ハード・テクニック

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監督 ランス・ヤング
脚本 ランス・ヤング
製作 アリン・スチュワート
リサ・タワーズ
製作総指揮 マシュー・オコナー
ハード・テクニック
BLISS
監督 ランス・ヤング
脚本 ランス・ヤング
製作 アリン・スチュワート
リサ・タワーズ
製作総指揮 マシュー・オコナー
出演者 シェリル・リー
クレイグ・シェイファー
テレンス・スタンプ
ケイシー・シーマツコ
スポルディング・グレイ英語版
音楽 ジャン・A・P・カチュマレック英語版
撮影 マイク・モロイ
編集 アラン・リー英語版
製作会社 トライアンフ・フィルム英語版
パシフィック・モーション・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 トライアンフ・リリーシング
日本の旗 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(VHS)
公開 アメリカ合衆国の旗 1997年6月6日
イギリスの旗 1998年1月6日
日本の旗 1998年1月21日(VHS)
上映時間 103分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $294,064[1][2]
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ハード・テクニック』(原題:BLISS)は1997年アメリカ映画

リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)の主役で知られるクレイグ・シェイファーと、『ツイン・ピークス』(1990-1991)のローラ・パーマー役で一躍有名になったシェリル・リーによる官能ドラマ。セックス・カウンセラー役としてイギリスの名優テレンス・スタンプが共演している。

本作は性生活に悩みを抱える新婚夫婦を中心に展開し、タントラセックス英語版[注 1]の教えを作中に採り入れている。映画の完成後、全米映画配給協会レイティング審査で、成人向けか否かの判断を巡って審査委員会と製作側の衝突があり、配給会社を巻き込んでの論争が続き、劇場公開まで1年間も時間を要した(詳細は#レイティングを巡る論争を参照)。

日本ではビデオスルーにつき劇場未公開。ビデオリリース時のキャッチコピーは「愛情だけで、女は絶頂イカない

ストーリー

新婚6ヵ月のマリアジョセフは、セックスで子作りをするにあたって、結婚カウンセラーのアルフレッドに相談に行っていた。そこでマリアは今まで1度もオーガズムに達したことがなく、彼のためイッてるふりを続けていたと打ち明け、ジョセフは彼女が不感症を隠していたことにショックを受ける。建築家のジョセフは工事現場を視察に行った時、作業員がセオドライト(計測用の望遠鏡)で覗き見している向かいのビルの話を聞く。複数の女性が次々と白髪の男性の部屋を訪れてセックスをし、絶頂に導かれているというのだ。しかもジョセフはマリアもそこへ通っていることを知る。そのバルタザールという男は、自分の患者をセックスで治療する、違法スレスレのセックス・セラピストだとアルフレッドから聞いた。怒りに任せてバルタザールのオフィスへ向かうジョセフだったが、彼が話す女性を悦ばせるテクニックに興味が湧き、教えを乞うことにする。

バルタザールはオーガズムと射精は別であるとして、まず持続力を高めろと指導してきた。男性は射精によって急速にパワーを失うため、それを我慢することで何度でも快感を味わえるというわけだ。ジョセフは彼から色々な呼吸法を学び、マスターベーションで“イかないこと”の訓練をする。急にヒンドゥー教チャクラの専門書を読むようになった夫を奇妙に思うマリアは、彼が自分に内緒でバルタザールから特訓を受けていることを知り一計を企んだ。ベッドに縛り付けた全裸のジョセフを舌と唇で愛撫し、騎乗位のマリアは勃起した物を握って中に導く。彼女の腰使いにジョセフは“もう出ちゃいそうだ、強くしないでくれ”と何度も懇願するが、マリアは意地悪をしてピストン運動を早めた。我慢の限界に達したジョセフは叫び声と共に遂に爆発し、堰を切ったようにマリアの中へ精液を噴出する。耐え続けたジョセフは声をあげながら膣内での射精が収まらず、「気持ち良かった?」と尋ねるマリアに返事すら出来なかった。

Gスポット愛撫や優しいタッチなどの性技を経て、ようやくジョセフはセックスでマリアを絶頂に至らしめる。快感に漂っていたマリアはベッドで過呼吸の発作を起こし、窒息状態に陥って救急搬送された。ジョセフが医師の説明を受ける場に同席したアルフレッドとバルタザールは、彼女が以前から神経性のストレス症状にあったと見解を一致させ、バルタザールはマリアの潜在意識下に性的虐待を受けた記憶があったと指摘する。バルタザールは彼女の快感が抑制されているのはトラウマが原因だろうと気づいており、治るためには過去を思い出す必要があると考えていた。児童虐待で最も多いのはオーラルセックスで、マリアは父親にフェラチオをしていた頃の記憶がフラッシュバックしたのだ。マリアの容態は回復するものの、なぜかジョセフを避けるようになり別居を申し出てきた。悩んだ末に安アパートに移ったジョセフは、バルタザールからの電話で、マリアが参加しているグループセラピーの集まりに顔を出せと言われる。

辛い過去を持つ人たちが輪になった席で、マリアは自分の少女時代を語り始める。父は幼い娘の性器にキスをする変わった男で、母が留守の日、「秘密だよ」と言って5歳の娘のに挿入してきた。マリアは思春期を迎える頃まで父のペニスを好んでしゃぶり、男根で突かれる度に気持ち良さで絶頂に達した。それが“普通”だと教えられたためだ。生理が訪れた頃に抱いてくれなくなった父のことも彼女は愛し続け、父の理想の女になろうと努力してきた。ジョセフとのセックスで真のオーガズムを得た時、父から与えられていた気持ち良さが甦り、近親相姦を続けていた父の姿が夫と重なって、急に恐怖感が込み上げてきた。親子のセックスでオーガズムを覚えた過去の自分を恥じているが、今はその苦しみと向き合って克服しなければならない。ジョセフを愛しているけど今は凄く怖く、立ち直るために1人の時間が欲しいと泣きながらマリアは訴えた。大人から虐待を受けた者の多くは心を閉ざして生きて行くものだが、それを夫に打ち明けたマリアは勇敢だとバルタザールは語り、現実から逃げずに人を愛せと優しくジョセフに諭す。彼に励まされたジョセフは「きっとマリアは生まれ変われる」とつぶやき、希望を抱いた。

キャスト

スタッフ

製作

シェリル・リー (1990年)

シェリル・リーは『ツイン・ピークス』に出演したことで多くの人から注目されるようになり、順調なキャリアを積んだが、ローラ・パーマーの役があまりにも強いイメージとなってしまった。「『ツイン・ピークス』はとても素晴らしいシリーズでした。でも私が“死んだ女性”として知られるのはちょっと変な感じです。人々が街中で私を認識した時、まるで幽霊でも見ているかのような目で見ていたんです」とリーは言い、『ツイン・ピークス』のあまりの影響の大きさに「仕事がなかなか手に付かなかった時期もありました」と話している。自分を見つめ直し、ヌードになる仕事も請けようと思い、『ハード・テクニック』もそうした中の1本だという[6][7]

リーは長年ヨガを学んでいたことから、タントラセックスについて聞いてはいたが、独身者にはハードルが高いと考えていた。しかしこの映画で演じる役のリサーチとして、タントラセックスのワークショップに参加してみた。75人ほどが参加しているそのワークショップの会員はほとんどがカップルだったため、リーも以前、性関係を持っていた男友達を誘って加わった。とても心地良く感じて、自分の人生に大きな影響を与えたと思うとリーは話している[6]

この脚本の中に込められている性被害のテーマについても、主演の2人は目を見張った。クレイグ・シェイファーは「ほとんどの女性がこうした体験をしたことがあると思います。たとえ親戚のおじさんが、ちょっと変な触り方をしたというだけのケースでもね」と話し、リーは「児童虐待でもデートレイプでも、これを経験した女性はとても多いです。世の中には性の違反行為がたくさんありますから」と語った[7]

レイティングを巡る論争

この映画は作中に散りばめられた膨大なエロティック描写と強めの性的な台詞により、公開前から論争を巻き起こした。1997年1月22日の『バラエティ』誌では、大幅なカットと編集を行なわない限り、全米映画協会MPAAは『ハード・テクニック』をNC-17(成人指定)に区分するだろうと報道した[8]。脚本と監督を兼任したランス・ヤングは「真正面からの全裸シーンも性器のアップもなく、陰茎で強く突き上げてもいない。大人のセックスを語る作品ですから、2人が愛し合う描写と乳房が見えるカットはあります。だが配給会社は、こうした描写の積み重ねが映画全体の印象を悪くしていると言ってきています」と語った。MPAAの審査官はオナニーとGスポットに関する内容に頭を痛めていると伝えられ、翌週に予定されている配給元と審査委員会の会合で、配給担当のトライアンフ社は大幅なカットを製作側に求めるか、強硬な姿勢で製作陣とMPAAの仲裁に入るかのどちらかになる。ヤングは脚本が高く評価されているにも関わらず、台詞と性描写の変更で5回も改稿を重ねたと話し、「これは視覚的にも言語的にも挑発さを備えた、性の親密さを描く作品です。しかし人生を肯定する前向きなドラマでもあり、セックスの話題も恥じることなく語っています」と作品の内容を訴えた[8]

映画公開後の1997年6月8日、『ロサンゼルス・タイムズ』では、ランス・ヤングが約1年にわたってMPAAとの論争に時間を費やしたという記事を掲載した。ランスはMPAAの審査委員会に11回も編集の異なるバージョンを提出したが、委員会はその都度、成人向けの内容だとしてNC-17の評価を下した。製作会社のトライアンフ・フィルムはソニー傘下のスタジオだったが、ソニーを始めとするほとんどの大手スタジオはNC-17の映画を劇場公開したがらないため、これがデビュー作になるヤングにとっては深刻な問題だったのだ[9]。しかしソニーが本作から2つのラブシーンをカットするための編集者を雇ったことで、MPAAは態度を軟化させてR指定を与えた。ヤングはこのカットと編集が映画の芸術性を損なうと訴えたが、ソニーはトライアンフが閉鎖に近づいているスタジオであることを理由にコメントを控えた。MPAA広報担当の女性バーバラ・ディクソンは、本件に関するレイティングの決定について、審査委員会は公にコメントを発表しないと話した。しかし彼女は4月に、『ハード・ターゲット』が「性的な台詞を含む露骨な性描写」を理由にR指定で公開することを語っている[9]。なお、1998年1月にイギリスで公開された時には、英国の映像審査機構BBFCにより、18歳未満の鑑賞を禁ずる成人向けの「18」に指定された[10]

この一連のレイティングに関する揉めごとについて、主演のクレイグ・シェイファーは「好奇心から観に行く人もいるだろうし、その後の口コミで映画の評判が広まれば良いと思う。この映画が単にセックス以上の重要なものを描いていることに人々が気付いてくれることを願っています」と話した。シェリル・リーはMPAAと製作陣の長きにわたる論争を「全体的に見て、悲しく無駄なエネルギーの浪費だと思う」と言いつつも、「ようやくR指定になって公開が決まったのは素直に嬉しいことです。大切なことに焦点を当ててくれたこの映画を、とても誇りに思っています。おそらくセックスとオーガズムの関連性を真正面から扱った、初めての映画になるでしょう」と公開にあたって喜びのコメントを出した[7]

評価

脚注

外部リンク

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