バテシバの水浴 (リッチ)
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| ドイツ語: Bathseba im Bade 英語: Bathsheba at Her Bath | |
| 作者 | セバスティアーノ・リッチ |
|---|---|
| 製作年 | 1725年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 111.8 cm × 144.3 cm (44.0 in × 56.8 in) |
| 所蔵 | ベルリン、絵画館 |
『バテシバの水浴』(バテシバのすいよく、独: Bathseba im Bade、英: Bathsheba at Her Bath)は、17 - 18世紀のイタリアの画家セバスティアーノ・リッチが画業後期の1725年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。プロイセン王フリードリヒ2世がパオロ・ヴェロネーゼに帰属された作品として1764-1773年の間にポツダムのサン・スーシ宮殿のために購入した[1]。作者がセバスティアーノ・リッチであることは20世紀になってようやく特定された[1]。作品は現在、ベルリン絵画館に所蔵されている[1][2][3]。
この絵画の題名は1830-1921年の目録では『浴後』とされ、1931年の目録では『ヴィーナスの化粧』とされていた[1]。しかし、実際には、『旧約聖書』中の「サムエル記下」(11-12章) に述べられているバテシバとダヴィデの物語を主題としている[3][4]。
英雄となったイスラエルの王ダヴィデは、ある日、彼の軍隊の勇士ウリヤの妻バテシバが水浴しているところを見る[4]。ダヴィデは通常、背景の宮殿の窓からバテシバを眺める姿で表されるが、本作に彼は登場していない。代わりに画面左端奥の召使が王からバテシバに宛てた手紙を携えていることで、絵画の主題が特定化されている[1][2][3]。王はバテシバを呼び出し、彼女と関係を持った後、彼女を妊娠させてしまう。そのことがウリヤに発覚するのを恐れたダヴィデはウリヤを戦場の最前線に送り出し、彼が戦死すると、バテシバを自身の妻とするが、後に神の罰を受けることとなる[4]。
作品
このリッチの絵画において、主題はもはや重要ではない[3]。ダヴィデ王がバテシバを誘惑した罪には罰が与えられるという教訓は、女性の身体美へのオマージュに完全に取って代わられている。17-18世紀のイタリア絵画において、スザンナ、ルクレティア、クレオパトラといった『旧約聖書』や古代ローマ史に登場する女性たちは同様に女性美を表す存在として解釈され、互いに似てすらいる[1]。

本作の場面は、16世紀ヴェネツィア派の巨匠パオロ・ヴェロネーゼがしばしば作品の背景に用いたルネサンス時代のヴェネツィアのヴィラに設定されている。リッチは、人物像、衣服、白、黄、青、赤色にもとづく祝祭的な明るい色彩などの点でもヴェロネーゼに倣っている[1]。実際、画面に見られる洗練された形態と色彩は、16世紀黄金時代のヴェネツィア派絵画を想起させる。リッチの様式は、ルカ・ジョルダーノの躍動感あるバロック様式とジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの優雅なロココ様式を橋渡しするものでもある[2]。
なお、ブダペスト国立西洋美術館には、本作とは構図の異なるリッチの『バテシバの水浴』[5]が所蔵されている。また、本作には2点の複製が知られ、少なくともそのうちの1点はリッチ自身の手になる[1]。