ティスリット湖
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| ティスリット湖 | |
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| 所在地 |
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| 位置 | 北緯32度12分 西経5度38分 / 北緯32.200度 西経5.633度座標: 北緯32度12分 西経5度38分 / 北緯32.200度 西経5.633度 |
| 流域国 | モロッコ |
| 面積 | 0.75 km2 (0.29 sq mi)[1] |
| 平均水深 | 16 m (52 ft)[1] |
| 水面の標高 | 2,250 m (7,380 ft)[1] |
ティスリット湖(ティスリットこ、ティフィナグ文字: ⵜⵉⵥⵍⵉⵜ、仏: Lac Tislit)は、モロッコのオート・アトラス山脈に位置する湖である[2]。北アフリカで特に高地にある湖の一つで、地形学、水文学的に価値があり、現地の生態系にとっても重要な存在で、9キロメートル東にあるイスリ湖とともにラムサール条約登録地となっている[3]。
地質
イスリ湖は、モロッコのドラア=タフィラルト地方、花嫁祭り(婚約ムッセム)で知られるイミルシル村の北およそ4キロメートルの位置にある[3][4][5]。標高が2200メートルを超えるオート・アトラス山脈の山中にあり、オート・アトラス・オリアンタル国立公園の区域内に収まっている[2][3]。

3000メートルに迫る褶曲山脈の背斜構造による尾根に南北を挟まれた、向斜構造による盆地に形成された湖で、湖面の平均標高が2250メートル、面積は約0.75平方キロメートル、水深はおよそ16メートルである[6][1]。北アフリカにある湖としては、屈指の標高にある[6][3]。幅は東西におよそ1.2キロメートル、南北におよそ600メートルである[1]。
ティスリット湖の水の主な供給源は、雪解け水であるが、春から夏にかけては時折大雨が降ることがある[7][1]。夏季は湖水の蒸発量が多く、水位の変動は数メートルに及ぶこともあるが、年平均降水量は年間蒸発量を上回っているので、恒久的に存在する湖である[7]。
ティスリット湖は、中期ジュラ紀に形成された塩分を含む砂質泥灰土、砂質石灰岩の層の上に形成されている[6][8]。湖岸には、第四紀の堆積物もみられる[8]。
水質
ティスリット湖は、モロッコ国内では数少ない、富栄養化していない湖で、水質は良好である[3]。
成因
ティスリット湖は2013年に、イスリ湖と二重クレーターではないかという説が唱えられたが、直後の反論を受け、以後ティスリット湖が衝突クレーターであるという説は主張されていない[5][6]。
自然
ティスリット湖周辺の気候は、降水量が少ないステップ気候に近い特徴を持つが、気候区分としては高地地中海性気候に属するとされる[2][3]。真夏は平均最高気温が30℃に達するが、冬季は最も寒い月の平均最低気温が約マイナス4℃と低く、年平均降水量は244ミリメートルから319ミリメートルといったところで、年ごとの差は大きい[1]。降水量のかなりの部分は雪として降るが、4月以降まで残雪があることは少ない[3]。
植物相
ティスリット湖周辺の植生は、その気候に適したクッション植物が特徴的である[1]。高木はスペインビャクシンや、人為的に持ち込まれたアレッポマツ、ギンドロが少数ある程度で、セリ科、マメ科、ベンケイソウ科、ハンニチバナ科、シソ科などの草や低木がまばらに生えているのが目につく[1][7]。岩の裂け目や溝には、セイヨウメギのなかまが根を張っているところもある[1]。
ティスリット湖周辺では、地元民によるヤギやヒツジの牧畜が行われており、その放牧圧による植生への影響が懸念されている[2][1]。