スペンサー・コックス
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| スペンサー・コックス | |
|---|---|
| Spencer Cox | |
2024年 | |
| 第18代ユタ州知事 | |
| 就任 2021年1月4日 | |
| 副知事 | ディドゥレ・ヘンダーソン |
| 前任者 | ゲイリー・ハーバート |
| 全米知事協会議長 | |
| 任期 2023年7月14日 – 2024年7月12日 | |
| 前任者 | フィル・マーフィー |
| 後任者 | ジャレッド・ポリス |
| 第8代ユタ州副知事 | |
| 任期 2013年10月16日 – 2021年1月4日 | |
| 知事 | ゲイリー・ハーバート |
| 前任者 | グレッグ・ベル |
| 後任者 | ディドゥレ・ヘンダーソン |
| ユタ州下院議員 第58選挙区選出 | |
| 任期 2013年1月1日 – 2013年10月16日 | |
| 前任者 | スティーヴン・サンドストロム |
| 後任者 | ジョン・コックス |
| 個人情報 | |
| 生誕 | Spencer James Cox 1975年7月11日(50歳) |
| 政党 | 共和党 |
| 配偶者 | アビー・パルマー(結婚 2001年) |
| 子供 | 4人 |
| 住居 | 知事邸 |
| 教育 | スノー・カレッジ (AA) ユタ州立大学 (BA) ワシントン・アンド・リー大学 (JD) |
| 署名 | |
スペンサー・ジェームズ・コックス(Spencer James Cox, 1975年7月11日 - )は、2021年より第18代ユタ州知事を務めるアメリカ合衆国の弁護士、政治家である。共和党員である彼は2013年から2021年まではユタ州副知事を務めた。ユタ州フェアビュー育ちである彼は2004年に市会議員に選出され、2005年には市長に就任した。2008年にはサンピート郡の郡政委員に選出された[1]。
彼は2012年にユタ州下院議員に選出された。2013年10月、ゲイリー・ハーバート知事により彼は辞職したグレッグ・ベルの後任として副知事に任命され、ユタ州上院の全会一致で承認された。コックスは2016年にハーバート知事下の副知事として当選し、さらに2020年にはユタ州知事に選出された。彼は2024年ユタ州知事選挙でも再選された。ユタ州知事には多選制限が規定されていないが、コックスは2期目を最終任期とすることを表明している。
コックスはユタ州フェアビューで育ち、マウントプレザントのノース・サンピート高校を卒業した。彼はエフライムのスノー・カレッジに入学し、学生時代に末日聖徒イエス・キリスト教会のメキシコでの伝道を終えた。その間に高校時代の恋人で同じくスノー・カレッジ卒業者のアビー(Abby)と結婚した。短期大学士として卒業した後、彼はローガンのユタ州立大学(USU)に入学し、1998年に政治学のBAを取得して卒業した[2]。
コックスはハーバード・ロー・スクールに合格したものの、ワシントン・アンド・リー大学ロー・スクールへの進学を選択した。彼は『ワシントン・アンド・リー・ロー・レビュー』の一員であり、2001年に優秀な成績で法務博士号を得て卒業した[2][3]。
キャリア
初期の法律業務
ロー・スクール卒業後、コックスはユタ州連邦地方裁判所のテッド・スチュワート判事の事務官を務めた。事務官を辞めた後、コックスはソルトレイクシティの法律事務所であるファビアン・アンド・クレンデニンに入所した。彼はユタ州の田舎町に戻り、セントラコムの副社長に就任した[4]。
初期の政治キャリア
コックスは2004年にユタ州フェアビューの市議会議員に選出され[3]、その翌年には市長に就任した。2008年にはサンピート郡委員に選出された[5][6][2]。2012年にコックスはユタ州下院議員に選出され、選挙資金法違反を理由にユタ州司法長官ジョン・スワローの弾劾を求めた最初の議員となった[7]。コックスは副知事のグレッグ・ベルと共にハーバート知事下の農業パートナーシップ理事会の議長を務めた[8]。
ユタ州副知事
2013年10月、ハーバートはベルの辞任の伴い、後任としてコックスを副知事に指名した[8]。ユタ州上院の政府運営確認委員会は10月15日にコックスの指名を全会一致で承認した[9]。翌日にユタ州上院本会議はコックスを全会一致で承認し、彼は就任宣誓を行った[10]。コックスは副知事としてスワローの財務状況に関する報告書を作成し、彼が自身の収入と事業収益のすべてを適切に開示していなかったことを明らかにした。スワローは報告書の発表前に辞任した[11]。2016年ユタ州知事選挙でコックスはハーバートの副知事として選出され、その任期を全うした[12][13]。
ユタ州知事
2019年5月14日、ハーバートが再選を求めないことを知ったコックスは2020年ユタ州知事選挙に共和党から出馬すると発表した[14]。コックスは36%の得票率で、元ユタ州知事のジョン・ハンツマン・ジュニア、元ユタ州共和党議長のトーマス・ライト、ユタ州下院議長のグレッグ・ヒューズを破った[15]。本選挙でコックスは民主党候補者のクリストファー・ピーターソンを63%対30%で破って当選した[16]。コックスはそれまでの伝統を破り、COVID-19パンデミックの予防措置を備えた2021年1月4日の就任式は、ワシントン郡の小さな町であるアイヴィンズのトゥアカーン芸術センターで実施された。この変更の目的は、ワサッチ・フロント地域に焦点を当てるのではなく、州全ての知事になるというコックスの意向を表明することであった[17]。就任から数日後にコックスは南ユタ大学のシーダーシティ・キャンパスに事務所を開設した[18]。
コックスは早い段階から、州内のワクチン配布のスピードを上昇させることが政権の最優先事項であると述べていた。2021年4月の段階で、ユタ州は支給されたワクチンの85%以上を接種済みであることがCDCのデータで明らかとなった[19]。2020年にユタ州でCOVID-19パンデミックが発生した際、コックスは機器初期に数百万ドル規模の入札の契約を州が承認し、また抗マラリア薬を購入した物議を醸す決定についての批判に直面した。コックスは、後にキャンセルされた80万ドルのヒドロキシクロロキンの発注承認には関与していないと述べている[18][20]。2022年7月、コックスは全米知事協会議長に選出されたニュージャージー州知事のフィル・マーフィーの後継として副議長に選出された[21]。2023年3月、コックスはTikTok、Instagram、Snapchatなどのソーシャルメディア・プラットフォームで保護者の同意なしに未成年者がアカウントを作成することを禁止し、特定の時間帯下の子供たちのアクセスをブロックするユタ州ソーシャルメディア規制法に署名した[22][23][24]。
拒否権
コックスは2022年に5つの法案への拒否権を行使し、そのすべてが共和党の支持を受けたものであった(共和党はユタ州上下院ともに過半数を占めている)。彼が最初に拒否権を行使したのは、義理の兄弟であるマイク・マッケル上院議員が提出した、ソーシャルメディア・プラットフォームでコンテンツ規制を求める法案に対してであった[25]。コックスはさらに、ロナルド・ウィンタートンが提出した上院法案187号「地域教育機関政策改正案」、デヴィッド・ヒンキンスが提出した上院法案39号「ヘンプ規制改正案」、ポール・レイが提出した下院法案98号「地方選挙建設規制改正案」でも拒否権を行使した[26][27][28]。2022年3月、コックスはケラ・バークランドが提出した下院法案11号「校際競技における学生参加資格に関する法案」に拒否権を行使した。この法案は、トランスジェンダーの若年アスリートが女子スポーツに参加することを阻止する目的で提出された。コックスは、ユタ州の7万5000人の学生アスリートのうち、トランスジェンダーはわずか4人、女子スポーツへの参加者は1人だけであると指摘した[29]。州議会はコックスのこの拒否権を覆した[30]。
政治的立場
コックスは穏健派共和党員とみなされることが多い[31][32]。2015年、コックスは2016年アメリカ合衆国大統領共和党予備選挙でのマルコ・ルビオ支持を表明した[33]。ルビオの撤退後、コックスは2016年6月にテッド・クルーズ支持を表明した[34]。コックスはドナルド・トランプの選挙運動について、「私たちは礼儀作法をとても大切にしている。私たちは隣人を大切にしている。私たちは善良で親切な人々だ。彼は善良さも親切さも体現していない」と述べた[35]。彼は、トランプが共和党の指名を獲得した場合は支持しないと述べ、「彼は不誠実だと思う。彼は危険だと思う。彼は私たちの偉大な国の象徴の最悪の部分を体現していると思う。(中略)私はヒラリーに投票しないが、トランプにも投票しない」と語った[36]。
コックスは最終的に方針を転換し、2020年にトランプ支持を表明したものの、2020年大統領選挙では2016年同様に投票していないと主張している。2021年の議事堂襲撃事件後、コックスはトランプには暴力扇動の責任があると述べ、辞任を要求した[37][38]。2024年7月14日、コックスはトランプ支持を表明する書簡を発表し、そこで彼は未遂に終わったトランプ暗殺の試みについて、「あなたには、神があなたを救う手助けをされたと、私が心から信じていることを知って欲しい。(中略)もしあなたの命が奇跡的に救われなかったら、この国に何が起こったのか想像することすら恐ろしい。(中略)あなたの命が救われた。今、その奇跡のおかげで、あなたは今この地球上で誰にもできないことを成し遂げる機会を得ている。この国を統一し、救うことだ」と記した。コックスはさらに、トランプだけがアメリカ市民を結束させ、国の分裂を防ぐことができると信じていると述べた[39]。
人工妊娠中絶
コックスは自らをプロライフと位置づけ[40]、強姦・近親相姦・母体の生命危機の場合以外での中絶に反対している[41]。2022年5月、ロー対ウェイド判決を覆す判決法案が流出した後、コックスは判決そのものへの支持を表明しつつ、この流出事件を非難し、「中絶法が各州の正当に選出された代表者に委ねられる可能性に勇気づけられて楽観視しているが、草案は実際の判決ではなく、流出は裁判所の議事手順と審議に対する危うい違反である」と述べた[42]。
2022年6月24日、コックスはロー対ウェイド判決の覆しへの支持を表明し、「この政権は胎児を含む社会の最も脆弱な立場にある者たちに発言権を与えることに尽力してきた。私たちは最高裁の判決を全面的に支持し、中絶法が選出された州代表者に委ねられることに勇気づけられている。プロライフ擁護者として、この政権はユタ州の女性と家族を支援することにも等しく取り組んでいる。貧困やトラウマに直面している母親、妊婦、子供たちを支援するため、私たち皆がさらに努力する必要がある」と述べた[43]。2023年3月、コックスはユタ州内での中絶クリニックの運営を禁止し、中絶手術は病院で行うことを義務づける法案に署名した[44]。この法律は、発行予定日の前日に第3地区裁判所のアンドリュー・ストーン判事により一時差し止め命令を下された[45]。
環境
コックスは遺跡保存法に基づくナショナル・モニュメントの師弟に反対しており、記念物指定が保護対象の景観を損なうと主張している。彼はベアーズ・イヤーズ・ナショナル・モニュメントとグランド・ステアケース=エスカランテ・ナショナル・モニュメントの規模復元、およびバアジ・ヌワーヴジョ・イタ・ククヴェニ - アンセストラル・フットプリンツ・オブ・ザ・グランド・キャニオン・ナショナル・モニュメントの指定に反対を表明している[46]。
銃の権利
2021年2月、コックスは憲法上の銃携帯に基づく法案に署名し、許可証無しで公の場で銃器を携帯することを認めた。ユタ州はこのような法律がある17番目の州である[47]。2022年6月の記者会見でコックスは、危険を及ぼすとみなされる人物から州裁判所が一時的に銃器を差し押さえることを認めるレッド・フラッグ法について、州議会と協議する用意があると述べた[48]。
健康
2025年3月28日、コックスは共和党の州議会員であるステファニー・グリシウスが提出した、1945年以来虫歯予防のために添加されているミネラルであるフッ化物の添加をユタ州の公共水道から禁止する法案に署名し、5月7日に発行したことで、ユタ州はアメリカ合衆国で初めて水道水フッ化物添加を禁止する州となった。グリシウスはイントロダクションの中で、研究によりフッ化物は「子供たちの認知機能に影響を与える可能性がある」ことが明らかになっていると主張した。保健福祉長官のロバート・ケネディ・ジュニアは、フッ化物の健康リスクについて繰り返し懸念を表明していた[49]。一方で、米国小児科学会、アメリカ歯科医師会、アメリカ疾病予防管理センターといった主要な医師会や公衆衛生団体は、水道水フッ化物添加を支持している[50]。
LGBTの権利
2016年6月13日、コックスはソルトレイクシティで開催された、前日にオーランドのナイトクラブで発生した銃乱射事件で亡くなった人々を追悼する集会で演説を行った。彼は同級生を虐めたことやLGBTQコミュニティへの支援を怠ったことを謝罪し、人々を驚かせた[51][52]。演説で彼は、「ストレートのコミュニティ」に向けて以下のように訴えた:[53]
「自称テロリストによる銃乱射で49人が殺害されたと聞いたとき、どう感じましたか?」、これは簡単な質問ですね。難しい質問をしましょう、「事件が深夜2時にゲイバーで起こったと知って、感じ方が変わりましたか?」。もし感じ方が変わったら、私たちは何が間違ったことをしているのです。
コックスは2019年5月に州上院で転向療法禁止法案が廃案となった後、2020年1月21日にハーバート知事が同法案の行政命令への署名を支持することでLGBTQ+コミュニティへの支援を示した[54][55]。2021年4月、タウンホールミーティングでコックスは自身の個人代名詞が「he」、「him」、「his」であると述べた[56]。2022年3月、コックスはコックスはトランスジェンダーの若者の高校スポーツ参加を禁止する法案であるHB11に対して拒否権を行使し、彼は当時州内の高校スポーツに参加していたトランスジェンダーの子供はわずか5人のみであったと指摘した。さらに彼は、「これらの子供たちはただ生き延びようとしているだけだ」と述べ、トランスジェンダーの若者の56%が自殺未遂を経験しているという研究結果に言及した[57][58]。
2022年6月1日、コックスはユタ州知事としては初めて6月をLGBTQ+プライド月間と認定する公式宣言を発令し、州民に対して「LGBTQコミュニティをより歓迎し、受け入れる姿勢を持つよう」呼びかけた[59]。2023年1月28日、コックスは18歳未満の患者に対する性別適合手術を禁止する上院法案16号に署名した[60]。2023年3月22日、コックスは下院法案228号に署名し、2020年の行政規則で承認されていたユタ州における転換療法禁止を法制化した。これは、アメリカ合衆国初めて州議会で全会一致で可決された転換療法禁止法である[61][62]。
2024年8月5日、コックスとその他の州指導者らはオリンピックの女子ボクシング選手であるイマネ・ケリフに関する誤情報を共有した。ユタ州下院議長のマイク・シュルツが当初、「もう十分だ、男性は女子スポーツに属さない」と投稿し、コックスはそれをシェアして「これは私たちの女性アスリートに決してあってはならないことだ。彼女たちはもっと良い扱いを受けるべきだ」と付け加えた。これらの発言の辞典で、ケリフが女性であることは既に確認されていた[63][64]。
私生活

コックスは8人きょうだいの最年長であり、フェアビューの農場で育った[2]。彼は妻のアビーとのあいだに4人の子供がおり、実家の農場で暮らしている[3]。彼の父のエディ(Eddie)はユタ州運輸委員会とサンピート郡委員会の委員を務めていた[9]。
コックスはガレージバンドでベースギターを演奏する[7][9]。彼は義理の兄弟でメリル・オズモンドの息子でもあるトラヴィス・オズモンドからベースを教わった[65]。ユタ州上院議員のマイク・マッケルもまた義理の兄弟である[2]。コックスの四従兄弟であるジョン・コックスは、スペンサーの副知事就任にあたってその後任としてユタ州下院議員となった[66]。
コックスはバンドのザ・キラーズのファンであり、2018年には自身のバンドでザ・キラーズの曲「リード・マイ・マインド」をカバーした。