ハヤテベンチャーズ静岡
日本プロ野球のウエスタン・リーグへ参加するチーム
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概要
日本野球機構(NPB)によるファームリーグへの参加承認を受け、2024年からリーグ戦に参加している[注釈 1]。ファームリーグへの新規参加は2005年の東北楽天ゴールデンイーグルス以来、ファームのみの参加では1950年の山陽クラウンズ(1952年解散)以来となる。また、静岡県からのプロ野球新規参入は独立リーグを含めて初めてである[注釈 2]。
運営母体は東京都中央区に本社を置くハヤテグループで、運営法人の名称「ハヤテ223」は同社の「ハヤテ」と富士山に由来する[2]。
本拠地は清水区の静岡市清水庵原球場(ちゅ〜るスタジアム清水)で、他に静岡草薙球場・浜松球場[注釈 3]・静岡県営愛鷹球場でも主催公式戦を行う[4]。
略記は「ハヤテ」または「ハ」。アルファベットは「V」が使用される[5]。
歴史
ファーム新球団への内定
NPBのファームリーグ(イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ)は、2005年にウエスタンの近鉄が消滅しイースタンに楽天が加入したことで、両リーグのチーム数が奇数となり、試合日程が非効率なものとなっていた。
このためNPBは、2024年度から二軍戦のみへの参加を条件とした新規参加チームの公募を行った[6]。ハヤテグループは、同社を運営母体として静岡県を本拠地に新球団結成を目指す方針を固め、2023年4月に静岡市で社長の杉原行洋と、静岡市長の田辺信宏との間で包括連携協定書を締結した。同年7月28日には、静岡県を含めた3者による連携協定を結び、行政との協力関係を構築した[7]。
その後、同年9月に新潟アルビレックス・ベースボール・クラブとともに新規参加球団としてオーナー会議で内定を受けた[2]。
当初はイースタン・リーグへの参加を希望していたが、地域バランスを考慮したうえでウエスタン・リーグへの参加とすることをNPBから勧告され、これに同意しウエスタン・リーグへの所属となった[8]。このため、ウエスタン・リーグではこれまでの中日ドラゴンズに代わり、最も東に本拠地を置く球団となった[注釈 4]。
球団発足に向けての準備と参入正式決定
球団結成に向け、首脳陣はプロ野球経験者とする方向で調整を行うとされており[2]、代表付きGMに山下大輔、監督に赤堀元之が就任することを10月27日に[9]、その他の首脳陣も12月20日に発表した。
選手獲得にあたってはドラフト会議に参加できないことから独自のトライアウトを実施するほか、他球団を自由契約となった選手や外国人選手も獲得し、45選手程度でチームを構成する予定とされた[2]。11月3日・4日に、本拠地の清水庵原球場にて初のトライアウトを実施[10]。12月7日には初めて新入団選手[11]を発表した[12]。
清水庵原球場に対しても、防球ネット・フェンスの改良や命名権の募集を行い、NPB側が提示したプロ野球仕様への球場改修やスポンサーの確保といった条件に対応した[13][14]。
これらの準備状況が評価され、11月のオーナー会議で参加が正式に決定した[15]。
初年度の動き
2024年1月11日に合同練習を開始し、チームとしての活動をスタート[16]。1月16日には、ベンチャー企業のくふうカンパニー(現:くふうカンパニーホールディングス)との資本提携による「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の球団名が発表された[17]。1月24日にスタッフ・トレーナーの入団、ユニフォーム[18]を発表した[19]。
1月30日にウエスタン・リーグの全日程が発表され、公式試合初戦の3月15日に、ちゅ~るスタジアムでオリックス・バファローズと対戦することとなった。また、開幕に先立って春季教育リーグにも参加し、3月1日にナゴヤ球場にて中日ドラゴンズと対戦するのが初戦となった[20]。なお、2月23日(富士山の日)にちゅ~るスタジアムで、同じくイースタン・リーグ新規参入球団のオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブを招き、球団史上初の対外試合を開催すると発表があった[21]が、雨天中止となった。
2月24日、投手陣の不足のため、募集を投手のみに絞った投手トライアウトを追加実施し[22]、3月1日に2人の追加入団選手を発表した[23]。
ウエスタン・リーグでは、開幕から未勝利(6敗1分)で迎えた3月22日の対阪神タイガース戦において2-0で完封勝利を収め、チームの公式戦初勝利を記録した[24]。シーズン途中の7月17日には、読売ジャイアンツの育成選手である木下幹也の派遣受け入れを発表した[25]。オイシックスを含め、参加球団へは初めての選手派遣であった。
初年度のシーズン最終成績は28勝84敗8分の勝率.250で6位(最下位)だったが、主催試合の観客動員は1試合平均で866人となり、球団が想定していた700人を突破した[26]。
シーズン終了間際に西濱勇星が東京ヤクルトスワローズへ移籍することが発表され[27][28]、オイシックスを含めた参加球団から初めてのNPB移籍(復帰)となった[29]。10月24日のNPBドラフト会議では早川太貴が阪神タイガースから育成3巡目での指名を受け、参加1年目からドラフト指名獲得を達成した[30]。このほかNPB移籍はならなかったが、増田将馬が最多盗塁の個人タイトルを獲得した[31]。
2年目以降
2024年オフにユニフォームをリニューアル。同年は「全員一丸となって球団に貢献するコンセプト」として背ネームが入っていなかった[32]が、2025年から背ネームが入るようになった[33]。
2025年は前年に続き6位に終わったものの、勝率は.289まで上げた[34]。オフにコーチ全員の退団が発表され、監督以外の指導者が一時不在となった[35]が、これはスタッフとしての12球団への移籍を後押しした結果であるとしている[36]。
同年11月29日には契約の不履行[注釈 5]を理由にくふうカンパニーホールディングスが命名権契約の解除を通知した[37]が、球団側は権利料が支払われていないとして反論・抗議していた[37]。最終的に翌2026年1月、同年からのチーム名について「くふう」を外した「ハヤテベンチャーズ静岡」とすること[38]と、2月に球団のネーミングライツを含む資本業務提携契約書について双方円満に合意解除したことが発表された[39]。
2026年シーズンよりファームリーグが再編され、14球団が一つのリーグとなり、東地区・中地区・西地区に分けられ、当球団はDeNA・巨人・西武・中日とともに中地区に振り分けられた。東・西地区の球団とは引き続き交流戦として対戦することになるが、すべて当球団のホームゲームとなっていた前年までの交流戦とは異なり、相手側の球場に遠征するケースもある。ほかに、これまで練習試合のみの対戦だったオイシックスとの試合も公式戦で組まれている。
選手のNPB移籍制度
ファーム参加球団であるハヤテおよびオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブについては、プロ野球ドラフト会議への参加が認められていない。一方で、両球団に所属する選手がNPB球団へ移籍する場合、外国人選手およびドラフト指名を受けたことがある日本人選手は(支配下登録期限である7月31日までであれば)時期を問わず移籍が可能。一方でNPB経験のない日本人選手については、ドラフト会議で指名を受ける必要がある[40][41]。
