スーパーフレーダーマウス
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| 種別 | 追尾レーダー |
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| 目的 | 火器管制レーダー |
| 開発・運用史 | |
| 開発国 |
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| 送信機 | |
| 周波数 | Xバンド(9 GHz帯) |
| パルス幅 | 0.3マイクロ秒 |
| 送信尖頭電力 | 150 kW |
| アンテナ | |
| 形式 | パラボラアンテナ |
| ビーム幅 | 2.2° |
| 探知性能 | |
| 探知距離 | 300 m - 50 km |
| 精度 |
方位角・仰角:0.06度 距離:±10 m |
スーパーフレーダーマウス(英語: Super Fledermaus)は、スイスのコントラヴェス社が開発した短距離防空用射撃統制システム(FCS)。1960年代から1970年代にかけて、スイス軍を含む世界14か国の海軍や陸軍で採用され、特に35mm連装機関砲の統制に多く用いられた。
射撃計算機
システム全体は約5トンのトレーラーに搭載されており、レーダー、計算機、および操作員用のテント(またはコンテナ)で構成される[1]。
本システムは、速度475メートル毎秒・直距離13.4キロ以内の目標について射撃計算を行うことができる[2]。計算は400 Hzの交流電圧を用いたアナログコンピュータによって行われ、システム全体で219本の真空管が用いられている[3]。計算に要する時間は、目標との距離にもよるが、0.8秒から3.2秒である[2]。
レーダーから得られた方位、仰角、距離データは、25本のモーター駆動の回転軸に伝えられ、この回転軸に取り付けられた特殊なコンデンサが計算の要となる[3]。これらのコンデンサは、軸の回転角に応じて容量が線形、あるいはサイン・コサイン関数、さらには砲弾の弾道曲線に合わせた特殊な関数を描くように精密に加工されており、レーダーから得られたデータに砲弾の飛行時間、風向、風速、気温、気圧、さらにはレーダー自身と砲の間の視差(パララックス)を補正し、目標の未来位置である予測命中点を算出する[3]。
計算機内部では、レーダーが提供する極座標系(方位角・仰角・距離)と、計算に適した直交座標系(東西南北+垂直高度)の間で頻繁に座標変換が行われる[3]。飛行する航空機の速度成分を抽出する際、極座標では速度が一定に見えにくいため、一度直交座標に変換して「平滑化」を行い、ノイズを除去してから再度極座標に戻してレーダーや砲の制御に利用するという手順が採用された[3]。また追跡の精度を保つため、シンクロ(データ伝送装置)には、大まかな角度を示す「Grob(粗)」チャンネルと、詳細な角度を示す「Fein(密)」チャンネルの2系統が用意されており、人間の介入なしに高い精度でのデータ伝送を実現した[3]。
火器管制レーダー
レーダーの動作周波数はXバンド(9 GHz帯)、測定距離は300メートルから50キロであり、40キロ以内であれば自動追尾を行うことができる[2]。
自動追尾は、公称幅2.2度のペンシルビームを用いて、光軸の周りを約30 Hzで回転させるコニカルスキャン(円錐走査)技術によって行われる[1]。また急速な垂直スキャンによるセクター捜索や、回転しながら異なる仰角を順次に走査するヘリカルスキャン機能も備えていた[1]。1969年からは、固定物からの反射(クラッタ)を除去し、動く目標のみを表示するMTI機能が追加された[3][1]。
本レーダーの精度は非常に高く、ズアオアトリのように小さな鳥を4-4.5キロの距離で個別に追跡できたほか、追跡中の目標からの反射波の振幅変化を記録することで、鳥の羽ばたきパターンを抽出することもできた[1]。これにより、暗闇の中でも対象が鳥か昆虫か、あるいは鳥の種類まで特定することが可能となった[1]。この能力を活かして、スイス鳥類研究所を中心とする研究において、30年以上にわたり、アルプス山脈越えや地中海、サハラ砂漠における鳥の渡り高度、速度、分布の定量化に活用された[1]。