デジタル孔版印刷機

From Wikipedia, the free encyclopedia

リソグラフMZ1070(理想科学工業製)
デュープリンターDP-S650(デュプロ製)
PPC複写機並みの操作でスクリーン印刷を行うことが可能である(デュープリンターDP-S650)

デジタル孔版印刷機(Digital duplicator)は、孔版印刷の一種であるシルクスクリーン印刷機である。製版から印刷までの工程を自動化し、PPC複写機並みの簡便な操作で低コスト・高速の大量印刷が行えるのが特徴で、1980年代以降、謄写ファックス印刷に代わる軽印刷技術として主に企業、学校などの事務用途で広く普及している。

マスター(版)の露光と感光剤の洗い流しといったシルクスクリーン印刷の従来の製版工程に代わり、デジタルデータを元にサーマルプリントヘッドを用いた熱処理によって専用のマスターに微細な穴を開け自動製版する機構を最大の特徴とする[1][2]。版である原紙と、印刷時における版の保持材であるスクリーンが分かれている謄写版と異なり、デジタル孔版印刷機は同じ孔版印刷であるシルクスクリーン印刷と同様に両者を「マスター」として一体化しており、別の印刷技法である。

製版用のデジタルデータは印刷機内蔵のCCDイメージセンサによる読み取り、またはパーソナルコンピューターなどで作成したものが用いられる。印刷機内部で製版されたマスターはインク供給機能を持つドラム(版胴)に巻き付けられ、印刷終了後は自動的にドラムから除去されて破棄される[1][2]

1980年代以降、日本メーカー各社が世界市場をほぼ独占したサーマルプリントヘッドの技術革新を背景に、日本の「リソグラフ007デジタル」(1986年理想科学工業[3]、「デュープリンターDP-3050」(1987年、デュプロ精工、現・デュプロ[4]、「S-pri21 XX」(1987年、セイキプリンター)[5]で初めて商品化され、PPC複写機と同様の簡便な操作で製版から印刷まで高速・低コストで行えることから世界的に広く普及した。

印刷部数が数十枚以上の場合にはPPC複写機よりもデジタル孔版印刷機が時間・コストともに有利とされ[1][2]、ヒーターで加熱してトナーを紙に定着させるPPC複写機より機構的に信頼性が高く、環境への負荷も低い[6]

主なメーカー

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI