ノースボルト
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2016年、アメリカ合衆国の電気自動車メーカーであるテスラで調達担当を務めたピーター・カールソンが創業。スウェーデンのヴェステロース市内に本社を構えた。 2010年代、経済安全保障の観点から二次電池の生産規模を拡大し続ける中国に対抗しうる、欧州域内の電池メーカーを育てたいとする欧州の経済界の意向[1]にも合致し、発足当初からヨーロッパ発の自動車向け電池のスタートアップ企業として、大きな注目と期待を集めた。株主リストにはドイツの自動車メーカー大手のフォルクスワーゲンやBMW、アメリカ金融大手のブラックロックやゴールドマン・サックス、スウェーデンとデンマークの年金基金など大企業や政府系機関が名を連ね、同社の工場がまだ建設中の段階で、ヨーロッパの複数の自動車メーカーから車載電池の大型受注の獲得に成功した[2]。
しかし、発足当初から会社側には電池製造のノウハウや技術的優位性は全く無く、中国に依存しない体制を作りたいとする株主らの意向をよそに、電池の主要製造装置などのほとんどを中国企業から調達。シェレフテオに作られた大規模工場(ギガファクトリー)の生産ラインの稼働も中国人技術者なしでは成り立たず、工場における電池の生産量は計画に遠く及ばない数に低迷した[3]。2024年6月には、BMWとの間で結ばれた20億ユーロ規模の電池供給契約を失い資金繰りにも行き詰まった[4]。
同年11月にはアメリカで連邦破産法11条の適用申請を行い事実上倒産。スウェーデン政府からの補助金や新たな投資家からの資金調達も模索したが、いずれも話はまとまらずに2025年3月にはスウェーデン国内でも破産を申請[5]。スウェーデン国内の企業破綻としては過去最大級となり、5000人以上の従業員も順次解雇された[6][7]。
その後、アメリカでリチウム硫黄電池の製造を手がけるライテン(Lyten)社が、旧ノースボルトの施設群を買収。2026年3月までに電池製造を支えるインフラと建物、電池研究開発センターなどを取得した[8]。
脚注
- ↑ “ノースボルト、破産法申請 EUの電池「国策」が挫折”. NIKKEI Mobility (2024年11月25日). 2025年7月10日閲覧。
- ↑ “欧州新興電池「ノースボルト」が破産申請の背景 自主再建を模索も、顧客や投資家の信用戻らず”. 東洋経済オンライン (2025年3月31日). 2025年7月10日閲覧。
- ↑ “ノースボルト破産の真相:欧州電池産業の雄が倒れた真因”. https://brightinnovation.jp/carbon/3580/+(2025年6月20日).+2025年7月10日閲覧。
- ↑ “ノースボルト破綻で遠のく中国勢、狂った欧州の電池戦略”. ロイター (2024年11月25日). 2025年7月10日閲覧。
- ↑ “スウェーデン EV向けバッテリーメーカー 自国でも破産申請”. NHK (2025年3月13日). 2025年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年7月10日閲覧。
- ↑ “新興電池ノースボルト、6月末で生産停止-現時点で買い手現れず”. ブルームバーグ (2025年5月22日). 2025年7月10日閲覧。
- ↑ “車載電池ノースボルト、スウェーデンでも破産申請 欧州自動車業界に打撃”. ロイター (2025年3月12日). 2025年7月10日閲覧。
- ↑ “米Lyten、ノースボルトのスウェーデン拠点を買収完了…16GWhの電池製造能力を獲得”. レスポンス (2026年3月3日). 2026年3月17日閲覧。
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