ティスラン・パラメータ

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ティスラン・パラメータ[1][2] (Tisserand's parameter、またはTisserand's invariant)とは、比較的小さな天体と大きな摂動天体のいくつかの軌道要素軌道長半径軌道離心率軌道傾斜角)から計算される値である。小天体の運動を太陽・摂動天体・小天体の3体のみで考え、摂動天体が円軌道上を運動しているとする「円制限3体問題」でほぼ一定の値として保たれるため、軌道要素によって太陽系小天体を分類する指標として使われる。1889年にフランス天文学者フェリックス・ティスラン (Félix Tisserand) によって導かれたティスランの判定式に由来する[3][4]

一般に、小天体の軌道長半径を 、軌道離心率を 、軌道傾斜角を とし、摂動天体の軌道長半径を としたとき、ティスラン・パラメータは以下の式で定義される[1][5]

ティスランの判定式

木星による摂動を受ける彗星の軌道のシミュレーション。図中の赤点が太陽、黒点が木星、青点が彗星を表す。距離および時間の単位は木星公転運動の半径および周期。薄い青色の楕円が初期の軌道、濃い青の楕円が摂動後の軌道である。
上記アニメーションにおける彗星の長半径、離心率、ティスラン・パラメータの時間変化をプロットしたもの。木星の摂動によって長半径は4.0から1.9へ、離心率は0.80から0.64へと変化しているものの、ティスラン・パラメータは2.65で不変である。

具体的に太陽-木星-彗星という三体系について考える。彗星の質量は他の二体に比べて極めて小さく、彗星が木星の軌道に与える影響は無視できる(制限三体問題)[6]。木星の公転運動の離心率は 0.0489[7] でありその軌道はほぼ円運動である[6]

彗星の軌道は木星から十分に離れていればケプラーの法則に従う楕円形であるが、木星近傍を通過すると木星の重力による摂動を受け、軌道が大きく変化し得る[6]。その結果、木星の近傍を通過する前後で、同一の彗星であるにもかかわらずその軌道が大きく異なっているように見える。そのため、異なる時刻に別の位置に観測された彗星が同じひとつの彗星であるか、それとも異なるふたつの彗星であるかが問題となる。

これが同一の彗星であるならば、彗星の長半径、離心率、軌道傾斜角の摂動前後での値 , , , , , はティスランの判定式

は木星の軌道長半径)を近似的に満足する[6][8]。これは円制限三体問題における保存量であるヤコビ積分から導かれる[3][4][8]。それ故にこの等式が成立する彗星は同一のものである可能性が高く、これにより彗星の同一性が判定できる[6][8]

応用

関連概念

出典

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