デフリンピック

4年に1度行われる聴覚障害者のための世界的なスポーツ競技会 From Wikipedia, the free encyclopedia

デフリンピック英語: Deaflympics)とは、おおむね4年に1回の頻度で開催されてきた聴覚障碍者のための世界規模の総合スポーツ競技大会である。大会名は「聾者(Deaf)+オリンピック(Olympics)」の造語で「聾者のオリンピック」という意味を持つ。

25回大会開会式
概要 開始年, 主催 ...
デフリンピック
デフリンピックシンボル
開始年 夏季大会 1924年パリ
冬季大会 1949年ゼーフェルト
主催 国際ろう者スポーツ委員会
公式サイト
http://www.deaflympics.com/
テンプレートを表示
閉じる

概要

デフリンピックには夏季大会と冬季大会が存在し、夏季大会は1924年フランスで、冬季大会は1949年オーストリアで始まった。当初の大会名は国際聾者競技大会(こくさいろうしゃきょうぎたいかい)であったが、1967年世界聾者競技大会(せかいろうしゃきょうぎたいかい、英語: World Games of the Deaf)へ名称変更された。のちに国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得て、2001年大会より現名称が用いられている[注釈 1]

障碍者のための国際的な競技大会としては、4年ごとに開催されてきたパラリンピックが広く知られる。また、知的障碍者を対象とするスペシャルオリンピックスも存在する。

他方で聴覚障碍者は、身体障碍や知的障碍の有無にかかわらず、聴覚機能の特性により、声や音による競技者間の意思疎通を基本的に行うことができない。審判からの合図や指示も、音声主体の方法では受け取れないため、特に集団競技において、充分な聴力を有する者と比べ著しく不利となる。例えば、視覚障碍者向けの競技に見られるように、ボールに音を付して位置を把握する方式が採用される場合、聴覚障碍者はその音を利用できず、競技遂行上重大な不利益を受ける。このように、聴覚障碍者は音情報を前提とする競技設計そのものに適応しにくい特性を有するため、他の障碍とは区別した競技体系が必要とされ、独自の総合スポーツ競技大会としてデフリンピックが発展してきた。

なお、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD、CISS)が主催する障害者スポーツの大会としては、本大会が最初に開催された[注釈 2]

デフリンピックでは、競技の公平性を確保するため、ウォームアップ中および試合中において、選手が補聴器、増幅器、人工内耳体外装置など聴覚を補助・増幅する機器を装着することは厳格に禁止されている。これら機器の使用は、音の把握を可能にする点で、使用しない選手に対して競技上の不利益を生じさせるため、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)はルール上明確に禁止事項としている[注釈 3]

日本では、本大会に関する行政上の所管は厚生労働省に置かれていたが、競技性の向上に伴うスポーツ振興の観点から、2014年4月以降は制度所管が文部科学省へ移管されている[注釈 4]

開催地一覧

全日本聾唖連盟のデフリンピック啓発ウェブサイトより[1]

夏季大会

さらに見る 回, 開催年 ...
開催年開催都市開催国参加国数参加人数
第1回1924年パリフランスフランス9カ国145人
第2回1928年アムステルダムオランダオランダ10カ国210人
第3回1931年ニュルンベルクドイツドイツ14カ国316人
第4回1935年ロンドンイギリスイギリス12カ国293人
第5回1939年ストックホルムスウェーデンスウェーデン13カ国264人
第6回1949年コペンハーゲンデンマークデンマーク14カ国405人
第7回1953年ブリュッセルベルギーベルギー16カ国524人
第8回1957年ミラノイタリアイタリア25カ国625人
第9回1961年ヘルシンキフィンランドフィンランド24カ国595人
第10回1965年ワシントンアメリカ合衆国アメリカ27カ国697人
第11回1969年ベオグラードユーゴスラビアユーゴスラビア33カ国1,183人
第12回1973年マルメスウェーデンスウェーデン32カ国1,061人
第13回1977年ブカレストルーマニアルーマニア1,118人
第14回1981年ケルン西ドイツ西ドイツ1,213人
第15回1985年ロサンゼルスアメリカ合衆国アメリカ29カ国1,053人
第16回1989年クライストチャーチニュージーランドニュージーランド30カ国959人
第17回1993年ソフィアブルガリアブルガリア51カ国1,705人
第18回1997年コペンハーゲンデンマークデンマーク62カ国2,068人
第19回2001年ローマイタリアイタリア71カ国2,405人
第20回2005年メルボルンオーストラリアオーストラリア75カ国3,500人
第21回2009年台北 台湾中華台北[2]77カ国2,493人
第22回2013年ソフィアブルガリアブルガリア70カ国[3]2,879人
第23回2017年サムスントルコトルコ100カ国[4]3,148人
第24回2022年カシアス・ド・スルブラジルブラジル73か国[5]2,412人
第25回2025年東京[6]日本日本81か国 3,081人
第26回2029年アテネギリシャギリシャ
閉じる

冬季大会

さらに見る 回, 開催年 ...
開催年開催都市開催国参加国数参加人数
第1回1949年ゼーフェルトオーストリアオーストリア5カ国33人
第2回1953年オスロノルウェーノルウェー6カ国53人
第3回1955年オーバーアマガウ西ドイツ西ドイツ7カ国61人
第4回1959年モンタナスイススイス8カ国42人
第5回1963年オーレスウェーデンスウェーデン58人
第6回1967年ベルヒテスガーデン西ドイツ西ドイツ12カ国86人
第7回1971年アデルボーデンスイススイス13カ国92人
第8回1975年レークプラシッドアメリカ合衆国アメリカ15カ国268人
第9回1979年メリベルフランスフランス14カ国180人
第10回1983年マドンナ・ディ・カンピリオイタリアイタリア16カ国191人
第11回1987年オスロノルウェーノルウェー15カ国136人
第12回1991年バンフカナダカナダ16カ国294人
第13回1995年ウッラスフィンランドフィンランド20カ国312人
第14回1999年ダボススイススイス18カ国273人
第15回2003年スンツバルスウェーデンスウェーデン22カ国253人
第16回2007年ソルトレイクシティアメリカ合衆国アメリカ24カ国310人
第17回2011年ハイタトラススロバキアスロバキア開催中止
第18回2015年ハンティ・マンシースクロシアロシア27カ国340人
第19回2019年ヴァルテッリーナイタリアイタリア32カ国461人
第20回2024年エルズルム[注釈 5]トルコトルコ36カ国598人
第21回2027年インスブルックオーストリアオーストリア
閉じる

競技一覧

夏季公式競技

2022年現在の公式競技は、全部で21種目である[7]

以前は、以下の競技も公式競技であった。

冬季公式競技

さらに見る 競技\年 ...
実施競技一覧(冬季)[7]
競技\年 49 53 55 59 63 67 71 75 79 83 87 91 95 99 03 07 15 19 23
アイスホッケー
アルペンスキー
カーリング
クロスカントリースキー
スノーボード
チェス
閉じる

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI