サルヴァトーレ・フェラガモ
イタリアの靴職人・靴デザイナー、および彼が1927年に設立したファッションブランド企業
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サルヴァトーレ・フェラガモ(フェッラガーモ、イタリア語: Salvatore Ferragamo、1898年6月5日 - 1960年8月7日)は、イタリアの靴職人、靴デザイナー。また、彼によって1927年に設立され、その家族によって展開されてきた高級ファッションブランド、および同ブランドを運営する企業。

創業当初より靴をメイン商品として展開するが、創業者の妻や子供たちの手によりプレタポルテ、バッグ、財布、香水などの分野にも進出し、現在ではトータルラグジュアリーメゾンとしての地位を確立している。
2022年、ブランドをよりモダンで洗練されたイメージに刷新するため、ブランド名をサルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)からフェラガモ(FERRAGAMO)に短縮し、創業者の筆跡を模った筆記体ロゴから、ルネサンスの芸術家にインスピレーションを与えた太古の石刻文字にインスパイアされた、よりシンプルなブロック体ロゴに変更した[1]。
人物



サルヴァトーレ・フェラガモは、イタリア南部カンパニア州アヴェッリーノ県ボニートで生まれた[2]。大家族で14人兄弟のうちの11番目だった。最初にサルヴァトーレが靴を作ったのは9歳の時で、教会の儀式に参加する妹の靴だったという。11歳の時、自宅で靴屋を開業、15歳でアメリカのカウボーイブーツの工場で働いていた兄弟の一人がいるボストンに渡る。その後カリフォルニアに移り、サンタバーバラで映画の衣装として靴を製作したり、ハリウッド俳優らを顧客にし「スターの靴職人」と名声を集める。また、足を痛めない靴を製作するため、南カリフォルニア大学で解剖学を修めた。1927年、13年間いたアメリカからイタリアに戻りフィレンツェで「サルヴァトーレ・フェラガモ」を開業。大恐慌の余波を受け1933年一度倒産するが、イランのソラヤー・エスファンディヤーリー・バフティヤーリー元王妃などの王侯、イギリスのウィンザー公爵夫人ウォリス・シンプソンやインドのマハラジャなどの貴族、エヴァ・ペロン等の有名人の顧客を獲得し復興した。
その他、顧客にはイングリッド・バーグマン、マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーン、ソフィア・ローレン、マレーネ・ディートリヒ、ジュディ・ガーランド、カルメン・ミランダ、キャサリン・ヘプバーン、グレタ・ガルボ、グロリア・スワンソン、メアリー・ピックフォード、リタ・ヘイワース、エヴァ・ガードナー、ゲイリー・クーパー、ローレン・バコール、ジーン・ティアニー、クローデット・コルベール、シルヴァーナ・マンガーノ、ポーレット・ゴダード、アンナ・マニャーニ、ヴィヴィアン・リー、ベティ・デイヴィス、ラナ・ターナーなど、多数のイタリアやハリウッドの映画俳優がいた。
1947年に発表され、革命的と言われた「見えない靴」、ウェッジ・ヒール、プラットフォーム・ソールなどを生み出し、数々の特許を取得した。
主な受賞歴
- ニーマン・マーカス賞(1947年)
ファッションブランドとして

1960年の創業者の死後も、妻ワンダや子供たちによる同族経営によってブランドは引き継がれ、「頭のてっぺんからつま先までフェラガモで装う」といったトータルファッションブランドへと躍進させたいという創業者の想いに応えるべく、妻ワンダによる総指揮のもと、1967年にはレディースのプレタポルテラインをスタートさせて次女ジョヴァンナが、1970年にはメンズのプレタポルテラインをスタートさせて次男レオナルドが、1971年にはスカーフとネクタイのラインをスタートさせて三女フルヴィアが、それぞれ中心となって発展させていき、それ以降世界でも有数のトータルラグジュアリーメゾンとして躍進を遂げた。
1970年代には、本社を置くスピーニ・フェローニ宮殿の門にあしらわれた鉄細工がインスピレーション源となり、イタリア語で「小さなフック」という意味を持つ、ギリシャ文字のΩに似た形状の飾り金具「ガンチーニ」(Gancini)がバッグに初めて採用され、現在ではブランドシグネチャーとして知られるようになっている[3]。さらに同年代後半には、長女フィアンマが快適さとエレガンスの両立を目指してデザインしたローヒールパンプス「ヴァラ」(Vara)が鮮烈なデビューを飾り、その象徴的なグログランリボンとゴールドプレートの意匠もまた、現在では「ガンチーニ」とともにフェラガモのアイコンとなっている。
近年ではフォーマルシーンで英国王室のキャサリン王妃がバッグを使用している姿や[4]、ウィリアム王子がネクタイを着用している姿[5]、スペイン王室のレティシア王妃がドレスを着用している姿や[6]、モナコ公室のシャルレーヌ公妃がサングラスを着用している姿[7]がキャッチされるなど、靴のみならずさまざまなアイテムが世界各国のロイヤル・ファミリーやセレブリティに男女問わず愛用されている。
ブランドイメージ
フェラガモが有するブランドイメージの中核となっているのは、家族経営や"メイド・イン・イタリー"へのこだわりと、伝統的な職人技、そして貴族の遺産とミッドセンチュリーハリウッドの魅力のバランスをとる、古き良きヨーロッパ(旧世界)やフィレンツェのルネサンス美学に深く根ざした、派手さよりも本質的な価値と品格を重視する、洗練された由緒ある富裕層のラグジュアリー・ファッションスタイル(オールドマネー・アエステティック)であるが、近年では前述したブランド名とロゴの変更などを通じて、若年層の取り込みやブランドイメージの拡張を図っており、古典的な遺産とより現代的な魅力を融合させようとしている。