ニリンソウ

キンポウゲ科の多年草 From Wikipedia, the free encyclopedia

ニリンソウ(二輪草[6]学名: Anemone flaccida、近年の分類では Anemonastrum flaccidum[5])は、キンポウゲ科イチリンソウ属多年草。春山を代表する花のひとつ。主に山地の林床などに群落をつくって生え、春の若葉は山菜に利用される。

概要 ニリンソウ, 分類 ...
ニリンソウ
二輪のニリンソウ
二輪のニリンソウ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : モクレン亜綱 Magnoliidae
: キンポウゲ目 Ranunculales
: キンポウゲ科 Ranunculaceae
: イチリンソウ属 Anemone
: ニリンソウ A. flaccida
学名
Anemone flaccida
F.Schmidt (1868)[1]
シノニム
和名
ニリンソウ
英名
wind flower
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名称

多くは1本の茎から特徴的に花が2輪ずつ寄り添って咲く姿から、「二輪草」の和名の由来となっている[7][8]。別名で、フクベラ[9][6][8]、コモチバナ[6][8]、コモチグサ[6][8]、ガショウソウ[9]、ソバナ[6]、プクサキナ[8]、フクベナ[6]、ヤマソバ[8]ともよばれる。

分布と生育環境

東アジア樺太朝鮮中国北部・東北地方、ウスリー地方、日本)に分布する[9]。日本では北海道本州四国九州に分布し、主に湿潤な山裾の雑木林の中や林縁、谷川沿いの半日陰地に自生して群落をつくる[6][8]基準標本はサハリンのもの[9]

形態・生態

多年草[8]。草丈は約20センチメートル (cm) になる[10]。根茎は黒色の細長い塊で、ひげ根がある[10]根茎で増えるため、群落を作ることが多い。深く裂けた根生葉を持つ。の頂部に葉(総苞葉)が茎を囲むように3枚つき[10][11]サンリンソウのような柄はない。葉身は5角状で3 - 5裂して深い切れ込みがあり、多くは表面に白い斑点がある[8]

花期は3 - 5月ごろで、総苞葉の中心からふつう2本の花茎を伸ばして、白い萼片を持つ直径約2 cmのを2輪つけるが[10]、しばしば1輪や3輪咲かせるものもある[7][8]。結実すると地上部は枯れて春まで休眠する[8]

根系はくびれがあるワサビ状の根茎を生じ、ここから不定根が伸びるものである。根茎の地上部側には根出葉が見られる。不定根も根茎全体的には出るが、余りにも古い部分では消失しており、地上部側の新しい部分に多い。根茎のくびれは年一回形成されるため、くびれの数を数えることで個体の生存年数を推測できる[12]

利用

有毒植物が多いキンポウゲ科の中で食べることができる数少ない種のひとつで、若葉は山菜として食用される[10]。さっぱりした淡泊な味わいと、シャキシャキした歯触りのよさが身上とされる[6][8]。根茎は「地烏(ジウ)」とよばれ、漢方薬として用いられる。

食用となる部分は、葉、茎、つぼみ、花など地上部すべてが利用でき、採取時期は暖地で3 - 4月、寒冷地で4 - 5月ごろが適期とされる[10][8]アイヌ達は冬季の重要な備蓄食料として、5月から6月に採集し利用していた[13]。猛毒のトリカブトと同じようなところに生えるため、採取する際は花を確認しながら1本ずつ間引くように採取される[8]

山菜としては灰汁は弱いほうであるが、食べるときは軽く茹でて十分に水にさらしてから、お浸し和え物煮浸し、汁の実などにする[6][8]。茹でて下ごしらえしたものは、塩漬けにして保存できる[10]。花はさっと熱湯にくぐらせて、酢の物寒天寄せ、椀だねなどにする[8]。淡泊な味わいであるが、食べ過ぎないように注意喚起されている[8]。ニリンソウ自体にも有毒成分は含まれており、煮沸して食用にしているために、有毒成分は抜けている(とされている)[注 1]。ニリンソウを煮沸せずに口にすると、下腹部痛がすることがある。

なお、同じキンポウゲ科の仲間でも、イチリンソウサンリンソウは食用にならない[11]

似ている有毒植物

ニリンソウの葉、左上の細い葉はトリカブト

一方で、花がついていない若葉のころは、猛毒をもつトリカブトウマノアシガタ(いずれもキンポウゲ科)の若葉に酷似していることから十分な注意が必要である[10][11]。例えば2009年、2012年には間違えてトリカブトを口にし、死に至った事例が日本で報告されている[14]

ニリンソウとトリカブトは同じところに混生していることが多く、葉の厚さや切れ込み方に違いはあるが、葉で見わけるのは素人には無理と評されるほどよく似ており[6]、採取する際に誤認を防ぐためには蕾や花を確認してからが望ましいとの意見がいわれている[6][11][13]。ニリンソウは春に白い花をつけるのに対し、トリカブトは夏から秋に兜のような形をした青紫色の花をつける[6]

下位分類

  • ウスベニニリンソウ Anemone flaccida F.Schmidt f. rosea Hayashi
  • ギンサカズキイチゲ Anemone flaccida F.Schmidt f. semiplena (Makino) Okuyama
  • ミドリニリンソウ Anemone flaccida F.Schmidt f. viridis Tatew.
  • オトメイチゲ Anemone flaccida F.Schmidt var. tagawae (Ohwi) Honda

地方公共団体の花

種の保全状況評価

日本の各都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[16]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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