ジェームズ・A・リンゼイ
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ターニングポイントUSAの2022年アメリカフェストでスピーチ中のリンゼイ | |
| 人物情報 | |
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| 生誕 |
ジェームズ・スティーブン・リンゼイ 1979年6月8日(46歳) アメリカ合衆国ニューヨーク州オグデンズバーグ |
| 出身校 | |
| 学問 | |
| 学派 | 保守主義, 新無神論 |
| 研究分野 | 宗教批判, ポストモダニズム批判, 批判的人種理論批判 |
| 主な業績 | 不満研究事件 |
ジェームズ・スティーブン・リンゼイ(James Stephen Lindsay、1979年6月8日 - [1])、筆名ジェームズ・A・リンゼイ[2]は、アメリカ合衆国の文筆家、文化評論家、陰謀論者[3][4]。
2017年から2018年にかけてピーター・ボゴジアンとヘレン・プラックローズと共に、学術分野の厳密性を検証する目的で、虚偽の論文(いわゆるデマ記事)を査読付き学術誌に投稿した不満研究事件で知られている。プラックローズとの共著の『「社会正義」はいつも正しい』(2020年/邦訳2022年)などの著作がある。また、「文化的マルクス主義」や「LGBTグルーミング陰謀論」といった右派の陰謀論を推進している[4][5][6][7]。
ニューヨーク州オグデンズバーグ生まれ。5歳のときにテネシー州メアリヴィルへ移住。1997年にメアリヴィル高校を卒業後、テネシー工科大学で数学の学士号と修士号を取得。2010年にはテネシー大学で数学の博士号を取得した[8]。博士論文のタイトルは「Combinatorial Unification of Binomial-Like Arrays」で、指導教授はカール・G・ワグナーだった[9]。学位取得後、アカデミアから離れて故郷に戻り、マッサージセラピストとして働いていた[10]。
リンゼイは保守的でキリスト教徒が多い米国南部で、無神論と左翼に関する本を書くために、ミドルイニシャルの「A.」を「ちょっとした仮名」として使い始めた[2]。
2019年、リンゼイはピーター・ボゴジアンと共著で『話が通じない相手と話をする方法 (How to Have Impossible Conversations: A Very Practical Guide)』を発表した[11]。同書はライフロング・ブックスより刊行されたノンフィクション作品である[12]。2020年、リンゼイはヘレン・プラックローズとの共著であるノンフィクション作品『Cynical Theories』(邦題:『「社会正義」はいつも正しい』)をピッチストーン・パブリッシングから発表した。同書は発売と同時に『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『USAトゥデイ』、『パブリッシャーズ・ウィークリー』のベストセラーとなった[13][14][15]。ハーバード大学の心理学者スティーブン・ピンカーは、「私たちの文化を飲み込もうとしているよう見える運動の知的ルーツが驚くほど浅い」ことを暴露した作品として賞賛した[16]。ティム・スミス=レインは『デイリー・テレグラフ』の書評で、同書が「歴史からヒステリーに飛躍している」と批判した[17]。
リンゼイは、キリスト教ナショナリストのコメンテーターであるマイケル・オファロンが所有するウェブサイト『New Discourses』の創設者である[18][19][20]。
リンゼイはコメディアンのジョー・ローガンのポッドキャスト「The Joe Rogan Experience」にも3度出演している[21][22]。
2022年8月、リンゼイのツイッターアカウントが永久に停止され[23]、その後、イーロン・マスクによるツイッター買収後の2022年11月に復活した。
不満研究事件
2017年にリンゼイとボゴジアンは「社会的構築物としての概念的ペニス」と題する虚偽の論文(いわゆるデマ記事)を発表した[24]。論文を書くにあたり、彼らは「ポスト構造主義の言説的ジェンダー理論」の文体を模倣し、ペニスを「解剖学的な器官としてではなく、パフォーマティブで有害な男らしさと同一視される社会的構築物として」捉えるべきだと主張した[24][25]。この論文は最初、『Norma』誌で掲載を拒否された後、『Cogent Social Sciences』に投稿され、掲載された[24][26][27]。
2017年8月から、リンゼイ、ボゴジアン、プラックローズの3人は、20本のデマ論文を書き、複数のペンネームと、ボゴジアンの友人でフロリダ州のガルフコースト州立大学の歴史学の名誉教授リチャード・ボールドウィンの名前を使って、査読付きの学術誌に投稿していった。フェミニスト地理学誌『Gender, Place and Culture』に掲載された論文の1つが、『Campus Reform』の調査ジャーナリストのトニ・アイラクシネンから疑義を抱かれた。同論文が学術雑誌の掲載基準を満たさないことから、彼女は論文が本物ではないことに気づいた。その後この事件は広く関心を呼び、複数のジャーナリストによって取り上げられ、プロジェクトは早期に終了した[28]。
その後、3人はドキュメンタリー映画監督のマイク・ネイナの制作したYouTube動画や、『ウォール・ストリート・ジャーナル』による調査報道を通じ、自らの行動の全容を公表した[29]。この暴露の時点で、彼らの20の論文のうち7つが掲載許可され、7つは審査中で、6つは却下されていた。フェミニストソーシャルワーク誌『Affilia』によって受理されたある論文では、アドルフ・ヒトラーの『我が闘争』からコピーされた文章に、フェミニストの言葉が加えられていたが[24]、社会学者のミッコ・ラゲルスペッツによれば、その論文に見られるのは『我が闘争』との構造的類似性だけであり、「ヒトラーのテクストにおける特定の歴史的情報(人種差別、第一次世界大戦への言及など)」は含まれていないとされる[30]。
雑誌の査読者たちは、リンゼイ、ボゴジアン、プラックローズのデマ研究を「男性性と肛門愛のインターセクションに関する研究への豊かで刺激的な貢献」、「優秀で非常にタイムリー」、「ソーシャルワーカーとフェミニストの研究者にとって重要な対話」であると賞賛していた[31]。