シーライオニング

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シーライオニング: sealioning[1]とは嫌がらせの一種。礼儀正しく誠実な振りをしながら証拠・回答などを何回も要求すること[2][3][注釈 1]

これは「議論への参加を執拗に、真意を偽りつつ求める」形をとることがあり[6]、人間を対象としたDoS攻撃に例えられることがある[7]。この用語はデヴィッド・マルキによるウェブコミック『Wondermark』の2014年のエピソード(インデペンデント紙は「これまでに見た中で最も的確にツイッターを表現したもの」と呼んだ[8])に由来する[9]

これを行う者(シーライオン)は無知で礼儀正しいふりをし、「私はただ議論をしようとしているだけだ。」という体で、答えと根拠を容赦なく要求する。その際、ターゲットとなった人が既に提示した根拠を無視したり、回避したりすることもよくある。標的になった人が痺れを切らせて怒り出すと、その者はあたかも自分が不当に虐げられたような振る舞いをしてみせ[10][11]、ターゲットは心を閉ざした不合理な人間ということになる。それは「議論に参加するための絶え間ない悪意のある招待」といわれる。シーライオニングは一人で行うこともあるし、複数の者が協力して行うこともある[12]。シーライオニングは、議論中に過剰な数の論点を提示することで相手を圧倒しようとする修辞技法ギッシュ・ギャロップと似ており、人間相手のDoS攻撃に例えられる[13]

ハーバード大学バークマン・センターが出版した『オンライン上の有害発言に関する展望』に収められたあるエッセイには、次の記述がある。

修辞学的に言うと、シーライオニングは、合理的に議論しようと大声で主張しながら、基礎的な情報に関して・どこでもすぐに見つかる情報に関して・無関係だったり脱線した事柄に関してなされる絶え間ない質問を、融合させる。それは学習しコミュニケーションしようとする誠実そうな姿勢を装う。そうやってシーライオニングは、標的となった人の忍耐・注意・対話の努力をすり減らし、その人が理性的でなく見えるように仕向ける。一見、これをする「シーライオン」の質問は無邪気だが、それは悪意に基づいており有害な結果をもたらす。エイミー・ジョンソン、バークマン・センター(2019年5月)[13]

アメリカの学術哲学者ウォルター・シノット=アームストロングはその著作「Think Again: How to Reason and Argue」の中でこの用語について論じ、次のように述べている。

荒らしたちはいわゆる「シーライオン」に関与することがある。彼らはそれ以上の議論が無意味であると気づいた後でも、彼らが望む限り彼らと議論し続けることを要求する。あなたが辞めたいと宣言した場合、彼らは心を閉ざしている、あるいは理性的ではないと非難する。この反復練習は不快である。理性は沈黙すべきではないが、ときには休暇も必要である。ウォルター・シノット=アームストロングThink Again: How to Reason and Argue(2018年6月)[14]

他にも複数の研究者がシーライオニングを「荒らし」が使用する他の技術と関連付けたり、直接説明したりしている[4][15][16][17]

2020年12月、アメリカの辞典で有名な参考図書出版社メリアム=ウェブスターはそのオンライン辞書『Merriam-Webster』にこの用語を「注目の用語」として掲載、「実用例をよく目にするが掲載する基準に達していない」[9]と注記した。

「シーライオニング」とは、実際の議論は関係なく他の参加者を疲弊させることを目的とした荒らしである。

次いで2021年、カナダの雑誌Maclean'sは、メリアム=ウェブスターの定義を称賛し、「メリアム=ウェブスターの注目の用語リストにあるこの新語は、オンラインで会話することのフラストレーションを適切に説明している」と述べた[8]

起源と歴史

ガラパゴス諸島のオスのアシカ (シ―ライオン)

この言葉は2014年にウェブコミックの『Wondermark』で掲載された、デヴィッド・マルキによる一編のウェブコミックに由来する[18]。最初のコマで登場人物の1人がアシカ(シーライオン)への嫌悪を表明し、そこにアシカが割り込んできてその人物に繰り返し説明を求める[19]。この粘着行為を意味する「シーライオン」は瞬く間に動詞として人口に膾炙した。この言葉はネット上の荒らしの表現として広く知られるようになり、ゲーマーゲート集団嫌がらせ事件に参加した一部の論客たちの態度を表現するために使われた[20][21]

インターネットを主題とする査読付き雑誌『ファースト・マンデー』に掲載された2016年の研究は、論争が絶えないゲーマーゲートコミュニティである subreddit の /r/KotakuInAction のユーザーに対し、「嫌がらせ」を構成するものは何と考えるか調査した。それによると「誠実に反対を表明すること」は論争相手にとっては嫌がらせと捉えられるという意見があり、シーライオニングという言葉は正当な証拠の要求を抑え込むために使われていた[22]

What to know: Sealioning is a harassment tactic by which a participant in a debate or online discussion pesters the other participant with disingenuous questions under the guise of sincerity, hoping to erode the patience or goodwill of the target to the point where they appear unreasonable. Often, sealioning involved asking for evidence for even basic claims.
Sealioning とは、討論またはオンラインの協議の参加者が誠実さを装ってくりだす嫌がらせ戦術であり、標的に定めた他の参加者の忍耐力や善意を不合理なまでに侵すことを望んで、相手に不誠実な質問で食い下がる。多くの場合は基本的な主張にすら証拠を求めようとする[9]

脚注

関連項目

外部リンク

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