パロクトプス属
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Paroctopus Naef, 1923 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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パロクトプス属[1](パロクトプスぞく、Paroctopus)は、マダコ科の属の1つである[2][3]。南北アメリカ大陸沿岸に生息する「大卵性」で小型のタコを含む[2][4]。
分類には混乱があり、かつてはミズダコがこの属 Paroctopus に分類されたため、「ミズダコ属」と呼ばれたこともある[5]。しかし、ミズダコはパロクトプス属のタイプ種 Paroctopus digueti とは遠縁であり、現在はミズダコ属 Enteroctopus とされる。
体サイズは小さく、外套膜は短くて幅広い袋状である[2][3]。生時の体色は単一で、パターンの多様性は低い[2][3]。外套背面と最も長い腕の基部には白点はなく、外套前面には白点群が分布するが、薄い[2][3]。体表には網目紋や溝を持たず、大きな肉疣や眼状棘も欠く[2][3]。
スタイレットは現存するが、石灰の沈着はない[2][3]。漏斗器はW字型[6][注釈 1]。鰓は半鰓当たり6–8枚の鰓葉を持つ[2][3]。
腕は頑丈で、長さは短い、または中程度で、外套長の(2–)3–4倍である[2][3]。雄は各腕に1–3個の肥大した吸盤を持つ[2][3]。右第3腕は交接腕化し、対腕より短くなる[3]。交接腕の舌状片のサイズは中程度で、円錐体は短い[2][3]。
輸卵管腺は明瞭な室(braiding chambers)に分かれない[2][3]。卵は全長 42–90 mm(ミリメートル)と大型である[2][注釈 2]。卵の柄は非常に短く、二枚貝や腹足類の貝殻に産卵され、1ヶ所で小さな塊状となって付着する[2][3]。
分布
分類学的位置
分類史
本属は Octopus digueti Perrier & Rochebrune, 1894 (=Paroctopus digueti) をタイプとして、Naef (1923) により設立された[10]。これはタイプ種である P. digueti の卵嚢長が10 mm と比較的大きく、地中海によく見られるマダコ属のものとは異なっていたことから区別され、提唱された[10]。2年後、Grimpe (1925) が卵の単一の位置に付着することから、同じタイプ種に基づき Pseudoctopus 属を設立した(新参異名)[3][10]。Naef は1928年に理由を述べずに Paroctopus を無効と判断し、廃棄した[3]。
Robson (1929) はモノグラフで、この属を有効名として扱ったが、原記載の卵サイズのみに基づく定義だけでは不十分だと判断し、以下のようないくつかの新たな形質を追加した判別文を用いた[3]。
- 比較的長い交接腕の舌状片を持つこと
- 短い腕
- ずんぐりした袋状の胴
そしてバンクーバー島のミズダコ Paroctopus apollyon[11]や日本の大卵性の種(アマダコ P. hongkongensis[12]、ヤナギダコ P. conispadiceus[13]、エンドウダコ P. yendoi[14])をパロクトプス属に含めた[15][16]。ただし、アマダコは卵についての情報ではなく、P. apollyon に類似しているという理由で含められた[10]。
続いて、ピックフォードは初め、この属の有効性を認め[3]、Pickford (1945)、Pickford (1946) においてメキシコマメダコ Paroctopus joubini とともに、ウデブトダコ Octopus briareus を Paroctopus briareus としてパロクトプス属に含めた[16]。そして Octopus mercatoris (=Paroctopus mercatoris) は Paroctopus joubini のシノニムであると考えた[17]。しかし Pickford & McConnaughey (1949) において、大卵性のカリフォルニアツースポットダコ Octopus bimaculoides の系統を議論するうえで、卵の大きさは系統を反映しないと考え Paroctopus を廃した[3][18]。
Norman et al. (2016) では、Berry (1953) などを参照し、Paroctopus digueti と Paroctopus mercatoris および Paroctopus "joubini"[注釈 3]のみをパロクトプス属として扱った[3]。
日本では Robson (1929) の立場を踏襲してミズダコやヤナギダコに近縁な種をパロクトプス属に置き[3]、ミズダコ属と呼んで扱ってきた[5]。Kaneko et al. (2011) により、アマダコやクモダコはミズダコ属 Enteroctopus に分類されたミズダコ Enteroctopus dofleini と近縁であることが明らかになったが[19]、タイプ種である Paroctopus digueti との関係は示されず、窪寺 (2013) などで依然として Paroctopus の学名が用いられた。また窪寺 (2017) などでは、Paroctopus はマダコ属の亜属として、ミズダコ種群を表すのに用いられている[20]。
Leite et al. (2021) では分子系統解析が行われ、P. digueti と P. mercatoris だけでなく、Paroctopus joubini などの種がパロクトプス属に含まれることが示されたほか、新種 Paroctopus cthulu の記載が行われた。
系統関係
Ibáñez et al. (2020) による分子系統樹を簡略化したものを示す[注釈 4]。Leite et al. (2021) ではやや異なる樹形が得られている[注釈 5]。
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