サイレントヒル ゼロ
2007年に発売されたホラーゲーム
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『サイレントヒル ゼロ』(SILENT HILL ZERO) はコナミが提供するホラーアドベンチャーゲームであり、「サイレントヒルシリーズ」の一作。
| ジャンル | ホラーアドベンチャー |
|---|---|
| 対応機種 |
PlayStation Portable PlayStation 2(日本国外) |
| 開発元 | クライマックススタジオ |
| 発売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
| プロデューサー |
ウィリアム・オーテル トム・ヒューレット |
| ディレクター | マーク・シモンズ |
| デザイナー | サム・バーロウ |
| シナリオ | サム・バーロウ |
| プログラマー | デイブ・オーウェンズ |
| 音楽 | 山岡晃 |
| 美術 | ニール・ウィリアムズ |
| 人数 | 1人 |
| 発売日 |
PSP [1] PS2 |
日本国外版は『Silent Hill: Origins』(サイレントヒル オリジンズ)のタイトルでPS2版も発売されており、キャラクターのモデリングが若干変更されている。
概要
シリーズ第1作『サイレントヒル』の前日談であり、作中にはそれを示唆するアイテムや登場人物が複数登場する。
発売前にはカプコンの『バイオハザード4』に類似した3人称視点や、バリケードを構築して敵の襲撃を防ぐなどの新要素導入が予告されていたが、実際のゲーム中で採用されることは無かった。ただし、敵からの攻撃に対してQTE(クイックタイムイベント)での防御が可能になったり、近距離用武器の使用回数が有限になるなどの新要素が導入されている。また、シリーズでは初となる素手攻撃が可能となった。
従来の作品では物語が進行すると受動的に裏世界へ移行するという演出が存在したが、本作では鏡に触れることによって能動的に裏世界へ移動できる。表世界では進行不可能である通路が裏世界では通行可能であることも多く、表世界への移行と裏世界への移行を繰り返すことがゲーム攻略の鍵となる。
これまでのシリーズ作品を開発していたコナミコンピュータエンタテインメント東京内のTeam Silentに代わり、イギリスのクライマックススタジオにより製作されている。開発にコナミは関わっておらず[注 1]、以降のシリーズ作品は『サイレントヒル ブック オブ メモリーズ』まで海外制作となっている(一部除く)。
ストーリー
配送に向かっていたトラック運転手の20代男性トラヴィス・グレイディは、近道になる事もあり普段は利用しないサイレントヒルを通るルートでトラックを走らせていた。が、サイレントヒルが近づくとある記憶がフラッシュバックしかかっていた。
さらにその時突然トラックの前に現れた少女を避けるべく急停車した。幸い少女は轢かれた様子は無かったが、その場を逃げるように立ち去った少女を追ってサイレントヒルの町はずれに辿り着いたトラヴィスは、燃えさかる一軒家と辺りを窺う不審な中年女性に気づく。直後、家の中から先ほどの少女と思わしき叫び声が響いた。意を決したトラヴィスは火災の中に飛び込み、全身に火傷を負った少女を助けるが、そこで意識を失った。
トラヴィスが意識を取り戻したとき、彼はサイレントヒルの市街地にいた。少女の安否を知るべく、彼女が搬送されたであろうアルケミラ病院へ向かうが、院長からは「そんな患者は入院していない」と言われてしまう。更に病院の奥へ侵入した彼はのっぺらぼうの看護婦のような怪物に襲われ、その後謎の少女に誘われるかの如く「鏡の中の世界」に入り込む能力を得る。
事件の真相を追ってトラヴィスは町の深部へと踏み込んでいくが、同時に自らの哀しい過去が明らかになっていく。
登場人物
- トラヴィス・グレディー(Travis Grady)
- 声 - マイキー・オコナー / ベン・イーライ(幼年)
- 本作の主人公。20代[2]。傷付いた過去を抱くトラックドライバー。
- 鏡を介し能動的に表と裏の世界を行き来することができ、本作中でサイレントヒルを訪れた際に初めて得た能力であるかのようにも描写されていたが、のちにフラッシュバックの中で母親のヘレンが自身も鏡を使い行き来ができると発言しており、トラヴィスも何らかの先天的な素質があり母親から能力を受け継いだと思われることが判明した。
- 謎の少女アレッサとの出会いを皮切りに、サイレントヒルに宿る力によって自らの過去のトラウマと向き合っていくと同時に、サイレントヒルで暗躍するカルト教団の謎に迫っていく。
- 最後はアレッサと共に神を倒し、サイレントヒルから脱出する。しかし、ゲームの2周目以降で一定数以上敵を倒すと、サイレントヒルで普通の人々をクリーチャーに見えていたかのように殺害してきており、拘束されるというバッドエンドを迎えることとなる。
- そのエンドではブッチャーがトラヴィス自身の凶暴な別人格だったことが判明することになる。
- ゲーム中でも、ブッチャーが棲家にしているモーテル503号室の写真集や劇場のメモ、シャベル等一部の武器を調べた際の不穏な説明文などから(BADエンドルートのみの設定である可能性もあるが)トラヴィスが過去に連続殺人を起こしている(殺人鬼である)可能性が暗示されている。
- 母ヘレンの発言は間違いではなく、実際にトラヴィスの心の奥に強い凶暴性・残虐性を秘めている事が示唆されており、それがサイレントヒルにおいて「ブッチャー」として具現化している(グッドエンドではその人格と戦って打ち勝ち、過去含め殺人を犯すことはなかったともとれる)。
- アレッサ(Alessa)
- 声 - ジェニファー・ウッドワード
- 本作のヒロインであり、世界観の要となるキーパーソンでもある7歳の少女。
- トラヴィスによって火事から救い出されるも全身に火傷を負い死亡した…はずなのだが、無傷の姿でトラヴィスの前に現れ、彼を裏世界へと導く。
- 本作ではアレッサの魂の片割れであるシェリル出生の詳細と謎が明かされる。
- ダリア・ギレスピー(Dahlia Gillespie)
- 声 - ローレンス・ブヴァール
- アレッサの母親であり、カルト教団の司祭。39歳。『1』と同様に、本作中の事件の黒幕。
- 7年後を描いた『1』よりはまだ年齢相応と言える容姿で現れる。
- 今作でも娘であるアレッサを躊躇なく凄惨な儀式の生贄にしておきながら、火災現場にいたところを見られたためか『1』のハリーの時のように騙し利用しようとまではしていないものの、ハリーに対してもそうであったようにトラヴィスに自身が儀式を行い火事を起こした張本人である事は伏せ「我が娘アレッサも燃えた」「彼女(アレッサ)を信用するな、トラヴィス」と話し、自身が善玉であるかのように振る舞うなど、自身の望み(神の復活)しか頭にない上に、そのために娘を含む他者に平気で凶行を行ったり、相手により振る舞いを変え狡猾に立ち回る悪辣な人物としての面を既に見せている。
- 強い超能力を待つ娘に強制的に神を宿し、出産させようと目論みるが、アレッサに神を宿す儀式を行う際に大量の炎を使用したため、火事となった(このため火傷を負わせた事自体は神を宿す儀式とは無関係であった可能性まで存在する。但し、『神を降臨させるものは強い苦痛と激痛が必要である』との旨が記載されたファイルが作中で手に入るため、やはりアレッサに火傷を負わせることも計画のうちであったともとれる)。
- 『1』で読める記事によると、火事は大規模なもので最終的にアレッサの家を含めて家7棟が全焼する事態になっている。
- リサ・ガーランド(Lisa Garland)
- 声 - ジェニファー・ウッドワード
- アルケミラ病院に勤める見習い看護婦。16歳。
- 魅力的な風貌と優しげな雰囲気を持ち明るい性格だが情緒不安定な面がある。
- この頃から既に麻薬(PTVというドラッグ)中毒だった他、カウフマンと肉体関係があったことが示唆されている。
- 『1』とは違い、異世界やクリーチャーの影響は受けていない様に見える(但し療養所にて裏世界でトラヴィスの前に現れた上、彼女が本来知り得る可能性が低いはずのトラヴィスの母親について、トラヴィスの母へのトラウマが基となったクリーチャーが現れボス戦となる部屋を指して「彼女はすぐそこにいる」と言及もしていた)。
- トラヴィスに好意を寄せているような描写も見られ、劇場で会った際には冗談まじりに「こんな町(サイレントヒル)から私と一緒に抜け出しましょう」と話していたが、その後モーテルでカウフマンとの性行為に及んでいた事が示唆された場面で、やってきたトラヴィスを見て気まずそうな様子を見せ、トラヴィスに声を掛けつつもその場を去っていったシーンを最後に登場することはなかった。しかし『1』での重要人物であるため今作では死亡したりはせず、最後まで生き残っている。
- カウフマン(Kaufmann) / マイケル・カウフマン(Michael Kaufmann)
- 声 - ジョン・チャンサー
- アルケミラ病院の院長。43歳。
- 冷静沈着で合理的だが、どこか慇懃無礼な態度で、冷淡かつ嫌みな印象を受ける。
- サイレントヒルの町に蔓延る新興宗教と関わりを持っている。密かに麻薬PTVを取り扱っており、本作ではリサと肉体関係があったことが示唆されている。
- 『1』とは違い、彼にクリーチャーや異世界は見えていない。
- ヘレン・グレイディ(Helen Grady)
- 声 - ローレンス・ブヴァール
- トラビスの母親でリチャードの妻。夫より先に他界したとも、現在も生きているともとれる人物(理由は後述)。現実世界と鏡の中の世界を行き来する能力を持つと思われる。
- トラヴィスを無理心中で殺そうとしたが、その事が原因で精神病患者として療養所(サナトリウム)に収容された。
- 収容されてもなおトラヴィスを殺害しようとしており、流石に聞き入れられる事はなかったものの「息子に会わせて」などと度々医者達に懇願していた事を記録したファイルが作中に存在する。
- 警察の取調べに彼女は「『鏡の中の人々』に息子は『悪魔の子供』だから殺すようにと求められた」と主張した。また、自身の言動がおかしいと思われるものであることを理解して客観視もできていることを窺わせる台詞もあり、本当にトラヴィスの残虐性を見抜き母としての責任感から息子を手にかけなければならないと行動していた可能性も示唆されている。しかし一方でそうした言動は全て妄想であり(あるいは鏡の中に行く能力自体は本物であったが、そこで見たものや遭遇した裏世界のクリーチャーなどから悪影響を受けた結果)、息子であるトラヴィスを殺そうとまでした結果優しい普通の子供であった彼が残虐性のあるもう一つの人格を作ってしまったという可能性も十二分に考えられる(愛する者からの虐待等からのトラウマで防衛本能として人格が分裂してしまい、多くの場合本来の主人格が抑圧されてしまうという、現実にも存在する症状について言及するファイルが本作中でも読める)。
- 作中で子供(トラヴィス)が療養所の一般立ち入り禁止区域に入り込んでしまったという旨を記したファイルが読めるため、ボス戦の際のフラッシュバックから察するに収容された後にも少なくとも一度はトラヴィスと会ってしまったと思われる。
- ボス戦前のフラッシュバックにて、療養所に入り込んできて「ママ?死んでしまったの?パパがママは死んだって」と話しつつ自身を探していた子供の頃のトラヴィスに、「自分は死んでおらず、ただ囚われているだけ」と発言していた。
- その後の安否は不明だが、療養所に訪れた現在のトラヴィスの前に異形のクリーチャーとして現れる(無理心中で自身を殺そうとまでした母へのトラウマが具現化にしたにすぎないのか、先述の子供の頃に病棟に入り込んでしまった際死んだと聞かされていた母に遭遇して、なんらかの酷い言葉をかけられるなどしてやはりその時負ったトラウマが具現化したのか、もしくは過去に亡くなったヘレンそのものがサイレントヒルの裏世界に取り込まれており姿を見せたのか、はたまた現在でまだサイレントヒルの療養所に生きて収容されたままであったヘレン本人が再び息子と対面しており、トラヴィスが彼女と話しトラウマに向き合ったという行動がクリーチャーと化した母との戦いとして表現されたのかは明確にされない)。
- また、夫リチャードがかつての妻の人格が失われた事から死亡したと表現した事を窺わせるシーンや、その旨を書き残しているファイルが存在する。現在(本編時点)でも死亡しておらずサイレントヒル内もしくはどこかの施設内で生きている可能性もある。
- もしヘレンの言う鏡を使って行き来ができることが本当だとしたら、トラヴィスが鏡を介して表世界や裏世界へ能動的に移動できるのは、母からの能力遺伝である可能性がある(今のところ歴代主人公の中で、異世界に能動的に行き来できるのはトラヴィスだけである)。
- バッドエンドルートではトラヴィスは現在の療養所もしくは肉屋にいた女性(一般市民なのか患者なのか職員なのかは不明)を自身の母親と誤認し、襲い掛かり殺害してしまっていた事が明かされる。
- ママ(Momma)
- トラヴィスの母ヘレンが異形と化した姿(記憶の中の母へのトラウマが基になっていると思われる)。
- 体は人型。円錐形の檻の中におり天井に吊らされている。檻から飛び出すようにみえる鋭い針とガスを使った攻撃をする。
- ガスを使った攻撃はヘレンが子供時代のトラヴィスと共にガスによる自殺を図った事から来ている。
- BADエンドルートでの正体は母ではない女性で、その女性がトラヴィスには母を基にしたクリーチャーに見えており殺害してしまっていた事が示唆されている。
- リチャード・グレイディ(Richard Grady)
- 声 - ジョン・チャンサー
- トラヴィスの父親でヘレンの夫。享年不詳で故人。トラヴィスに似た優しそうな顔立ちで生前は眼鏡を着用していた。
- 妻ヘレンの入院後、幼いトラヴィスと共にモーテルに滞在していたが、1961年6月12日に500号室で首吊り自殺した。遺体を発見したトラヴィスは父の死を受け入れる事が出来ず、モーテルの清掃員が現場を発見して通報するまでの約10時間ずっと遺体に話しかけ続けていた。
- 生前は妻ヘレンや息子トラヴィスを愛していた普通の人。愛妻家だったため、ヘレンと病院で何度も面会していたが、回復するどころか息子を(殺すために)連れてくるように求め、断られると急激に症状が悪化して発狂する姿を見て、もはや自分の知っている妻では無くなったという事実に絶望して後に死を選んだ。
- 幼い息子に母親が精神病棟に入院しているとは言えず(ヘレンが精神病棟に入院してもなおトラヴィスをどうにかして手にかけようとしていた事もあったと思われる)、また医師の提案もあり「お母さんは亡くなったんだよ。」と語っていたがトラヴィスは懐疑的だったようである。
- バッドエンドルートでは母親の時と違い父親と誤認していたのかは不明であるが、トラヴィスがモーテルにいた従業員と思わしき男性(トラヴィスに、モーテルが今のシーズンは一般営業をしていないと教えていた)に襲い掛かり殺害してしまっていた事が明かされる。
- サッドダディ(Sad Daddy)
- トラヴィスが幼い頃に自殺したリチャードが、裏世界で異形の怪物と化した姿。名前は「悲しきパパ」。
- 人間似た口が特徴で天井から吊り下がった箱に体を押し込めた姿をしている。頭部が伸縮し、噛みつき攻撃、触手攻撃、吐血の様に口から液体を吐いて攻撃してくる。また、即死攻撃も使用してくる。
- ハリー・メイソン(Harrold "Harry" Mason)、ジョディ・メイソン(Jodie Mason)
- 声 - マイケル・グイン(ハリー) / ジェニファー・ウッドワード(ジョディ)
- エンディングにのみ登場する、『1』の主人公ハリー(25歳)とその妻ジョディ(年齢不詳)。
- アレッサの魂の半分である赤子を路上で拾うことになる(『1』のオープニングムービーで描かれたシーンであり、その際夫婦でどのような会話をしていたのかが本作で明かされたと言える)。
- 今作では声のみの出演だが、『1』のハリーと同じ声優のマイケル・グインが起用されている他、『1』ではオープニングムービーに姿を見せるだけであったジョディにも台詞が与えられた。また、赤子にシェリルと名付けたのは(ジョディは病弱で自身で子供を産める体調ではなかったことが『1』でハリーによって語られており、赤子を拾う以前に「もし子供がいたら」という形でハリーと決めていた名前である可能性等もあるが)ジョディであった事が本作で判明する。
- シェリル・メイソン(Cheryl Mason)
- アレッサがフラウロスの力で分離させた、彼女の魂の半分が具現化した0歳の赤子。メイソン夫妻に拾われる。『1』にて重要な役割を担うこととなるキャラクター。
- ブッチャー(The Butcher)
- 大きな肉切り包丁を手にした怪人。名前は「肉屋」もしくは「屠殺人」を意味する。
- 体格はトラヴィスよりも一回り以上も大きく、肉屋のようなエプロンを身に纏い、顔の左半分をマスクで隠している。他のクリーチャーを惨殺したり、トラヴィスに脅迫めいた文章を残すなど他のクリーチャーとは異なる習性を持つ。序盤の肉屋で初登場して以降、様々な場所で姿を見せたり、痕跡を残していく。物語の終盤、モーテルのキッチンにて遂にトラヴィスと直接対峙し、交戦の末、倒された。移動スピードは遅いが攻撃力は高く、掴み攻撃を受けた際に2回目のコマンド入力を失敗すると即死攻撃を繰り出してくる。
- なお、特定のエンディングではトラヴィス自身の凶暴性・残虐性である邪悪な人格が具現化した存在である事が示唆されている。
- どのルートでも登場する以上、トラヴィスのもう一つの人格として存在はしていると思われるが、グッドエンドではブッチャーに打ち勝ったため過去も含めトラヴィスが殺人を犯す(凶暴な人格が表面化する)事はなかったともとれる。事実、モーテルのキッチンにて倒された際にトラヴィスがブッチャーが取り落とした肉切り包丁を手にし、叫び声をあげながらその包丁を自身の凶暴な人格と決別するかのように倒れたブッチャーに叩きつけるというムービーシーンが存在する。
クリーチャー
- ナース(Nurse)
- トラヴィスが最初に遭遇する人型クリーチャー。シリーズお馴染みのナース枠。
- トラヴィスを見つけるとよろよろと近づき、メスや巨大な注射器で襲ってくる。
- 感知能力は高いが、ライトを消していればほとんどこちらに気づかなくなる。市街地などの屋外エリアやゲーム後半の施設内には登場しない。
- キャリオン(Carrion)
- 皮を剥いだ犬ないし熊のような見た目の下半身が異様に大きい獣型クリーチャー。大型の個体もいる。名前は「腐肉」を意味する。
- 普段はゆっくりと頭を引きずりながら這いずり回るように移動しているが、近づくと俊敏な動きで体当たりしてくる。また、感知能力は並だが追尾能力や攻撃の際のリーチが半端ではない。
- レムナント(Remnant)
- 療養所のみに現れる拘束具のようなものを付けた透明のクリーチャー(ライトを当てた時に現れる影の形から人型であると思われる)。名前は「残骸」の意を持つ。
- 動きは鈍いが、ライトを消しても近くを通れば気づくほど感知力が高い。薄暗い場所では見つけ難い。攻撃は体当たりだが攻撃力が高い。
- 倒れた時点で確実に死んでいるため、唯一とどめを刺す必要のない珍しいクリーチャー。
- アリエル(Ariel)
- 劇場にのみ現れる操り人形の姿をしたクリーチャー。瀕死からの復活が早い。
- 天井にぶら下がっていることが多いが、床に落下すると逆立ちの格好で移動することもある。ぶら下った状態では首絞め、逆立ち状態では蹴りを繰り出す。
- キャリオンマザー(Calion Mother)
- 見た目はキャリオンが巨大化しただけのクリーチャー。
- 行動もキャリオンとほぼ変わらず、前足を上げて圧し掛かりを繰り出す時がある。
- 他の敵と違い、絶命すると煙のように消え、跡には緑色の染みが残る。
- ツーバック(Twoback)
- 人型の肉塊が二体折り重なってくっついたような外見のクリーチャー。戯曲『オセロ』の台詞“二つの背中を持つ獣”が名前の由来。
- 二人羽織のようにも性交のようにも見える見た目故か、それぞれ別に動こうとしているのかは不明だが二体の手足の動きがちぐはぐなため、歩く姿はもがいているように見える。
- 突進したり、針のような腕で突きを繰り出したり、体液を吐き出して遠距離攻撃を仕掛けてくる。
ボス
ブッチャー、ママ、サッドダディは上記を参照。
- ストレイトジャケット(Straight Jacket)
- 両腕を拘束された人間のような姿をしたクリーチャー。名前は「拘束服」を意味する。病院のボス個体とその後ゲーム全編にわたって登場する通常個体がいるが、見た目や能力の差異は特にない。
- 動きが速く、両足でのつかみ攻撃や体液を吐きかけて攻撃してくる(二連射パターンもあり)。また、倒したタイミングによっては力尽きる前に体液を飛ばしてから死亡する事もある。
- 『2』のライイングフィギュアに酷似しているが、似た別種なのか同一の存在であるのかは不明。
- カリバン(Caliban)
- ブリッジをしたような格好の大型クリーチャー。巨大な足で地響きを立てながら歩き回っている。劇場のボス個体と通常個体がいる。
- 耐久力が高く、高威力の踏み付けや攻撃範囲の広い体当たりを仕掛けてくる。
- 学校をサボり劇場に入り込んだアレッサを恐怖させた「バッファローを模した怪物の衣装」が基になっている(劇団の者が、劇場に入り込んだアレッサを見て、学校をサボっているであろう事を察しつつも咎めず、劇を見ていって良いと許可を出してくれていた)。
- アレッサズドリーム(Alessa`s Dream)
- 麻酔薬を吸って気絶したトラヴィスの悪夢の中に出現する、悪魔とも神ともつかぬ姿をしたクリーチャー。本作のラストボス。
- 戦闘では鋭い爪で斬りつけたり、胸部から光線を発するほか、上空から大量の火炎弾(1発ごとの威力は低めだが、すぐに距離を取るなどしなければ連続で被弾する)を降らせて全方位を攻撃してくる。
武器・アイテム
本作では接近戦用武器に耐久値が設定されており、一定回数使用すると破損・消失してしまう。ただし既存シリーズに比べて多種多様な接近戦用武器が登場し、同種の接近戦用武器を多数同時に所持する事が可能になった。また、素手による格闘攻撃も可能になったため、たとえ武器を使い果たしてもゲーム進行が不可能になるわけではない。
素手
両腕で交互にパンチを繰り出す。最初から使用できる攻撃手段であり、使用回数に制限はないものの威力は極めて低く、リーチも短い。
接近戦用武器 (投てき武器)
- 敵に投げつけるための武器。使用回数は1個につき一回のみであり、標的に命中せずとも破損してしまう。構えて投げる前に攻撃ボタンを押しっぱなしにする事で力を溜めることができ、画面が震える演出が出るまで長くチャージすると最大の威力となる。武器自体の重さとチャージする時間によって威力や射程が変化する。性質上隙が若干大きくヒットさせるのに多少のコツがいる武器ではあるが、当てた時のダメージはチャージなしでも1発で多くの敵をダウンさせられるほど平均して大きい。
- アルコールのビン
- かご
- 書類整理棚
- タイプライター
- ツールボックス
- テーブルランプ
- 鉄のおもり
- 電気スタンド
- トースター
- ポータブルテレビ
接近戦用武器 (直接攻撃)
敵を殴打、切断、刺突するための武器。種類によって威力やリーチ、攻撃速度、耐久値が異なるため、使い分けが重要になる。例外としてクリア特典で手に入る接近専用武器は耐久値が無限(絶対に壊れない武器)となっている。他シリーズでの描写(壊れない事)に違和感が生じるのを避けるためか、シリーズ伝統の鉄パイプは今作では存在しない。
- 折れた棒
- かぎ竿
- カミソリ
- ギザギザな木材
- シャベル
- タイヤレバー
- 調理用ナイフ
- 点滴用の支柱
- ドライバー
- 肉切り包丁
- 日本刀
- バトン
- 火かき棒
- ハンマー
- ピッチフォーク
- ビリヤードのキュー
- ミートフック
- メス
- 槍
- レンチ
- 月のこて
- ゲームを一度クリアすると初期装備に追加される武器。拳に鋭い棘を備えた金属製の籠手で、何度使用しても破損することは無く、雑魚敵ならば1〜2回殴ればトドメを刺す必要もない形で倒せ、各ボスクリーチャーでさえも数発で倒せるほどの威力を誇る。ただし敵を殴ったかどうかを問わず、攻撃(パンチ)する度にスタミナを使い果たすという欠点も存在する。スタミナ切れに関しては2時間以内クリア特典の俊足の服を着ていれば相殺可能。
- 巨大肉切り包丁
- ブッチャーが使用しているものと同じ、人間の半身近くの大きさを誇る肉切り包丁。
- ゲーム中でブッチャーが倒された際取り落とすものは、トラヴィスがそのままムービーシーンにて倒れたブッチャーに叩きつけるため手に入らないが、2周目以降に敵を100体以上倒してクリアし、特殊なエンディングを見るとクリアデータから遊べる次周以降の初期装備に追加される。月のこてと同等の威力、破損しない耐久力に加え、長いリーチを誇る。また、月のこてと異なりスタミナの消費量も通常の武器を振るった時と同等である。
- 消防斧
- ゲーム冒頭でアレッサを救出する際、80秒以内(ムービーシーンは含まれないはずであるが、確実に入手したければスキップすることが推奨される)に脱出し、その周回をどのエンドでも良いのでゲームクリアするとクリアデータから遊べる次周より初期装備に追加される。威力は平凡だが、何度使用しても破損しない特性を持つ。また、スタミナ消費量についても普通の武器と同等のわずかなものとなり、月のこてのように振るうたびにスタミナを使い果たすこともない。殺害数を抑えつつ敵をダウンさせたい場合などにも有用な武器となる。80秒以内にアレッサの家を脱出できたかはその場では成功の可否が示されず、クリア時に『消防士』の称号が手に入るかどうかを見るまで明確に条件達成を確認する方法は存在しない。手に入れる条件を達成さえできれば、1周目で入手条件を満たして2周目から使う事も可能。
遠距離戦用武器
遠距離の敵を攻撃するための銃器。武器そのものは破損はしないが弾薬を消費する。種類によって発砲速度、射程、攻撃力、装弾数が変化する。
- 競技用ピストル
- 6発の装弾が可能であり、射程も長い拳銃。ただし威力は低く素手と同等。療養所の入り口から近い部屋の椅子の上に置かれている。
- 軍用ピストル
- 装弾数が8発に増え、競技用ピストルより威力も高い上位互換的な拳銃。劇場1階の奥の方の部屋で手に入る。
- ショットガン
- 絶大な威力を持つが、装弾数が2発のみであり、射程が極めて短い散弾銃。裏世界の療養所内のある場所のドアを塞ぐために閂(かんぬき)代わりに置かれている銃。そのため、本作の銃の中で唯一進行上必ず手に入る。その関係か、終盤のムービーシーンの中でもトラヴィスが手にしている形で登場する。
- 狩猟用ライフル
- 装弾数は4発だが、極めて高い威力を持ち、射程も長いライフル銃。劇場の裏世界の2階で手に入る武器。
- アサルト・ライフル
- 単発の威力は高くないがフルオート連射によって高い火力を誇るライフル。射程も長く、装弾数は18発。物語中盤で進行上必ず通り抜けることになる本屋に置かれている、迷彩服を着た男の等身大パネルが手にしており調べるとそのまま入手できる。
- リディーマー
- 装弾数は6発だが狩猟用ライフルと同等の威力を持ち、射程に優れた44口径のリボルバー拳銃。リバーサイドモーテルの表世界の108号室で手に入る。
- テスラ・ライフル
- UFOエンディングをクリアした後に初期装備として追加される。長射程の光線を無制限に連射できる光線銃。発砲の際銃口から発射される目視できるレーザーは短く見えるが、単なるグラフィック上の演出であり実際はかなり遠くの敵も攻撃できるほど射程は長い。
最初から持っているアイテム
- フラッシュライト
- 暗所を照らし出す懐中電灯。ただし、使用していると暗所で活動するクリーチャーに気付かれてしまう(オフの際と比較してかなり気が付かれやすくなる。逆にライトをオフにして走らないようにすると、ほとんど気が付かれなくなる)。市街地などの明るい場所ではオンオフが行えず(各施設のボスを倒した後など強制的にオンになっている他、その後市街地を探索などする中でコンビニなどの室内でライトをオフにして市街地に出ても、敵から気付かれる距離はそういった場所では変化しない)、またグラフィック上はオフになっているがシステムではオンの扱いとなっている(明るい場所のクリーチャーはこちらをすぐに認識して積極的に襲ってくるようになっている)。
- ラジオ
- トラヴィス曰く退屈な時間を紛らわせてくれる安物のポケットラジオ。シリーズ作品の例によって通常の放送は受信できないが、クリーチャーが接近するとノイズを発するため、探知機として使用できる。オンオフの設定も可能。
- 運命のコイン
- トラヴィスが昔から持ち歩いているお守り。
- ピンボールゲームで勝利した時のもので、親が亡くなった頃から持っているらしい。クォーター(25セント硬貨)に紐を通しペンダントにしている。ある謎を解き明かすヒントが隠されている。
- 暗視ゴーグル
- 1周目のゲームプレイ内でフラッシュライトを使用した時間がトータル3時間以下(2時間59分59秒まで)でクリアすると次周より初期装備として追加される。敵に気付かれにくい状態で(ライトをオフにしつつ)暗所を探索できる。
消費アイテム
- 栄養ドリンク
- 使用するとスタミナを全回復する。従来作品の同名アイテムとは異なり体力の回復効果は無く、緑色のラベルのペットボトル飲料である。
- 健康ドリンク
- 使用すると体力が小程度回復する。ビン飲料で見た目も効能も従来作品の『栄養ドリンク』に近いアイテムだが、『3』のようなスタミナ回復効果は無く、その役割は先述の本作での栄養ドリンクに与えられている。
- 救命箱
- 携帯型の薄い救急用キット。使用すると体力が中程度(健康ドリンク3本分ほど)回復する。
- アンプル
- 使用すると体力が完全に回復する。本作では使用後数分間体力を自動回復する効果や、スタミナ回復効果はない。
エンディング
- グッドエンド
- サイレントヒルの街全体が異様な世界に変貌した後、探索を続け雑貨屋の隠し通路から怪しげな集会所にたどり着き、アレッサを発見したトラヴィスであったが、サイレントヒルの町で今まで度々姿を見せていた時とは違い、アレッサは家から助け出した時のまま全身の皮膚に火傷を負った状態で寝かされていた上、彼女を取り囲み彼女に「神」を産み出させようとしている怪しげな教団の人間達を目にする。
- そして彼らと共に現れたカウフマンの指示で噴射された麻酔ガスにより、トラヴィスは意識が朦朧として倒れ込んでしまう。
- カウフマンとダリアがアレッサや何らかの儀式について話しているのを聞きながら、トラヴィスは昏睡する。さらにトラヴィスは悪夢を見るが、その中でアレッサに宿る「神」が由来と思わしき神とも悪魔ともつかない容姿のクリーチャーと交戦し、退ける。
- 夢の中に病院でトラヴィスがそれまでに集めた欠片を組み合わせて完成させていたフラウロスが現れ、トラヴィスが弱らせたクリーチャーを封印する。
- トラヴィスが目覚めると、現実世界でも手にしていたフラウロスがトラヴィスとアレッサを守るかのように輝き始め、アレッサに光線を飛ばす。アレッサの魂は分離し、彼女の体は光に包まれる。その光景を見たダリアとカウフマンは真っ先に逃げ出し、教団の構成員達も混乱に陥る。
- アレッサと共に神の誕生を阻止したトラヴィスは元の世界に帰還し、教団の者達に危害を加えられたり拘束される事もなく町外れの自分のトラックの元へ無事戻り、乗り込む。
- さらにトラヴィス自身の両親や幼少期にまつわるトラウマが解消された様子も見せ、バックミラーで赤子を抱くアレッサの姿を見て、これまでの過去のトラウマを清算したことを示すかのようにトラックの距離メーターをゼロにし、微笑んで街を去っていった。
- アレッサの魂の半分はフラウロスの力を借りて赤子となり、サイレントヒルから逃がされメイソン夫妻に拾われる。一方アレッサの魂が分離し不完全となった事で神の出産を行わせる事ができなくなったダリア達は、アレッサに苦痛を与え続ける事で魂の半分を呼び戻す(呼び戻させる)事を画策する。そして物語は『1』へと続いていく。
- 一周目では必ず到達するエンディング。
- このエンドに到達することで、月のこてというクリア特典の武器が入手できる。
- バッドエンド
- 終盤のアレッサの魂の半分がフラウロスによって分離するシーンまではグッドエンドと同様であるが、目を覚ました時トラヴィスは拘束具に繋がれていた。そして頭の中に声が響き渡り、トラヴィスとブッチャーの姿が重なる。
- トラヴィスはサイレントヒルでの出来事を思い返していくが、その中で各所を訪れ普通の住民と思わしき人々をクリーチャーに見えていたかのように殺めていっていた。拘束から逃れようともがくトラヴィスをブッチャーと思わしき人影が静かに見ていた。
- ブッチャーがトラヴィスのもう一つの凶暴な人格であるという設定が大きく関与するエンドで、今作での物語が全て殺人鬼であったトラヴィスの妄想(もしくはサイレントヒルに宿る『神』の力により普通の人間をクリーチャーのように見せられてしまっていた)だったとも捉えられるようなルートで、後の作品には繋がらない、グッドエンドルートとはそもそもの真相や根幹の設定が異なるIFストーリーとも言える内容となっている。
- また、このルートでのアレッサや教団の最終的な去就は不明(このルートではそれらも含めてトラヴィスの妄想であった可能性もある)。
- 二周目以降で進行上必ず倒す必要があるボスクリーチャーを含め、大量(100体以上)のクリーチャーを殺害しつつラスボスを撃破した場合のエンディング。このエンドに到達すると巨大な肉切り包丁という特殊な武器が手に入り、クリアデータから遊べる次周の初期装備に追加される。
- UFOエンド
- シリーズ恒例のジョークエンディング。
- モーテルまでたどり着いたトラヴィスは、拾っていたモーテルの502号室の鍵を使って扉を開けようとするが、鍵は入ったものの回らず、ドアは開かなかった。ふと空を見上げたトラヴィスは、異様な状況でも自分を見守ってくれている月を目にし、「月は孤独だな...ずっと見守っていてくれたのか?」と呟く。その時月の前をUFOが飛来してきて、トラヴィスは驚愕する。鍵は扉を開けるためのものではなく、UFOを呼び寄せるスイッチのようなものだった。
- トラヴィスの前に宇宙人と柴犬が現れ、宇宙人は地球の言語(英語)を話しトラヴィスに友好的に接し、トラックが自分の星にあるから連れて行ってあげると言う。
- 喜んだトラヴィスは宇宙船を操縦してもいいかと尋ねた。エイリアンは「マニュアルだけど大丈夫?(アメリカの免許制度ではオートマ限定のような制度がなく、取得した時点でAT車・MT車の区分なく両方運転できる。MT車を実際に運転できるかはドライバー自身の技量による事になり、大型トラック運転手であるためほぼ確実にトラヴィスはMT車を運転できるはずであり、一種のジョークのような問い掛け)」と快諾し、2人と1匹はUFOに乗り込みサイレントヒルを去る。
- 二周目以降で入手できるモーテル502号室の鍵をその部屋の扉に使うと分岐する。殺害数は問われず、このエンディングに入れば100体以上のクリーチャーを殺害していてもバッドエンドを回避可能。逆に、このエンドの場合クリーチャーを100体以上殺害していても『殺人鬼』の称号は手に入らず、まだ入手していない場合バッドエンドのクリア特典となる巨大な肉切り包丁は手に入らない。このエンドに到達するとテスラライフルという特殊な銃が手に入り、クリアデータから遊べる次週の初期装備に追加される。
スタッフ
- ディレクター:マーク・シモンズ
- シナリオ/ゲームデザイン:サム・バーロウ
- リードアーティスト:ニール・ウィリアムズ
- キャラクターアーティスト:ヴァネッサ・ウェルズ、エルコ・ヴォッサーズ
- リードプログラマー:デイブ・オーウェンズ
- テクニカルリードプログラマー:ジェームズ・シャーマン
- シネマティックディレクター/リードアニメーター:ブライアン・ロジャース
- 音楽:山岡晃
- オリジナルコンセプト:ケビン・ヘンドリクソン
- プロデューサー:ウィリアム・オーテル
- アソシエイトプロデューサー:トム・ヒューレット
- エグゼクティブプロデューサー:カール・D・ジェフリー、 サイモン・ガードナー