フェリペ5世の家族 (ヴァン・ロー)
From Wikipedia, the free encyclopedia
| スペイン語: La familia de Felipe V 英語: The Family of Philip V | |
| 作者 | ルイ=ミシェル・ヴァン・ロー |
|---|---|
| 製作年 | 1743年 |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 408 cm × 520 cm (161 in × 200 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『フェリペ5世の家族』(フェリペごせいのかぞく、西: La familia de Felipe V、英: The Family of Philip V)は、18世紀フランスの画家ルイ=ミシェル・ヴァン・ローが1743年にキャンバス上に油彩で制作した集団肖像画である。スペイン王フェリペ5世とその家族を等身大で表している。王家の人々は、架空の部屋にフランスのバロックとロココの様式で描かれている[1]。作品はスペイン王室のコレクションに由来し[1]、現在、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[2]。プラド美術館には同じ題名の作品がほかにも2点あり、1点は1723年にジャン・ランが描いたもの[3]で、もう1点はヴァン・ローが1738年に描いた本作より小さなヴァージョンである。
ヴァン・ローは1701年にフランスのトゥーロンで生まれ、父親のジャン=バティスト・ヴァン・ローのもとで修業をした。ジャン=バティストは、サヴォイア=カリニャーノ家の庇護によりローマとトリノで絵画を制作した画家である。ヴァン・ローは、1737年にジャン・ランに代わってスペインの宮廷画家となり[4]、1752年までスペイン・ブルボン家の宮廷で絵画を制作した。フェリペ5世の息子フェルナンドの首席画家であったが、1757年にスペインを去り、フランスに帰国した[4]。研究者によれば、ヴァン・ローは、オランダの絵画にも影響を受けている[4]。彼の弟のシャルル=アメデー=フィリップ・ヴァン・ローも画家として成功し、ロシア女帝エリザベータの肖像を描いている。
作品


この絵画は美術史上でも特に大型の家族肖像画で、ヴァン・ロー最盛期の作品である。フェリペ5世は、本作が制作されてから3年後に崩御しており、その統治の最後を飾るにふさわしい壮大な作品となっている画面には、1700年にフェリペ5世をスペイン王位に就けたフランスのブルボン家の権力が表現されている[2]。
スペイン新王朝の家族全員が美しく着飾って、豪奢な柱廊のある部屋に集まっている[2]。中央にいるフェリペ5世は、彼の2番目の王妃エリザベッタ・ファルネーゼの隣に座っている。すでに衰えの見えるフェリペ5世とは対照的に王妃は活力に溢れており[2]、王冠の横にある彼女の腕はその権力を象徴する[5]。実際、王妃は構図の中心である[1]。
フェリぺ5世と彼の最初の王妃マリア・ルイーザ・ディ・サヴォイアの長男である王太子フェルナンドは、父親フェリペ5世の左に描かれている。その左隣には、ポルトガル王家からフェルナンドに嫁いできたバルバラ・デ・ブラガンサがいる。その左にはフェリペ5世の長女マリアナ・ビクトリア・デ・ボルボーンが座っており[2]、彼女は、1729年のポルトガルとスペイン王家間の兄弟・姉妹の2つの婚姻の一環としてバルバラの兄ジョゼと結婚した。
中央の人物群には、フェリペ5世と王妃エリザベッタの子供たちも描かれている。王と王妃の間には、末っ子のルイス・アントニオ・デ・ボルボーン・イ・ファルネシオ (将来の枢機卿で、チンチョン伯爵がいる。王妃の右のフェリペ (後のパルマ公) は、妻でルイ15世の娘ルイーズ・エリザベート・ド・フランスの左後に立っている。
ルイーズ・エリザベートの右後に立っている2人の女性は、フェリペ5世と王妃エリザベッタの次女マリア・テレサ・アントニア・ラファエラと三女マリア・アントニエッタである。マリア・テレサは、1745年にルイーズ・エリザベートの弟であるフランス王太子ルイ・フェルディナンと結婚することになる。一方、マリーア・アントニエッタは、1750年にサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオと結婚する。
右端には当時両シチリア王であったフェリペ2世の五男カルロス夫妻が位置し、妃マリア・アマリア・フォン・ザクセンは夫の左隣で椅子に座っている[2]。当時、夫妻はナポリに居住していたが、1759年にフェルナンドが死去した際にスペインに帰国した。
画面の最も手前には、2人の幼女が犬と遊んでいる。右がフェリペ王子の娘で後に神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世に嫁ぐマリア・イサベル[2]。左にいるのは両シチリア王夫妻の娘マリア・イサベル・アナである。
画面に描かれている宝石や高価な布地、鮮やかな色彩などは、伝統的に暗く、厳かで、フランドル派絵画を参照したスペインの以前の絵画には見られなかったものである[5]。天井から下げられている大きく、演劇的なカーテンからは、楽団がコンサートを奏でているバルコニーが垣間見える。王家の人々は、庭園に開ける大きな部屋にいる[5]。