ジフェニルメタンジイソシアネート

From Wikipedia, the free encyclopedia

4,4'-メチレンジフェニルジイソシアネート
4,4'-methylene diphenyl diisocyanate
4,4'-methylene diphenyl diisocyanate
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.043.361 ウィキデータを編集
EC番号
  • 4,4'-: 202-966-0
RTECS number
  • NQ9350000
UNII
性質
C15H10N2O2
モル質量 250.25 g/mol
外観 白色または淡黄色の固体
密度 1.230 g/cm3, 固体
融点 40 °C (104 °F; 313 K)
沸点 314 °C (597 °F; 587 K)
反応する
蒸気圧 0.000005 mmHg (20 °C)[1]
危険性
GHS表示:
急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
Danger
H315, H317, H319, H332, H334, H335, H351, H373
P201, P202, P260, P261, P264, P271, P272, P280, P281, P285, P302+P352, P304+P312, P304+P340, P304+P341, P305+P351+P338, P308+P313, P312, P314, P321, P332+P313, P333+P313, P337+P313, P342+P311, P362, P363, P403+P233, P405, P501
引火点 212–214 °C (Cleveland open cup)
致死量または濃度 (LD, LC)
2200 mg/kg (マウス, 経口)[2]
LDLo (最小致死量)
31,690 mg/kg (ラット, 経口)[2]
  • 369 mg/m3 (ラット, 4 時間)
  • 380 mg/m3 (ラット, 4 時間)
  • 178 mg/m3 (ラット)[2]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
C 0.2 mg/m3 (0.02 ppm)[1]
TWA 0.05 mg/m3 (0.005 ppm) C 0.2 mg/m3 (0.020 ppm) [10-minute][1]
75 mg/m3[1]
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
☒N verify (what is  ☒N ?)
MDIの鉄道輸送用にJR貨物より承認登録された、日本陸運産業所有、日本ポリウレタン工業借受の鉄道私有コンテナUT8C-5026岡山県/旧、西岡山駅にて、2003年4月17日撮影。

ジフェニルメタンジイソシアネートは、通常MDIと略され、芳香族ジイソシアネートの1つである。MDIには、2,2'-MDI, 2,4'-MDI及び4,4'-MDIの3種類の異性体が存在している。4,4'-MDIは、モノメリックMDIとして知られている。ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)は、モノメリックMDIと高分子量のポリイソシアネートの混合物である。

MDIの製造方法は、以下の工程からなりたっている[3]

  • ポリメリックメチレンジアニリン(ポリメリックMDA)を製造する為の、アニリンホルマリン縮合反応工程
  • ポリメリックMDI混合物を製造する為の、ポリメリックMDAのホスゲン化工程
  • ポリメリックMDI混合物から蒸留乃至は晶析により、モノメリックMDIを分離する工程

用途

MDIは、主に硬質及び軟質ポリウレタンフォーム塗料接着剤エラストマーの製造に使用される[3]

安全性

MDIの過剰暴露は、気管支喘息へと繋がる可能性のある呼吸器系への悪影響を引き起こす可能性があるので、日本産業衛生学会が勧告する許容濃度(TWA 0.005 ppm (0.035 mg/m3)、最大許容濃度 0.02 ppm(0.14 mg/m3))を厳守する必要性がある。一度気管支喘息を引起こすと、ジイソシアネートに対して過敏となり、許容濃度以下であっても再び気管支喘息を引き起こす可能性がある。MDIの蒸気、エアゾール及びミストは、眼への刺激を引き起こす。MDIは、中程度の皮膚刺激性を有しており、極めて稀ではあるが、皮膚感作作用や皮膚炎を引き起こす事もある。MDIを誤って飲み込んだ場合の毒性はあまり大きくないが、呼吸器系への吸入により毒性が現れる。MDI暴露下で働く労働者の健康に関する長期的な調査では、呼吸器系症候以外の暴露による臨床学的な影響は、報告されていない[4]

MDIを加温したりスプレーしたりする場合は、十分な換気装置の設置や個人用保護具の着用が不可欠である[5]。MDIが陸上や水生の動植物に及ぼす毒性は低い。又、MDIは水と反応し、固体で不活性なポリ尿素化合物を生成する[6]。従って、MDIが環境中に漏れ出しても、環境へ与える影響は極めて僅かである。

国内外の主たるMDIの製造会社は、「国際イソシアネート協会(International Isocyanate Institute、略称:III)」に属している。IIIは、作業場、共同場所及び環境での安全なMDIの取扱いについて、調査研究を行っている。日本国内では、TDI、MDI及びHDIの製造会社は、「ウレタン原料工業会、略称:JURA」に属しており、作業場、共同場所及び環境での安全なMDI取扱いに関する啓蒙活動を行っている。

MDIに関しての個人用保護具の取扱い、輸送・保管・サンプリング・分析時の暴露モニタリング方法、トラブル対処方法及び健康・環境面での注意事項が、文献にまとめられている[7]

欧州におけるMDIの危険有害性の分類及びラベルの詳細については、「European Diisocyanate and Polyol Producers Association、略称:ISOPA」のウェブサイトから入手出来る[8]。MDI に関する詳細な情報を含んだREACHのデータベースは、「European Chemicals Agency、略称:ECHA」から入手できる。

日本におけるMDIのGHS分類や製品安全データシート(SDS)は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(略称:NITE)のウェブサイト厚生労働省のウェブサイトあるいはウレタン原料工業会とウレタンフォーム工業会(JUFA)の両者で組織した日本ウレタン工業協会 (JUII) のウェブサイトから入手出来る[9]

日本の主な適用法令

参考文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI