トムとジェリーの大冒険
1992年のアメリカのアニメーション映画
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『トムとジェリーの大冒険』(トムとジェリーのだいぼうけん、原題: Tom and Jerry: The Movie)[3]は、1992年に公開された、アメリカ合衆国のミュージカル・冒険・アニメ映画。制作、編集、監督はフィル・ローマン。ターナー・ピクチャーズ・ワールドワイド・ディストリビューション[4]によってドイツで公開され、アメリカではミラマックスとライヴ・エンターテイメントによって公開された。日本では松竹と松竹富士によって1995年に公開された。
Dennis Marks
Bill Schultz (co-producer)
| トムとジェリーの大冒険 | |
|---|---|
| Tom and Jerry: The Movie | |
|
| |
| 監督 | フィル・ローマン |
| 脚本 |
ダニエル・マークス Dennis Marks |
| 原作 |
ウィリアム・ハンナ ジョセフ・バーベラ 『トムとジェリー』 |
| 製作 |
フィル・ローマン Bill Schultz (co-producer) |
| 出演者 |
リチャード・カインド デイナ・ヒル アンディ・マカフィー シャーロット・レイ トニー・ジェイ エド・ギルバート デイビット・ランダー ヘンリー・ギブソン リップ・テイラー |
| 音楽 | ヘンリー・マンシーニ |
| 制作会社 |
ターナー・エンターテイメント WMG Film フィルム・ローマン Wang Film Productions The Baer Animation Company Creative Capers Cartoons |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 84分 |
| 言語 | 英語 |
猫とネズミの二人組、トムとジェリー[4]が主役となる初の長編映画であり[5]、同時に1967年公開の『夢よもう一度』から25年ぶりとなる劇場公開作品でもある。また本作ではトムとジェリーが人間の言葉で会話で流暢な会話をするという特徴があるが、このコンセプトは後の映画やテレビ番組には引き継がれていない。
本作は、協力者のウィリアム・ハンナとともに「トムとジェリーの大冒険」を作った人物であるジョセフ・バーベラがクリエイティブコンサルタントをつとめた映画であり[4]、1996年7月15日に亡くなったデイナ・ヒルの生前の最後の出演作品となった。
この映画は、350万ドルの製作費に対し360万ドルしか売り上げられなかったなど興行収入の面では失敗に終わった。
ストーリー
トムの飼い主は、引っ越し先の新居へ向かうための準備を進めていた。トムは車の後部座席で居眠りしていたが、ジェリーがいることに気付き、いつもの追いかけっこが始まる。そうしているうちに飼い主は車を出してしまい、トムとジェリーは置き去りにされてしまった。翌日、クレーン車がやってきて家の取り壊し作業を始める。一度は家から逃げだしたトムだったが、残してきたジェリーが心配になり引き返す。
家をなくした二匹は食料と住まいを求めてさまよい歩いたが、何も見つけることはできない。その夜、彼らは小道で野良犬のパグジーとその友達のノミのフランキーに出会う。トムとジェリーはそれぞれ自己紹介をし、お互いが言葉を喋れたことを知って驚く。 パグジーとフランキーは、二匹に「二匹きりでこの場所で生きてゆくことは難しい。自分たちの仲間にならないか」と勧めた。トムとジェリーは誘いに乗り、パグシーたちの仲間になる。パグジーはゴミ箱の中の残飯を集めて「ビュッフェ式の食事」を振る舞おうとするが、そこに野犬捕獲人が現れ、パグジーとフランキーは連れ去られてしまう。その後、トムは野良猫たちに襲われるがジェリーに助けられる。
トムとジェリーはそれからロビン・スターリングという少女に出会う。ロビンは幼い頃に母親を亡くし、父親のピーターはチベットに出かけ、雪崩に巻き込まれ行方不明になった。それからは意地悪な叔母のプリスティン・フィッグと二人で暮らしていた。フィッグはロビンを屋根裏で寝かせ、大事にしていたロケットペンダントを投げ捨てるなど酷烈な扱いをし、さらには下劣な弁護士のリックブートと手を組んでスターリング一家の財産を根こそぎ奪おうと目論んでいた。あまりの扱いに耐えきれなくなったロビンはついに家を飛び出したのだった。家がないことのつらさを知っているトムとジェリーは、フィッグも心の底ではロビンを心配していると確信し、彼女を家に帰るように説得しようとする。
そのころ、ロビンの失踪にショックを受けたフィッグは、地元警察官にロビンの捜索を依頼する。しかし、いったん警官が帰ってしまうと、元の冷酷で自分勝手な人柄に戻ってしまう。ロビン、トム、ジェリーは警察に発見され、フィッグの家に届けられる。当初はトムとジェリーが自宅にいることを許したフィッグだったが、犬のファーディナンドとのドタバタでキッチンをめちゃくちゃにされたことに怒り、ドクター・アップルチークが経営する劣悪な環境の動物収容施設に二匹を無理やり連れていく。アップルチークはまた、フランキーたちを捕まえた二人の野犬捕獲人の雇用者でもあった。トムとジェリーはそこでパクジーとフランキーに再会し、ドルーピーら収容所の犬たちの助けを借りてなんとか脱出に成功。ロビンとの再会を果たす。その後、ロビンは電報で父親が生きていることを知り、トムたちとともに父を探しに出かける。ロビンたちが家から脱走したことを知ったフィッグはピーターから資金を得て独自に捜索しようとするが、ピーターは娘の安全が確保されるまでフィッグへの資金提供を打ち切ることを決めていた。結局リックブートの案でロビンに100万ドルの懸賞金(方便であり、実際に払うつもりはなかった)をかけて探すことにした。一方、ピーターは娘が自宅から逃亡したことを知り、すぐに彼女を探すためアメリカに引き返すのだった。
トムたちはいかだに乗って進んでいたが、船に衝突しいかだは大破、ロビンともはぐれてしまう。ロビンは地元の遊園地の所有者、キディー船長と喋る手踊り人形のスクウォークによって助けられる。しかし、フィッグたちが手配した広告を見ていた二人はフィッグに「ロビンが見つかった」と連絡する。その後、キディーたちは身代金を手にするために観覧車でロビンを罠にかけ捕まえる。アップルチークはその電話の会話を盗み聞きし、一番初めにロビンのもとにつくためのレースが始まった。しかし、トラックで追いかけている途中、アップルチークが二人の野良犬捕獲者にロビンにかけられている賞金を分け与えることを拒んだので、彼らはアップルチークをトラックから放り出した。が、アップルチークはアイスクリーム屋の車を乗っ取る。トムとジェリーはちょうどフィッグとアップルチークが到着したときに遊園地でロビンを見つけた。トムとジェリーとロビンは野良犬捕獲者を観覧車で罠にかけてとらえ、蒸気船に乗ってフィッグ、アップルチーク、リックブート、キディーに追われながら川を上って逃げた。結局フィッグとリックブートの乗っていた1955年製のオースチン・ヒーリー100は農場の泥にはまってしまった。彼らはいったん抜け出したものの、ペットのファーディナンドのローラーボードをひきずりながら橋を渡ったことで橋が壊れたため、彼らのうしろから車で追っていたアップルチークは川に落ち、ボートでロビンたちを追いかける途中で橋の下を通過していたキディーとスクウォークに衝突した。ついにトムとジェリーとロビンはロビンとその父のものである古い夏用の丸木小屋についた。しかし、彼らは無理やりロビンを家につれ帰そうとするフィッグとリックブートの待ち伏せを受ける。抵抗するロビンと、ロビンを強引に連れ帰そうとするフィッグとリックブートの争いの結果、石油ランプが壊れ、家が燃え始め、山火事のようになってしまう。トムとジェリーは屋根の上に登りロープでロビンを家の中から救出する。そしてフィッグとリックブートは彼ら自身につまずきよろめいて、ファーディナンドが運転するボートの見晴らし台に落ちていった。
最終的にその小屋が焼け落ちるとき、ロビンの父親がヘリコプターで到着し、ロビンを救助した。しかしその小屋が倒壊する前にトムとジェリーのところに行くことはできなかった。しかし二匹はその倒壊から生き残り、ロビンとその父親とともに彼らの家に住むために連れていってもらえた。パグシーとフランキーはこの出来事を新聞で見て最終的にトムとジェリーが友情を見いだしたことに満足した。しかし家ではロビンとピーターが見えなくなるとすぐに、トムとジェリーは彼らの友情ができすぎたものであることを喜びのうちに気づきつつ、いつものように追いかけっこを再開するのだった。
オリジナルキャラクター
- パグジー、フランキー
- 裏路地にすむ犬とノミのコンビ。トムとジェリーと知り合い、友達になる。
- ロビン・スターリング
- 作品のヒロイン。
- フィッグおばさん
- 作品のメインヴィラン。
- リックブート
- アップルチーク
キャスト
| 役名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え |
|---|---|---|
| トム | リチャード・カインド | 堀内賢雄 |
| ジェリー | デイナ・ヒル | 堀絢子 |
| ロビン・スターリング | アンディ・マカフィー | 篠原涼子 |
| フィッグおばさん | シャーロット・レイ | 小林幸子 |
| リックブート | トニー・ジェイ | 北村弘一 |
| ファーディナンド | マイケル・ベル | 辻親八 |
| アップルチーク | ヘンリー・ギブソン | 富田耕生 |
| アップルチークの子分 | マイケル・ベル | 辻親八 |
| シドニー・ラシック | 島香裕 | |
| パクジー | エド・ギルバート | 滝口順平 |
| ロビンのパパ | 石丸博也 | |
| フランキー | デイビット・ランダー | 佐々木望 |
| キディー | リップ・テイラー | 安西正弘 |
| スクウォーク | ハワード・モリス | 龍田直樹 |
| ドルーピー | ドン・メシック | 中沢みどり |
| トムの飼い主 | B. J. ウォード | |
| 引越し屋さん | グレッグ・バルソン | |
| おまわりさん | ティーノ・インサーナ | |
| 路地の猫たち | レイモンド・マクロード | 宝亀克寿 |
| ミッキー・ムーア | 島香裕 | |
| スコット・ウォヤーン | 安西正弘 | |
その他:幹本雄之、淀康三
ミュージカルの曲目
- 「いつも仲良し、陽気なコンビ」("Friends to the End") - パクジー、フランキー、トム、ジェリー(声:エド・ギルバート、デイビッド・ランダー、リチャード・カインド、デイナ・ヒル / 滝口順平、佐々木望、堀内賢雄、堀絢子)
- 「ノラ猫ソング」("What Do We Care? (The Alley Cats Song)" ) - 路地の猫たち(声:レイモンド・マクロード、ミッキー・ムーア、スコット・ウォヤーン / 宝亀克寿、島香裕、安西正弘)
- 「お金は命」("Money Is Such a Beautiful Word") - フィッグ、リックブート(声:シャーロット・レイ、トニー・ジェイ / 小林幸子、北村弘一)
- 「動物バンザイ!」("God's Little Creatures" ) - アップルチーク(声:ヘンリー・ギブソン / 富田耕生)
- 「パパを思って」("I Miss You (Robyn's Song)" ) - ロビン(声:アンディ・マカフィー / 篠原涼子)
- 「スターに乾杯」("I've Done It All") - キディー、スクウォーク(声:リップ・テイラー、ハワード・モリス / 安西正弘、龍田直樹)
- 「フィナーレ」("Finale (Friends to the End)")
- "I Miss You (End Title)" - ステファニー・ミルズ(英語: Stephanie Mills)
- 「あふれる愛」("All in How Much We Give") - (歌:ステファニー・ミルズ(英語: Stephanie Mills) / 小林幸子〈LD・VHS版のみ収録〉)
反響
批評と議論
1940、50年代のいくつかのアニメ作品においてトムとジェリーが人間の言葉で交わす場面は存在したものの、本作は普段言葉をしゃべらないトムとジェリーが対話をしている点に対して極めて否定的な批評を受けた。 雑誌バラエティの ジョゼフ・マクブライドはこう述べている。「トムとジェリーのおしゃべりは、『アンナ・クリスティ』の「ガルボがしゃべる!」という惹句に匹敵するものとして映画の歴史に名を刻むことはないだろう」[1]。ロサンゼルスタイムズのチャールズ・ソロモンは映画の曲を批判し、またフィル・ロマンを演出について酷評した[6]。ワシントンポストのハル・ヒンソンは猫とネズミの間の会話に苦言を呈し、声がトムとジェリーのキャラクターに適していないと言った。
また、ヒンソンは「ミュージカルの曲が過度に快活で陽気すぎるので忘れられやすい」とも言っている[7]。ジーン・シスケルとロジャー・イーバートはSiskel & Ebertという番組でこの映画に二つ星を与え、アニメーション、見かけと元のアニメから引き継いだ正確な芸術的デザインを賞賛した。その一方で二人はトムとジェリーが会話をすること、昔の漫画に比べてドタバタ喜劇が少ないこと、そして物語がつまらないことはよくないとし、さらにはトムやジェリーよりもロビンがより目立ってしまっていたことにまで言及した。
しかし、ニューヨーク・タイムズのヴィンセント・キャンビーは肯定的な見解をこの映画に寄せている。キャンビーはヘンリー・マンシーニの映画音楽とミュージカルの曲目をほめている。キャンビーは後にこう言い続けている。「トムとジェリーの大冒険のキャラクターは魅力的だ」[8]。2015年の4月の映画レビューをまとめているサイトであるRotten Tomatoesにおける11件の批評に基づくと批評家の18%が肯定的な見解を示している[9]。
興行収入
この映画は1993年の7月30日にアメリカ合衆国とカナダで初公開された。その公開と同じ週に『ライジング・サン』、『ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ』そして『ハネムーンは命がけ』が公開された[10]。公開してから14週目の週末の時点で、北アメリカで3,560,469ドルの興行収入を得た。そしてそれは財政的に失敗作であった[10][11]。
サウンドトラック
サウンドトラックのアルバムは1992年にMCAレコードによって発売された。それにはヘンリー・マンシーニが作曲した映画での歌と歌詞のない楽曲がどちらも含まれている[12]。
| # | タイトル |
|---|---|
| 1. | 「オール・イン・ハウ・マッチ・ウイ・キヴ(All in How Much We Give、VHS版では「あふれる愛」)」(ステファニー・ミルズ) |
| 2. | 「いつも仲良し、陽気なコンビ(Friends to the End)」(エド・ギルバート、デイビット・ランダー、リチャード・カインド、 デイナ・ヒル) |
| 3. | 「ノラ猫ソング(What Do We Care (The Alley Cats' song))」(レイモンド・マクロード、ミッキー・ムーア、スコット・ウォヤーン) |
| 4. | 「動物バンザイ!(God's Little Creatures)」(ヘンリー・ギブソン) |
| 5. | 「お金は命((Money is Such) A Beautiful Word)」(シャーロット・レイ、 トニー・ジェイ) |
| 6. | 「パパを思って(I Miss You (Robyn's Song))」(アンディ・マカフィー) |
| 7. | 「スターに乾杯(I've Done It All)」(リップ・テイラー、ハワード・モリス) |
| 8. | 「トムとジェリーのテーマ(メイン・タイトル)(Theme from Tom and Jerry (Main title))」 |
| 9. | 「ホームレス(Homeless)」 |
| 10. | 「ロビンとの出会い(We Meet Robyn)」 |
| 11. | 「食い物争奪ポルカ(Food Fight Polka)」 |
| 12. | 「トムとジェリー、アップルチーク博士のもとへ(Meet Dr. Applecheek)」 |
| 13. | 「ロビンたちを追え!(Chase)」 |
| 14. | 「炎の中からの脱出(Escape From The Fire)」 |
| 15. | 「フィナーレ(Finale (Friends to the End))」 |
| 16. | 「トムとジェリーのテーマ(ポップ・バァージョン)(Theme from Tom and Jerry (Pop version))」 |