フェニアン
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フェニアン(Fenian)は、19世紀から20世紀にかけてアイルランドの独立と共和国樹立に傾注した友愛団体である、フェニアン団並びにアイルランド共和主義団(IRB)の隠語。1831年にアメリカ合衆国で設立されたアイルランド共和主義団体に対して、ケルト語学者のジョン・オマホニーが「フィアナ」(Fianna、アイルランド・スコットランド神話に見られる騎士団の意)にちなんで初めて用いた[1][2][3][4][5]。
今日でも使用されてはいるが、もっぱら北アイルランド及びスコットランドにおけるアイルランド民族主義の支持者を指す語となっている。また、カトリックを奉じるアイルランド人に対する蔑称としても用いられてきた[6][7]。こうした経緯があるため、19世紀のフェニアンに敬意を表しつつも、自らを「民族主義者」なり「共和主義者」と形容するアイルランド民族主義者は多い。
フェニアン主義
アイルランド
アメリカ合衆国
カナダ

カナダでも、急進的なアイルランド人から成るフェニアン団を指すのに用いられる。フェニアン団は、当時イギリスの自治領であった複数の州(オンタリオ州南部及びケベック州ミシスコイ郡[10])に数回侵入(1866年、1870年など)。目的はやはりカナダを人質に取り、イギリスにアイルランド独立を認めさせることにあった。襲撃事件により、カナダでアイルランド独立派を支持ないし協力する者は、アイルランド人の間でさえ極めて稀となる。
なお、1868年にアイルランド系カナダ人の政治家であるトマス・ダーシー・マクギー(1840年代はアイルランド同盟員であった)を暗殺したパトリック・J・フェランは、オタワで絞首刑に処せられた。
フェニアン襲撃によってもたらされた危機は、イギリスの北米植民地にカナダ同盟を通して現実のものとなった、集団的自衛権を考えさせる契機となる。
イギリス
現在の用法
北アイルランド
スコットランド

スコットランドでサッカーの試合が行われる場合、セルティックFCのサポーターに対して「フェニアン」の語が用いられることが多い[12]。というのも、セルティックFCはグラスゴーのカトリック系アイルランド人移民に起源を持っており、アイルランド民族主義と関係が深いためである。
しかし、ハイバーニアンFCやダンディー・ユナイテッドFCといった、スコットランドにある他のアイルランド系チームに対しては用いられない[13]。あくまでセルティックFCとグラスゴー・レンジャーズFCとの間の、オールドファームにおける競合関係に依拠していることに注意(グラスゴー・レンジャーズFCはプロテスタント系の長老派の支持が厚い)[14]。
オーストラリア
オーストラリア共和主義を党是に掲げるオーストラリア労働党員を表す侮蔑語として用いられる。マイケル・アトキンソン南オーストラリア州司法長官は、2006年10月にアデレードで開かれた労働党大会で、勅選弁護士などの廃止を望む同党員を「フェニアンやアカ共」と発言[15]。なお、アイルランド系のカトリック教徒は伝統的に労働党を支持しており、国内の君主政体に係る党の立場にも影響を与えてきたと言われている。
引用
- フェニアンはアイルランド政治における芸術家である。(リアム・オフラハーティ)
- 我々フェニアンが死に、アイルランドの墓に眠るならば、奴隷状態のアイルランドには決して平和が来ないであろう。(パトリック・ピアース)


