実数 a < b に対し、[a, ∞) か [a, b] あるいは [a, b) の形を持つ実軸上の区間を I で表す。α および u を区間 I 上で定義される可測関数とする。μ を、区間 I のボレルσ-代数上の局所有限測度とする(区間 I のすべての t に対して μ([a, t]) < ∞ である必要がある)。関数 u には次の成立を仮定し、その意味において測度 μ に関して積分可能であるとする:

また関数 u は積分不等式

を満たすとする。さらに、もし
- 関数 α は非負である。あるいは
- 関数 t → μ([a, t]) は区間 I の t について連続であり、関数 α は

が成立するという意味において、測度 μ について積分可能であるならば、関数 u はグロンウォールの不等式

を区間 I のすべての t に対して満足する。ここで Is, t は開区間 (s, t) を表す。
- 関数 α および u に対しては連続性に関する仮定は置かれていない。
- グロンウォールの不等式における積分の値は無限であっても許される。
- もし関数 α がゼロ関数であり、関数 u が非負であるなら、グロンウォールの不等式により関数 u はゼロ関数となる。
- 関数 u の測度 μ に関する積分可能性は、上述の結果を得る上で本質的である。たとえば反例として、μ を単位区間 [0, 1] 上のルベーグ測度とし、u(0) = 0 および u(t) = 1/t for t in (0, 1] で関数 u を定義し、関数 α をゼロ関数とした場合が挙げられる。
- S. Ethier および T. Kurtz の著書[3]に現れる結果では、より強い仮定として関数 α は非負の定数とし関数 u は有限区間上で有界であるとする一方で、測度 μ の局所有限性は仮定していない。この記事の以下で与えられる証明との違いとして、彼らの証明では残部 Rn(t) の挙動に関する議論を行っていないことが挙げられる。
- もし測度 μ がルベーグ測度に関する密度 β を持つなら、グロンウォールの不等式は

- と書き換えられる。
- もし関数 α は非負で、測度 μ の密度 β は定数 c により評価されているなら

- が成立する。

- が得られる。
証明は三つの段階に分けられる。アイデアとしては、仮定に現れた積分不等式をそれ自身に n 回代入するという方法が考えられ、これは数学的帰納法を用いることにより、以下の「主張1」において行われる。「主張2」では、積測度の順列の不変性を用いることにより、単体の測度をある便利な形状へと書き換える。最後に、求めるグロンウォールの不等式の変形版を得るために、n を無限大とすることを考える。
ゼロを含む任意の自然数 n に対して

が成立する。ここで残部は

とし

は n-次元単体とし

としている。
数学的帰納法を用いる。n = 0 の場合、空和がゼロであることにより、これはそのまま仮定で現れた積分不等式となる。
n での成立を仮定したときの、n + 1 の場合について考える: 関数 u に関する仮定で現れた積分不等式を残部に代入することにより

を得る。ここで

とする。フビニ・トネリの定理を二つの積分の交換のために用いることで、

を得る。したがって主張1 は n + 1 についても成立する。
ゼロを含む任意の自然数 n および、区間 I に含まれる任意の s < t に対し

が成立する。ここで等号は、関数 t → μ([a, t]) が区間 I に含まれる t について連続である場合に成立する。
n = 0 の場合、定義により主張は成立する。したがって以下では n ≥ 1 の場合を考える。
Sn を {1, 2, ..., n} に含まれる元のすべての組み合わせからなる集合とする。Sn に含まれる任意の組み合わせ σ に対し、

を定義する。異なる組み合わせに対するそれらの集合は互いに素となり、

が成立する。したがって

が成立する。測度 μ の n-重積に関して、それらはすべて等しい測度を持ち、集合 Sn には n! 個の組み合わせが含まれていることにより、主張されている不等式が成立する。
今、関数 t → μ([a,t]) が区間 I に含まれる t について連続であると仮定する。このとき、{1,2,...,n} に含まれる異なる添え字i および j に対して、集合

は超平面に含まれ、したがってフビニの定理を応用することにより、その μ の n-重積に関する測度はゼロとなる。

であることにより、主張の不等式は成立する。
任意の自然数 n に対し、主張 2 により、主張 1 に現れる残部に対して

が成立することが分かる。今、測度 μ は区間 I 上で局所有限であるため、μ(Ia, t) < ∞ である。したがって、関数 u の積分可能性に関する仮定により

が得られる。主張 2 および指数関数の級数展開により、評価

が、区間 I に含まれるすべての s < t に対して得られる。もし関数 α が非負であるなら、これらの結果を主張 1 に代入することにより、関数 u についての求めるグロンウォールの不等式の変形版が得られる。
関数 t → μ([a, t]) が区間 I に含まれる t について連続である場合、主張 2 により

が得られ、したがって関数 α の積分可能性により、ルベーグの優収束定理を用いることで求める不等式が得られる。