トリスタンは2010年にアメリカ合衆国モンタナ州カーター郡で下部ヘルクリーク累層から発見された。化石ハンターのクレイグ・プフィスターは地面から突き出た骨盤の一部を発見した[1][4][6]。しかしプフィスターは発見直後に足首を骨折し翌年には肩を痛めるなど災難に見舞われ[1]、発掘と準備には4年を要した[6]。
後にこの標本はオランダ人銀行家のニールズ・ニールセンが買い取り[7]、彼と友人のイェンス・イェンセンが息子たちにちなんで2014年に標本をトリスタン・オットー(略してトリスタン)と命名した[8]。彼らはトリスタンの学術研究ができるよう、また一般人が観覧できるよう、研究・研究のためドイツのベルリンに位置するフンボルト博物館に寄贈した[7][9]。
トリスタンは2015年7月にフンボルト博物館に送られ、到着直後に研究が開始された。例えば頭骨の保存が良いことを利用して高解像度のCTスキャンや画像測定技術により頭骨の3Dモデルが作成された[9]。同館では2015年から2020年までフンボルト博物館で常設展示され[6]、ヨーロッパツアーでは頭骨のレプリカがワルシャワ(ポーランド)、チューリッヒ(スイス)、マドリード(スペイン)などで展示された[9]。
2020年から1年間デンマーク自然史博物館(英語版)に移された後、2021年にフンボルト博物館に戻されることが予定されている[10][9]。ヨーロッパ中の博物館にはティラノサウルスのレプリカや部位が所蔵されているものの、常設展に展示されている実骨の骨格としては、トリスタンはわずか2体のうちの1体である[注 3][4]。