ピアノ五重奏曲 (シューマン)

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ピアノ五重奏曲(ピアノごじゅうそうきょく)変ホ長調作品44(独:Klavierquintett Es-Dur op.44)は、ロベルト・シューマンの代表的な室内楽作品である。ピアノ弦楽四重奏(2本のヴァイオリンヴィオラチェロ)のために書かれており、本作の編成は以降作曲されたピアノ五重奏曲のスタンダードとなった[1]

妻のクララ・シューマンは「力と初々しさのみなぎった作品」「きわめて華やかで効果的」と評し[2]、クララとの結婚で得られた幸福な生活を反映しているともされる[3]。豊かなイメージと確かな構想をあわせもち[4]、入念に構成されていながらも親しみやすい作品で、バッハから学んだ対位法も巧みに用いられている[1]

この作品は、『室内楽の年』として知られる[4]1842年の9月から10月にかけてのわずか数週間のうちに作曲された。試演や手直しを経て1843年9月に出版され、クララに献呈している[1]。ごく初期にピアノ四重奏曲ハ短調(1829年、未完)を手掛けたあと、あらためて1836年ごろから室内楽の分野に興味を持っていた[4]シューマンは、1840年の歌曲、1841年の管弦楽作品に続いてこのジャンルに集中し[5]、同年中に3曲の弦楽四重奏曲ピアノ四重奏曲なども作曲している[4]

初演は1843年1月8日、ライプツィヒにて行われ、クララ・シューマンがピアノを担当した[1]。日本初演は1907年12月14日、東京の奏楽堂にて。R.v.コイベル(ピアノ)、アウグスト・ユンケル、H.ハイドリッヒ(ヴァイオリン)、幸田延(ヴィオラ)、ハインリヒ・ヴェルクマイスター(チェロ)による[6][7]

形式

典型的な4楽章構成で書かれている。

  1. Allegro brillante 変ホ長調、2/2拍子、ソナタ形式。力強く輝かしい第1主題と柔らかく優雅な第2主題からなり、2つの主題が巧みに扱われていく[8]
  2. In modo d'una marcia. Un poco largamente ハ短調、2/2拍子。ロンド形式で、葬送行進曲風の楽章である[8]
  3. Scherzo: Molto vivace 変ホ長調、6/8拍子。スケルツォ。2つのトリオをもつ形で書いており、第1トリオの旋律は第1楽章の第2主題との関連がある[8]
  4. Allegro ma non troppo 変ホ長調、2/2拍子。自由なソナタ形式。ハ短調とト短調を行き来しながら始まり、結尾において、終楽章の主題ともに第1楽章の主題が壮麗なニ重フーガで組み合わされて全曲を統一する[9][8]

受容

シューマンの室内楽曲の中では演奏される機会は多く、人気も高い[1]。クララはこの作品を重要なレパートリーとし[4]、シューマンに批判的だったフリードリヒ・ヴィーク[10]ワーグナーも好意的に接している[2]

しかしかつてシューマンに室内楽曲の作曲を勧めた[4]リストは、この曲をシューマンの家で聴いたが全く気に入らなかったらしく、アカデミックすぎるとして「ライプツィヒ風」と批判している[11][12]。亡くなっていたメンデルスゾーンのことも批判したリストの発言にシューマンは憤慨して席を立ち、疎遠となった[11]が、のちに二人は和解している[13]

参考文献

関連文献

外部リンク

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