スパイ天国
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1985年6月4日の第102回国会における衆議院の内閣委員会で、当時の内閣総理大臣であった中曽根康弘は、スパイ防止法を必要としたのは、日本は世界でも有数のスパイ天国であるからとする。スパイによる事件を何度も目の前で経験したり、防衛庁の職員が誘惑に乗って過失を犯していた。このため防衛機密を保持するのは重要な問題であり、国益を守るために他の国のようにスパイ防止法を求める[1]。1986年12月9日の第107回国会の参議院の内閣委員会で、中曽根の日本はスパイ天国という主張に内藤功が反発する。現実にはスパイがうろうろしている状態ではないと思うし、特に重要な日米間の防衛の秘密は絶対に大丈夫だろうし、スパイ天国が原因とする宮永スパイ事件で取られた情報は大した情報ではないと反発する。同じ場で宇都宮徳馬は中曽根のスパイ天国という発言に反発する。日本がスパイ天国ならばスパイ天国はいくらでもあるとする。スパイが活躍する一番の条件は政府が機密を漏洩することである。これは総理大臣や防衛大臣などの人物がうかつに機密を漏洩しているということであるとした[2]。
2025年8月15日、政府は情報収集や分析の強化、取り締まりの徹底を理由に「『各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である』とは考えていない」とする答弁書を閣議決定した[3]。
論評
辻元清美は1987年に『わたしはスパイだ--「スパイ天国」でええじゃないか!!』を著す[4]。
警察で極東アジアの情報を担当していた本郷矢吹は、日本はスパイ天国といわれることに対しては、日本ほど法律を守っている国は他にないため日本のレベルは推して知るべしである。他国の情報担当者によれば日本は情報が「ダダ漏れ」だから日本に派遣されたスパイはすることがないため、日本で自分たちがすることを探すのが大変だという逆に面倒くさい国であるとした[5]。
警視庁公安部外事課に所属していた勝丸円覚は、「日本は犯罪は少ない一方で、世界有数の『スパイ天国』でもあります。スパイ活動防止法のような法律もないため、刑法などの法例に触れなければスパイは逮捕されることがないのです」と指摘した[6]。
脚注
- ↑ “第102回国会 衆議院 内閣委員会 第15号 昭和60年6月4日”. 国会会議録検索システム. 2023年5月1日閲覧。
- ↑ “第107回国会 参議院 内閣委員会 第5号 昭和61年12月9日”. 国会会議録検索システム. 2023年5月1日閲覧。
- ↑ “政府「日本をスパイ天国だと考えてない」山本太郎氏の質問主意書に 「取り締まり徹底で」”. 産経新聞 (2025年8月18日). 2025年8月20日閲覧。
- ↑ 辻元, 清美 (1987-06). “わたしはスパイだ--「スパイ天国」でええじゃないか!!”. 思想の科学. 第7次 / 「思想の科学」編集委員会 編 (90): p66–68. https://cir.nii.ac.jp/crid/1521136280315741824.
- ↑ 「文春オンライン」特集班. “「公安警察の“本気の尾行”からは逃げきれない」元公安の作家が明かすスパイ天国・日本「ホンモノの諜報活動」の実力「酒好き、女好きを協力者に…」”. 文春オンライン. 2023年5月1日閲覧。
- ↑ 週刊現代 (2023年12月21日). “元外事警察が「日本に潜伏する『外国のスパイ』の脅威ランキング」を暴露!8位イスラエル「モサド」、7位韓国「国家情報院」…アメリカ「CIA」の意外な順位”. 現代ビジネス. 講談社. 2023年12月24日閲覧。