デマント
デンマークの聴覚ヘルスケア企業
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デマント(デンマーク語: Demant A/S)は、オーティコンやバーナフォンなどの補聴器ブランドや、聴覚診断装置など医用検査機器の製造販売を行うデンマークの多国籍企業。旧社名はウィリアム・デマント・ホールディング(William Demant Holding A/S)。
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コンゲバッケンにあるイノベーションハウス (デマント本社) | |
| 種類 | 公開会社 |
|---|---|
| 市場情報 | Nasdaq Nordic DEMANT |
| 本社所在地 |
2765 Kongebakken 9, Smørum |
| 設立 | 1904年 |
| 業種 | 医療機器 |
| 事業内容 | 補聴器、聴覚検査機器の製造販売 |
| 代表者 | Søren Nielsen(CEO) |
| 資本金 |
43 DKK million (2025年12月期)[1] |
| 発行済株式総数 | 2億2393万9440株(2024年2月7日現在)[2] |
| 売上高 |
連結:22,971 DKK million (2025年12月期)[1] |
| 営業利益 |
連結:3,960 DKK million (2025年12月期)[1] |
| 総資産 |
連結:39,074 DKK million (2025年12月期)[1] |
| 従業員数 |
連結:26,704人 (2025年12月31日現在)[1] |
| 決算期 | 12月31日 |
| 会計監査人 | PricewaterhouseCoopers |
| 主要株主 |
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| 関係する人物 | Hans Jørgen Demant(創業者) |
| 外部リンク | 公式ウェブサイト |
概要
デンマーク首都地域のスメーロム(Smørum)に本社を置き、世界30カ国以上に現地法人を持ち130カ国以上でビジネスを展開している。2025年末現在、同社は世界で26,704人の従業員を雇用しており、そのうち最も多いのはポーランド(5,241人)、次いでドイツ(4,484人)、米国(3,415人)、デンマーク(2,201人)である[1]。補聴器業界ではスイスのソノヴァに次いで世界第二位で市場シェアは20.16%を占める[3]。
パーパス(企業理念)は「Life-changing hearing health(聴覚ヘルスを通じて人々の人生を大きく変えていく)」[4]。
ナスダック・コペンハーゲン上場企業(Nasdaq Nordic DEMANT)でOMXコペンハーゲン20の構成銘柄の一つでもあり、デンマークの聴覚三傑の一角に評される[5]。日本法人はデマント・ジャパン株式会社。
特徴
デマントは次の二つの点で世界唯一の企業である。
- 慈善財団が所有する聴覚ヘルスケア企業であること。慈善財団であるウィリアム・デマント財団(デンマーク語: William Demant Fonden)が、100%持株会社であるウィリアム・デマント・インベスト(William Demant Invest A/S)を通じて所有している[6][7]。
- 補聴器から人工内耳、診断装置、聴覚ヘルスケア、オーディオソリューションまで聴覚ケアにおける全ての分野をカバーしていること[8][9]。

デンマーク工科大学にある多目的ホール。ウィリアム・デマント財団(当時のオーティコン財団)の寄付により建設。現在はデマントホールと呼ばれている[10]。
デンマーク工科大学キャンパス内にある学生寮。ウィリアム・デマント財団の支援によって2002年に建設[11]。
沿革
聴覚障害を持つ妻を助けることに情熱を注いでいたハンス・ヨルゲン・デマントは、デンマーク生まれのイギリス王妃であるアレクサンドラ・オブ・デンマークが1902年の戴冠式で補聴器を着用していたことを知った後、1904年にアコースティコン社を設立、アメリカのメーカーであるGeneral Acoustic Companyと契約し同社の補聴器の輸入販売をオーデンセで始めた[12]。1910年のハンスの死後は、息子のウィリアム・デマントが会社を引き継ぎ、1915年にウィリアムと妻のイーダ・エミリー・ホストは補聴器を販売するためにロシアへ旅行した。1923年に会社をコペンハーゲン近郊に移転し、補聴器のライセンス生産を開始した[12]。1943年、オーティコンが会社の正式名称となる。第二次世界大戦はアメリカからの輸入を途絶させ苦境に陥ったが、戦後はアメリカの補聴器メーカーCharles Lehmanとデンマークで合弁事業(オーティコン・コーポレーション)を行うなど復調し、1957年にウィリアム・デマント一族は、会社の全利益を聴覚障害者を支援するための研究開発に投資する目的で設立されたオーティコン財団(現在のウィリアム・デマント財団)に保有していた全株式を譲渡、1968年には経営幹部がデマント家以外となった[12]。
その後はスイスやノルウェーに現地法人を設立、また1973年にスコットランドに工場を新設するなど海外進出を進め、1977年にデンマークに聴覚学の研究施設であるエリクスホルム研究センター(Eriksholm Research Centre)を設立した[13]。1983年には持株会社のオーティコン・ホールディングを設立した[12]。1995年1月、スイスの同業バーナフォン(診断機器メーカーのMAICOも含む)を買収し傘下におさめ、同年5月にナスダック・コペンハーゲン証券取引所にて株式上場企業となった。1997年、企業グループと傘下事業の両方に同じ名称を使用することは不利であると考えられたため、企業名をオーティコン・ホールディングからウィリアム・デマント・ホールディングに改めた。2000年には聴覚検査機器メーカーのインターアコースティクスを買収し傘下に加えた[12]。2003年、ゼンハイザーとの合弁事業としてゼンハイザーコミュニケーションズ(Sennheiser Communications A/S)を設立[14]。2006年に本社をコペンハーゲンから郊外のコンゲバッケンに移転。2008年にはイギリスの聴覚検査機器メーカーのAmplivoxを[15]、続いて2009年にアメリカの聴覚検査機器メーカーのGrason Stadler Inc.を買収。2013年、人工内耳システムを手掛けるフランスのNeurelecを買収し翌年Oticon Medicalにブランド変更した。2015年にはフランスの大手補聴器ディーラーのAudikaを買収[16]。2019年に企業名をウィリアム・デマント・ホールディングから現社名に改めた[17]。
2020年、フィリップスとライセンス契約を締結しフィリップスブランドの補聴器の販売を開始した[18]。また、11月30日をもってゼンハイザーとの合弁事業を解消しSennheiser Communications A/Sは事業を終了しEPOS Group A/Sに社名変更[14]。2022年4月、Oticon MedicalをオーストラリアのCochlear Limitedに8億5000万クローネで売却し 人工内耳事業から撤退することに合意(2024年5月に売却完了)。6月にアジア太平洋地域最大の補聴器ディーラーである中華人民共和国の声望(SWTL)の株式を段階的に買収(総額17億5000万人民元で買収)し傘下におさめ[19][20]、2024年8月にはデンマークの聴覚クリニックチェーンのDansk HøreCenterを同業のGNから買収し[21]、デンマークの補聴器小売市場で第2位に浮上した[22]。2025年12月、約650の補聴器クリニックを擁する世界有数の補聴器販売業者であるドイツのKINDグループ(KIND)を7億ユーロで買収(同時にKIND傘下の補聴器メーカーaudifonも買収)[23][24]。デマントのドイツにおける既存の拠点と合わせると、ドイツ国内で900以上のクリニック、世界で4,500以上のクリニックを擁することになり業界をリードする地位を確立[25]。2026年1月、EPOSをアメリカのACCO Brandsに売却完了[26]。

事業展開
現在、同社は3つの事業部門(ヒアリングヘルスケア)に注力している。

補聴器事業
- オーティコン(Oticon)
- バーナフォン(Bernafon)
- フィリップスヒアリングソリューションズ(PHILIPS)
聴覚ケア・補聴器リテール事業
- オーディカ(Audika)- オーストラリア、ドイツ、デンマーク、フランス、ハンガリー、イタリア、ニュージーランド、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、ベルギー、日本、オランダ
- ヒアリングライフ(HearingLife)- カナダ、アメリカ
- ヒドゥンヒアリング(Hidden Hearing)- アイルランド、北アイルランド、イギリス
- ヒアリングパートナーズ(Hearing Partners)- マレーシア、シンガポール
- アコースティカメディカ(Acoustica Medica)- ギリシャ、ポルトガル
- テレックス(Telex)- ブラジル
- メドトン・ハディム(Medton-hedim)- イスラエル
- イディス(idis)- トルコ
- 声望听力(SWTL)- 中華人民共和国
- キント(KIND) - ドイツ
聴覚診断装置事業
- メイコダイアグノスティクス(MAICO)
- インターアコースティクス(Interacoustics)
- アンプリボックス(Amplivox)
- メドレックス(MedRx)
- グラソンシュタドラー(gsi)
- オーディオスキャン(audioscan)
デマントが過去に関わっていた事業
- オーティコンメディカル(Oticon Medical)- 人工内耳
- イーポス(EPOS)- パーソナルコミュニケーション


事業別売上高構成比率は、聴覚ケア事業が45%、補聴器事業が44%、診断装置事業が11%となっている。地域別では、ヨーロッパが44%、北米が39%、アジアが9%となっている[1]。
研究施設
エリクスホルム研究センター
- オーディオロジーの基礎・応用研究施設。物理学、音響学、生理学、聴能学や工学に至るまで幅広い分野の研究員と大学や民間企業の研究者との国際的協力により研究が行なわれている[27]。本社の研究開発部門で行われている製品ベースの研究とは独立して基礎研究と応用研究の組み合わせを促進するために、本社から地理的に離れたスネガスティーン(Snekkersten)に研究部門を設立した[28]。研究開発の重点分野として現在、オーディオロジー(聴覚学)の個別化、認知聴覚科学、意図の解釈、人工知能(AI)の4点を掲げている。
インターアコースティクス研究ユニット
- IRU (Interacoustics Research Unit ) は 2014 年に設立され、聴覚技術分野における製品化前段階の研究プロジェクトに取り組んでいる。聴覚電気生理学、ワイドバンドティンパノメトリー、耳音響放射などの応用および臨床プロジェクトに重点を置く。IRUのオフィスはデンマーク工科大学(DTU)内にあり、聴覚学と聴覚科学の基礎的な進歩を用いて聴覚医療の専門家が直面する現実的な課題の解決に役立てることをミッションとして活動している[29]。
日本におけるデマント
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本社が入居する品川シーサイドTSタワー | |
| 種類 | 株式会社 |
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| 本社所在地 |
〒140-0002 東京都品川区東品川4丁目12-3 品川シーサイドTSタワー11階 北緯35度36分35.510秒 東経139度44分53.225秒 |
| 設立 | 1973年3月8日 |
| 業種 | 精密機器 |
| 法人番号 | 3020001082859 |
| 事業内容 | 補聴器の製造販売 |
| 代表者 | 代表取締役 齋藤徹[30] |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 純利益 |
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| 総資産 |
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| 従業員数 |
219人 (2025年10月現在)[30] |
| 決算期 | 12月31日[30] |
| 主要株主 | Demant A/S 100% |
| 外部リンク | https://www.oticon.co.jp/ |
| 特記事項:2020年7月1日に現社名へ商号変更[30]。 | |
日本では、デマント・ジャパン株式会社(Demant Japan K.K.)が日本法人として東京都品川区にオフィスを置き[31]、デマント傘下の各ブランド製品の製造販売を行っている[32][33]。
1973年にオーティコン株式会社として新宿区に設立。2016年にAudmet株式会社に社名変更。その後2020年に現社名へと変更された。2025年8月までは神奈川県川崎市に本社が置かれていた。
国内グループ企業にダイアテックジャパン株式会社、Audika株式会社(それぞれ親会社が同じである兄弟会社)がある[1][34]。
| 分野 | 社名 | 本社所在地 | 代表者 |
|---|---|---|---|
| Diagnostics (診断機器事業) |
ダイアテックジャパン株式会社 | 東京都品川区東品川4丁目12-3 品川シーサイドTSタワー11階 | 齋藤徹 |
| Hearing Care (聴覚ケア・リテール事業) |
Audika株式会社 | 東京都品川区東品川4丁目12-3 品川シーサイドTSタワー11階 | 齋藤徹 |