デジタル孔版印刷機
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マスター(版)の露光と感光剤の洗い流しといったシルクスクリーン印刷の従来の製版工程に代わり、デジタルデータを元にサーマルプリントヘッドを用いた熱処理によって専用のマスターに微細な穴を開け自動製版する機構を最大の特徴とする[1][2]。版である原紙と、印刷時における版の保持材であるスクリーンが分かれている謄写版と異なり、デジタル孔版印刷機は同じ孔版印刷であるシルクスクリーン印刷と同様に両者を「マスター」として一体化しており、別の印刷技法である。
製版用のデジタルデータは印刷機内蔵のCCDイメージセンサによる読み取り、またはパーソナルコンピューターなどで作成したものが用いられる。印刷機内部で製版されたマスターはインク供給機能を持つドラム(版胴)に巻き付けられ、印刷終了後は自動的にドラムから除去されて破棄される[1][2]。
1980年代以降、日本メーカー各社が世界市場をほぼ独占したサーマルプリントヘッドの技術革新を背景に、日本の「リソグラフ007デジタル」(1986年、理想科学工業)[3]、「デュープリンターDP-3050」(1987年、デュプロ精工、現・デュプロ)[4]、「S-pri21 XX」(1987年、セイキプリンター)[5]で初めて商品化され、PPC複写機と同様の簡便な操作で製版から印刷まで高速・低コストで行えることから世界的に広く普及した。
印刷部数が数十枚以上の場合にはPPC複写機よりもデジタル孔版印刷機が時間・コストともに有利とされ[1][2]、ヒーターで加熱してトナーを紙に定着させるPPC複写機より機構的に信頼性が高く、環境への負荷も低い[6]。


