トゥル・ティガラリ文字 (Unicodeのブロック)

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トゥル・ティガラリ文字 (Unicodeのブロック)
Tulu-Tigalari
範囲 U+11380..U+113FF
(128 個の符号位置)
追加多言語面
用字 トゥル・ティガラリ文字
主な言語・文字体系
未使用 48 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
16.0 80 (+80)
公式ページ
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トゥル・ティガラリ文字(トゥル・ティガラリもじ、英語: Tulu-Tigalari)は、Unicodeブロックの一つ。

インド南部のカルナータカ州西部及びケーララ州などで話される、ドラヴィダ語族に属するトゥル語を表記するためのトゥル・ティガラリ文字を収録している。この文字体系はトゥル文字、或いはティガラリ文字とも呼ばれており、前者は現在のトゥル語を表記する文字として、後者は歴史的にトゥル語、カンナダ語、及びサンスクリット語を表記する文字として[1]この文字体系を言及する際に用いられている[2]。なお、トゥル語の表記にはこの文字体系のほかにカンナダ文字マラヤーラム文字も用いられている。

トゥル・ティガラリ文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。

母音記号はものによっては文字の左側に付けられることがあるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。

数字はカンナダ文字のものが用いられる[3]

符号位置の順序はおおむねブラーフミー文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン16.0において初めて追加された。

収録文字

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明 ラテン文字転写
独立母音字
U+11380 𑎀 TULU-TIGALARI LETTER A 短母音[a]を表す。 a
U+11381 𑎁 TULU-TIGALARI LETTER AA 長母音[aː]を表す。 ā
U+11382 𑎂 TULU-TIGALARI LETTER I 短母音[i]を表す。 i
U+11383 𑎃 TULU-TIGALARI LETTER II 長母音[iː]を表す。 ī
U+11384 𑎄 TULU-TIGALARI LETTER U 短母音[u]を表す。

また、ヴィラーマ(U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMA)を伴って母音/ụ/[ɯ]を表す[2]

u
U+11385 𑎅 TULU-TIGALARI LETTER UU 長母音[uː]を表す。

また、ヴィラーマ(U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMA)を伴って母音/ụ̄/[ɯː]を表す[2]

ū
U+11386 𑎆 TULU-TIGALARI LETTER VOCALIC R 音節主音化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。 [4]
U+11387 𑎇 TULU-TIGALARI LETTER VOCALIC RR 音節主音化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。 r̥̄[5]
U+11388 𑎈 TULU-TIGALARI LETTER VOCALIC L 音節主音化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。

歴史的ティガラリ文字でのみ用いられる[2]

[6]
U+11389 𑎉 TULU-TIGALARI LETTER VOCALIC LL 音節主音化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。

歴史的ティガラリ文字でのみ用いられる[2]

l̥̄[7]
U+1138A (予約済み)
U+1138B 𑎋 TULU-TIGALARI LETTER EE 長母音[eː]を表す。

また、ヴィラーマ(U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMA)を伴って母音/ϵ̄/[ɛː]を表す[2]

ē
U+1138C (予約済み)
U+1138D (予約済み)
U+1138E 𑎎 TULU-TIGALARI LETTER AI 長母音二重母音[ai̯]を表す。

現代トゥル文字でのみ用いられる[2]

ai
U+1138F (予約済み)
U+11390 𑎐 TULU-TIGALARI LETTER OO 長母音[oː]を表す。 ō
U+11391 𑎑 TULU-TIGALARI LETTER AU 二重母音[au̯]を表す。 au
子音字
U+11392 𑎒 TULU-TIGALARI LETTER KA 子音[k]を表す。 k
U+11393 𑎓 TULU-TIGALARI LETTER KHA 子音[kʰ]を表す。 kh
U+11394 𑎔 TULU-TIGALARI LETTER GA 子音[ɡ]を表す。 g
U+11395 𑎕 TULU-TIGALARI LETTER GHA 子音[ɡʱ]を表す。 gh
U+11396 𑎖 TULU-TIGALARI LETTER NGA 子音[ŋ]を表す。
U+11397 𑎗 TULU-TIGALARI LETTER CA 子音[c]を表す。 c
U+11398 𑎘 TULU-TIGALARI LETTER CHA 子音[cʰ]を表す。 ch
U+11399 𑎙 TULU-TIGALARI LETTER JA 子音[ɟ]を表す。 j
U+1139A 𑎚 TULU-TIGALARI LETTER JHA 子音[ɟʱ]を表す。 jh
U+1139B 𑎛 TULU-TIGALARI LETTER NYA 子音[ɲ]を表す。 ñ
U+1139C 𑎜 TULU-TIGALARI LETTER TTA 子音[ʈ]を表す。
U+1139D 𑎝 TULU-TIGALARI LETTER TTHA 子音[ʈʰ]を表す。 ṭh
U+1139E 𑎞 TULU-TIGALARI LETTER DDA 子音[ɖ]を表す。
U+1139F 𑎟 TULU-TIGALARI LETTER DDHA 子音[ɖʱ]を表す。 ḍh
U+113A0 𑎠 TULU-TIGALARI LETTER NNA 子音[ɳ]を表す。
U+113A1 𑎡 TULU-TIGALARI LETTER TA 子音[t]を表す。 t
U+113A2 𑎢 TULU-TIGALARI LETTER THA 子音[tʰ]を表す。 th
U+113A3 𑎣 TULU-TIGALARI LETTER DA 子音[d]を表す。 d
U+113A4 𑎤 TULU-TIGALARI LETTER DHA 子音[dʱ]を表す。 dh
U+113A5 𑎥 TULU-TIGALARI LETTER NA 子音[n]を表す。 n
U+113A6 𑎦 TULU-TIGALARI LETTER PA 子音[p]を表す。 p
U+113A7 𑎧 TULU-TIGALARI LETTER PHA 子音[pʰ]を表す。 ph
U+113A8 𑎨 TULU-TIGALARI LETTER BA 子音[b]を表す。 b
U+113A9 𑎩 TULU-TIGALARI LETTER BHA 子音[bʱ]を表す。 bh
U+113AA 𑎪 TULU-TIGALARI LETTER MA 子音[m]を表す。 m
U+113AB 𑎫 TULU-TIGALARI LETTER YA 子音[j]を表す。 y
U+113AC 𑎬 TULU-TIGALARI LETTER RA 子音[ɾ]を表す。 r
U+113AD 𑎭 TULU-TIGALARI LETTER LA 子音[l]を表す。 l
U+113AE 𑎮 TULU-TIGALARI LETTER VA 子音[ʋ]を表す。 v
U+113AF 𑎯 TULU-TIGALARI LETTER SHA 子音[ɕ]を表す。 ś
U+113B0 𑎰 TULU-TIGALARI LETTER SSA 子音[ʂ]を表す。
U+113B1 𑎱 TULU-TIGALARI LETTER SA 子音[s]を表す。 s
U+113B2 𑎲 TULU-TIGALARI LETTER HA 子音[h]を表す。 h
U+113B3 𑎳 TULU-TIGALARI LETTER LLA 子音[ɭ]を表す。
U+113B4 𑎴 TULU-TIGALARI LETTER RRA 子音[r]を表す。
U+113B5 𑎵 TULU-TIGALARI LETTER LLLA 子音[ɻ]を表す。
アヴァグラハ
U+113B7 𑎷 TULU-TIGALARI SIGN AVAGRAHA アヴァグラハ。連音(サンディ)によって語頭の母音 a が消えたことを表す。
母音記号
U+113B8 𑎸 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN AA 長母音[aː]を表す。 ā
U+113B9 𑎹 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN I 短母音[i]を表す。 i
U+113BA 𑎺 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN II 長母音[iː]を表す。 ī
U+113BB 𑎻 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN U 短母音[u]を表す。 u
U+113BC 𑎼 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN UU 長母音[uː]を表す。 ū
U+113BD 𑎽 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN VOCALIC R 音節主音化した短母音としてのR(IPA:[ɹ̩])を表す。 [4]
U+113BE 𑎾 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN VOCALIC RR 音節主音化した長母音としてのR(IPA:[ɹ̩ː])を表す。 r̥̄[5]
U+113BF 𑎿 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN VOCALIC L 音節主音化した短母音としてのL(IPA:[l̩])を表す。 [6]
U+113C0 𑏀 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN VOCALIC LL 音節主音化した長母音としてのL(IPA:[l̩ː])を表す。 l̥̄[7]
U+113C1 (予約済み)
U+113C2 𑏂 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN EE 長母音[eː]を表す。

文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。

ē
U+113C3 (予約済み)
U+113C4 (予約済み)
U+113C5 𑏅 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN AI 長母音二重母音[ai̯]を表す。

文字の左側にレンダーされるため、符号上の文字順序と表示上の順序とが入れ替わる。

ai
U+113C6 (予約済み)
U+113C7 𑏇 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN OO 長母音[oː]を表す。 ō
U+113C8 𑏈 TULU-TIGALARI VOWEL SIGN AU 二重母音[au̯]を表す。 au
各種記号
U+113C9 𑏉 TULU-TIGALARI AU LENGTH MARK 母音字ī, au及び母音記号auの分解形式。
U+113CA 𑏊 TULU-TIGALARI SIGN CANDRA ANUNASIKA アヌナーシカ。

母音字や母音記号に付き、母音を鼻母音で発音することを表す。

歴史的ティガラリ文字で用いられる[1]

U+113CB (予約済み)
U+113CC 𑏌 TULU-TIGALARI SIGN ANUSVARA アヌスヴァーラ

直後に音節が後続する子音字に付き、直後の子音と同じ調音点鼻音が挿入されることを表す。日本語における「」に相当する。

U+113CD 𑏍 TULU-TIGALARI SIGN VISARGA ヴィサルガ

音節末に[h]を伴うことを表す。

U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMA ヴィラーマ。殺母音記号。母音/-a/を発音せず子音のみが読まれることを表す。

U+113D0 𑏐 TULU-TIGALARI CONJOINERとは異なり、特殊な合字は形成せず目に見える記号としてふるまう。

また、いくつかの母音字・母音記号に付いて母音を別の発音で読むことを表す[2]

U+113CF 𑏏 TULU-TIGALARI SIGN LOOPED VIRAMA 母音が読まれず子音のみを発音することを表す。U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMAと機能上は同一である。

歴史的ティガラリ文字において、子音字/k/, /ṭ/, /t/, /n/に付く場合はこちらの記号が用いられる[3]

U+113D0 𑏐 TULU-TIGALARI CONJOINER 母音が読まれず子音のみを発音することを表す。U+113CE 𑏎 TULU-TIGALARI SIGN VIRAMAと機能上は同一である。

レンダー上は、子音連続を表す場合次の文字と縦に並べて繋がったような合字を形成するための不可視の制御文字として機能する。

U+113D1 𑏑 TULU-TIGALARI REPHA 頭子音が/r-/が先行する子音クラスタであることを表す。 r
U+113D2 𑏒 TULU-TIGALARI GEMINATION MARK 子音を重子音(促音)として読むことを表す記号。

歴史的ティガラリ文字で用いられる[1]

長母音記号
U+113D3 𑏓 TULU-TIGALARI SIGN PLUTA 母音を通常よりも非常に長い長母音として発音することを表す[1]

歴史的ティガラリ文字で用いられる。

約物
U+113D4 𑏔 TULU-TIGALARI DANDA ダンダ終止符

韻文では半詩節の終わり(パダ)を表す。

.
U+113D5 𑏕 TULU-TIGALARI DOUBLE DANDA 段落の終わりを表す記号。

韻文においてスタンザ(詩節)の終わりを表す。

U+113D6 (予約済み)
U+113D7 𑏗 TULU-TIGALARI SIGN OM PUSHPIKA ヒンドゥー教などにおける聖音のオームを表す記号。

文字名の"PUSHPIKA"とは「花」を意味し、複数並べたり(𑏗𑏗𑏗𑏗)ダンダ或いは二重ダンダに挟む形(𑏔𑏗𑏔)で現れ、主にスペースを埋めるための装飾記号や段落記号として用いられる[3]

U+113D8 𑏘 TULU-TIGALARI SIGN SHRII PUSHPIKA テキストの開始及び終端、休止、或いはスペースを埋める目的で用いられる[1]

歴史的ティガラリ文字で用いられる。

ヴェーダ用声調記号
U+113E1 𑏡 TULU-TIGALARI VEDIC TONE SVARITA スヴァリタ(下降声調)を表す。
U+113E2 𑏢 TULU-TIGALARI VEDIC TONE ANUDATTA アヌーダッタ(低声調)を表す。

小分類

このブロックの小分類は「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「アヴァグラハ」(Avagraha)、「母音記号」(Vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「長母音記号」(Vowel length mark)、「約物」(Punctuation)、「ヴェーダ用声調記号」(Vedic tone marks)の8つとなっている[8]

独立母音字(Independent vowels)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字(Consonants)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

アヴァグラハ(Avagraha)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、連音(サンディ)によって語頭の母音 a が消えたことを表す記号が収録されている。

母音記号(Vowel signs)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

各種記号(Various signs)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

長母音記号(Vowel length mark)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、母音を長母音として発音することを表す記号が収録されている。

約物(Punctuation)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字で用いられる句読点などの約物類が収録されている。

ヴェーダ用声調記号(Vedic tone marks)

この小分類にはトゥル・ティガラリ文字のうち、ヒンドゥー教バラモン教の聖典であるヴェーダの朗誦で用いられる声調記号が収録されている。

文字コード

履歴

出典

関連項目

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