スタンダード・フレックス
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1980年代初頭の時点で、デンマーク海軍は、1990年代には現有勢力の半分にあたる32隻を更新する必要が生じると予測していた[1]。このうち10隻はフリゲートと潜水艦であり、残りはアジュタント級掃海艇8隻、ダフネ級哨戒艇8隻、ソロヴェン級魚雷艇6隻であった[1]。しかし検討の過程で、特に22隻の小艦艇を同数の新型艦艇で更新することは、財政的制約から困難であると判断されるようになった[1]。
この状況において、より少ない隻数でできる限り効率的に任務を遂行するため創案されたのが、スタンダード・フレックス・コンセプトであった[1]。これは、装備をモジュール化し、任務に応じて適宜に換装して、機動的に運用することにより、軍事資源を適正に配分し、効率的に任務を遂行できるという分析に基づいていた[1]。プレフィジビリティスタディでは、本コンセプトを適用することで、上記の現有艦艇22隻の任務を16隻で代替可能であると見積もられた[1]。
この検討を踏まえて、1983年中盤には本コンセプトの初適用艦艇として300トン級艦艇(SF-300型)の基本設計が完了し、1984年秋には計画段階を完了し、1985年中盤には政府による最終承認を受けた[1]。SF-300型は、1987年にフリーヴェフィスケン級哨戒艇として竣工し、評価を経て、1988年より同型艦の建造が開始された[1]。
設計
スタンフレックス・モジュールの開発・製造は、モンベルグ・トルステン社によって行なわれている。各モジュールはステンレス製で、大きさは全長3メートル×全幅3.5メートル×全高2.5メートルである。このコンテナ状モジュールのなかに各用途の装備を搭載し、モジュール単位で艦艇に搭載することになる。
モジュールの揚降は15トンの移動式クレーンによって行なわれる。装備の物理的換装作業は30分以内に完了し、換装された装備は数時間以内に使用可能な状態となる。[2]
使用していないモジュールは、不安定な甲板上ではなく、安定した陸上の屋内で管理することができることから、維持・管理のコストは大幅に削減された。また、整備のために装備を陸揚げしなければいけない時でも、その艦艇は違う装備を搭載して任務に就くことができることから、艦艇を手持無沙汰にしておく必要がなくなった。
| タイプ | 装備 | 保有数 |
|---|---|---|
| SSM | ハープーン連装発射筒×2基 | 10 |
| SAM | Mk.48 mod.3 VLS×1基 (6セル:シースパロー用) | 10 |
| Mk.56 mod.3 VLS×1基 (6セル:ESSM短SAM用) | 10 | |
| 艦砲 | オート・メラーラ 76mm単装速射砲×1基 | 19 |
| ASW | 短魚雷連装発射管(MU90用) | 4 |
| VDS | タレス社製TSM-2640サーモン・ソナー | 4 |
| MCM | 無人掃討艇(MSF型、MRD型)およびダブル・イーグルROVの指令設備 | 5 |
| クレーン | 複合艇および降下・揚収用クレーン(機雷敷設にも転用可能) | 18 |
| チタン製非磁性クレーン(機雷戦用) | 4 | |
| 海洋観測 | 2 | |
| 対公害戦 | 3 | |
| 輸送 | 15 | |
| SIGINT/ELINT | 1 |
運用
| スタンフレックス・ シリーズ名 | 艦級名 | モジュール・スロット数 | 就役数 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 前甲板 | 中部甲板 | 後甲板 | |||
| SF- 100 | MSF型無人掃討艇 | 1 | 4 | ||
| (シリーズ外) | MRD型無人掃討艇 | 2 | 6 (予定) | ||
| SF- 300 | フリーヴェフィスケン級哨戒艇 | 1 | 3 | 2 | |
| (シリーズ外) | ニールス・ユール級コルベット | 2 | 0 | ||
| クヌート・ラスムッセン級哨戒艦 | 1 | 1 | 2 | ||
| SF-3000 | セティス級フリゲート | 1 | 2 | 4 | |
| SF-3500 | アブサロン級多目的支援艦 | 5 | 2 | ||
| イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート | 6 | 3 (予定) | |||
スタンダード・フレックス・コンセプトの初期構想では、必要に応じて装備を換装し、艦艇を複数の役割に投入することも考慮されていたが、実際には、基本的には各艦艇の任務は固定されている。