ダネットの検定は、個々の実験あるいは処理、群についてスチューデントのt-統計量を計算することによって行われる。この統計量によって処理群と単一の対照群を比較する[8][9]。個々の比較は共通して同じ対照群を持つため、この手順はこれらの比較間に依存性を含有する。具体的には、t-統計量は全て同じ誤差分散の推定量から導かれる。この誤差分散は全ての群(処理群および対照群)にわたる誤差の二乗の和を合併することによって得られる。ダネットの検定での形式的検定統計量は、これらのt-統計量の絶対値の中で最も大きい(両側検定が必要な場合)あるいはt統計量の最も負あるいは最も正のもの(片側検定が必要な場合)である。
ダネットの検定では、共通の臨界値の表を使用できるが、今日はより柔軟な方法がRのような多くの統計パッケージで容易に利用できる。任意のパーセンテージ点に対する臨界値は、片側検定か両側検定かや、比較する群の数、試験の総数に依存する。
この分析では、実験の結果が数字で表わされ、p 個の処理群と対照群を比較するために実験が行われた場合を考える。結果は一連の観測
について計算された (p + 1) 個の平均として要約できる。ここで
は処理された一連の観測、
は対照となる観測、s は p + 1 個全ての観察の共通標準偏差の独立した推定値である。p + 1 個の観測の全ての
は独立であり、共通分散 σ2 と平均 μi を持ち正規分布していると仮定される。また、σ2 に対する推定値 s2 の存在も仮定される。
ダネットの検定の計算は、
個の差(
、したがって処理群の平均と対照群の平均の差)の真の値あるいは期待値に関する信頼記述の計算に基づく手順である。この手順によって、
個全ての記述
が同時に正しい確率が指定された値
と等しくなる。処理群の平均と対照群の平均との間の差の真の値に関する片側上方(あるいは下方)信頼区間を計算する時、
はこの実際の値が信頼区間の上方限界よりも小さい(あるいは下方限界よりも大きい)確率を表わす。両側信頼区間を計算する時、
は真の値が上方限界と下方限界の間にある確率を表わす。
はじめに、利用できるN個の観測を
(
、
)によって示し、共通分散を例えば
によって推定する(
は群
の平均、
は群
の観測の数、自由度
)。上述したようにここでは、
個全ての信頼区間が対応する
を含む確率が
と等しくなるように、個々の差
について独立した信頼限界を得たい。
ここで、
個の処理群と1個の対照群がある一般的な場合を考えると、


と書ける。
とも書くことができ、これは自由度nのスチューデントのt分布に従う。
個の処理効果
に対する共有の信頼係数
下方信頼限界は以下の式で表わされ、

個の係数
は
となるように選ばれる。
同様に、上方限界は以下の式で表わされる。

したがって、上方と下方を併せると信頼区間は

となる(
は
を満たすように選ばれる)。両側検定での
、片側検定での
の具体的な値の解は表で与えられている[5]。この臨界値の表は1964年に更新されている[6]。