シャトレーヌ

From Wikipedia, the free encyclopedia

シャトレーヌ/ 1765-1775年頃 / ヴィクトリア&アルバート博物館 所蔵 no. C.492:1 to 7-1914
1700年代のシャトレーヌ/ Hallwyl Museum所蔵
円盤型ピンクッション、鉛筆、指ぬきホルダーに入った指ぬき、はさみ(左から右) がついた シャトレーヌ

シャトレーヌ(シャトレーン)は、腰に装着する、装飾を施されたベルトフックやクラスプ(留め金)で、そこから一連の鎖が垂れ下がっている装身具である。それぞれの鎖には、はさみ、指ぬき、時計、鍵、嗅ぎ薬、一家のシール(印章)などの便利な家庭用品が取り付けられている。[1]

もう一つのタイプのシャトレーヌは首に着用するもので、リボンや布でできている。この場合、道具は鎖の両端に付けられている。[2]

シャトレーヌという名前は、城やシャトー(貴族の邸宅など)の鍵を持ち歩くためのベルトを着用した女主人を指すフランス語のchâtelaineに由来する。[3]

初めてシャトレーヌがファッションアクセサリーを示す言葉として使用されたのは、1828年4月発行の雑誌「The World of Fashion」である。その後、1829年1月にこの言葉を使ったアクセサリーへの言及が再び登場した。[4]これ以前には、シャトレーヌは女城主を指すためのみに使われていた。

1829年1月号には、この用語の新しい意味として以下のように記されている。

シャトレーヌは女性の化粧道具の一つである;様々な装飾品を大きな金のチェーンでつなぎ合わせたもので、チェーンはサッシュベルトに固定されている。バックルまたはボタンが、ドレスのスカートのおよそ4分の1まで垂れ下がっている。先端には美しい金の鍵、金細工でできたゴシック調の香水瓶、その他いくつかの小さな装飾品が付けられている。[5]

歴史

古代ではサムニウム人の女性は、長方形をした、中央部分が鎖帷子でできているシャトレーヌを着用していた。チェーンの螺旋状の部分にはいくつもの金属製の渦巻きの装飾が施されていた。各チェーンには、穴の開いた金属製の円盤が付けられていた。このような種類の服装はピケンテス人に由来している。[5][6]

古代ローマの貴婦人たちは、耳かき、爪掃除、ピンセットなどを付けたシャトレーヌを着用していた。[7]また、ローマ支配下のブリタニア(ロマン・ブリテン)の女性たちは、化粧道具が吊り下げられた「シャトレーヌブローチ」を身につけていた。[8]

7世紀から8世紀のイギリスにおける女性の墓からは、シャトレーヌやシャトレーヌ・バッグの遺物が発見されている。このようなシャトレーンの遺物と一緒に、ワイヤーリング、ビーズ、バックル、ナイフ、その他の様々な道具類が見つかることも多い。[9]

1600年代後半になるまで、男性の衣服にポケットがあったという明確な証拠はない。そのため、鍵や煙草入れ、鞘に収めたナイフのような日用品をぶら下げる場所として、シャトレーンは非常に重要な役割を果たしていた。[10]17世紀に入ると、女性たちは主に裁縫道具をシャトレーヌに吊るしていたが、香水瓶や鍵、鏡、ピンセット、またはその他の小さな道具などを掛けておくこともあった。[10]

18世紀には、男女ともに日常的な必需品というよりは、時計やシール(印章)などの、より特別で高価な小物を取り付けるためシャトレーヌを装着するようになった。[11]19世紀では、多くのハウスキーパーたちがシャトレーヌを着用するようになる。[12]

シャトレーヌバッグとは、ウエストバンド(腰帯)から紐あるいはチェーンで吊り下げるバッグのことで、1860年代から19世紀の終わりまで流行した。[13]

リボンや布製のシャトレーヌは、ブラウスやウエストバンドにピンで留めたり、首から下げたりして着用された。首に巻く際は、強度を高めるためリボンと同じ幅(約1/2インチ)のリングを着用することもあった。道具は、チェーンではなく、シャトレーヌの両端に結び付けられていた。このスタイルのシャトレーヌはシェーカー教徒に由来するものと考えられることもある。しかしそれを裏付ける証拠は見つかっていない。[2]

身分の象徴

19世紀には、シャトレーンは裕福な家庭における女性の地位を示す「キーチェーン」としても用いられた。数多くのデスク、チェストの引き出し、食料品入れ、パントリー(食品貯蔵室)、収納容器、その他の多くの施錠されたキャビネットの鍵をすべて持っていた女性こそ、「一家の女主人」だった。そのため、彼女は使用人、ハウスメイド、料理人、または出入りの業者たちなどを指揮し、家中の貴重品へのアクセスを管理する立場にあった。つまり、一家の貴重品の利用において全権を掌握していたのである。多くの場合、この女主人は一家の中で最も年齢の高い女性であった。女性が結婚し、義理の父親の家に移り住むと、夫の母親が鍵を保管しているのが一般的であった。しかし義父が死亡し夫の母親が未亡人になると、その鍵と責任、そして地位は長男の妻に引き継がれる場合が多かった。

一家の年若い女性や娘たちは、時としてこのような責任感ある立場を装いたがり、鍵の代わりに様々な小物がついた装飾的なシャトレーヌを身につけることがあった。特に、きらきらと輝く会話のきっかけとなるような小物が好んで使用された。[14]一家の女性が不在の場合は、鍵の管理は雇われたハウスキーパーが担う場合が多かった。

画像

出典

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI