバックシンガー賞 | サイ・ヴィグネーシュ 「Varaha Roopam」 |
受賞 | |||
| ヴィジャイ・プラカーシュ 「Singara Siriye」 |
ノミネート | ||||
| 第70回国家映画賞 | 2024年10月8日 | 健全な娯楽を提供する大衆映画賞 | 『カーンターラ 神の降臨』 | 受賞 | [22] [23] |
| 主演男優賞 | リシャブ・シェッティ | 受賞 | |||