チュクチ語派
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音韻的区分[1][2]
- チュクチ語:チュクチ自治管区内で話される。
- コリャーク語(Nymlanとも):カムチャッカ地方のコリャーク自治地区で話される。主要方言はチャヴチュヴァン方言。
- アリュートル語(Alutor、Aliutor):Koryakiaで話される。1950年代までコリャーク語の方言とされていた。
- ケレク語:チュコトカの南海岸沿いで話されていた。2005年に最後の話者が死亡し消滅した。民族集団もチュクチに同化した。
伝統的には、チュクチ語派はチュクチ語とコリャーク語の二言語と考えられてきた。これは、チュクチ民族とコリャーク民族の間に明確な民族的区分があったためである。しかし、チュクチやコリャークの民族が話すケレク語やアリュートル語の方言は、チュクチ語やコリャーク語からの差異と同程度に互いにも異なっている。
Stebnickij (1934)による分類
子音
語内の子音の対応により、以下の区別がされる。
- r方言:チュクチ語
- j方言:ケレク語、コリャーク語アプカ方言(апукинский)、イトカン方言(итканский)、カメン方言(каменский)、パレン方言(паренский)、チャウチュヴァン方言(чавчувенский)
- t/r方言:アリュートル語(Alutor Proper)、カラガ方言(карагинский)、パラナ方言(паланский)、(ウカ方言)
母音
また、ケレク語とチュクチ語を除く方言群には、語内の母音の対応により、以下の区別がされる。
- e方言:コリャーク語パレン方言(паренский)、イトカン方言(итканский)、アリュートル語パラナ方言(паланский)
- e~a方言:コリャーク語チャウチュヴァン方言(чавчувенский)
- a方言:アリュートル語(Alutor Proper)、カラガ方言(карагинский)、コリャーク語アプカ方言(апукинский)、カメン方言(каменский)
母音調和
チュクチ語派の多くには母音調和が存在し、舌の高低の対立による強母音(dominant vowel: e1, a, o)と弱母音(recessive vowel: i, e2, u)の二系列をもつ。強母音と弱母音は一語中に共起しない。語幹・接辞という形態素の位置の如何にかかわらず、語中に強母音が存在していれば、対応する弱母音と交代する(/i/→/e/, /e2/→/a/, /u/→/o/)。最も母音調和が厳密に働くのはチュクチ語で、コリャーク語チャウチュヴァン方言では母音調和が三系列に崩れ[3]、アリュートル語ではほぼ失われ、ケレク語では存在しない。なお、カムチャッカ語派のイテリメン語では、南部方言では母音調和を起こさない動詞や形容詞の接辞が存在する[4]。また、北部方言においては厳格な規則ではなく、話者による揺れがある[5]。