ブラック・ボックス・ダイアリーズ

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脚本 伊藤詩織[2]
製作総指揮

四宮隆史[3]
村松秀信[3]
ロビーナ・リッチティエッロ(Robina Riccitiello)[2][3]
ジョシュ・ピーターズ英語版[2][3]
ニナ・L・ディアズ英語版[2][3]
ライザ・バーネット・フェターマン(Liza Barnett Fetterman)[2][3]
河村光庸[2]
企画:河村光庸[3]
共同プロデューサー:行実良[2][3]
共同プロデューサー:長井龍[2][3]
共同プロデューサー:岡村裕太[2]
共同プロデューサー:山崎エマ英語版[2]

共同プロデューサー:四宮隆史[2]
ブラック・ボックス・ダイアリーズ
Black Box Diaries[1]
監督 伊藤詩織[1]
脚本 伊藤詩織[2]
製作

伊藤詩織[2]
ハンナ・アクヴィリン[2]

エリック・ニアリ[2]
製作総指揮

四宮隆史[3]
村松秀信[3]
ロビーナ・リッチティエッロ(Robina Riccitiello)[2][3]
ジョシュ・ピーターズ英語版[2][3]
ニナ・L・ディアズ英語版[2][3]
ライザ・バーネット・フェターマン(Liza Barnett Fetterman)[2][3]
河村光庸[2]
企画:河村光庸[3]
共同プロデューサー:行実良[2][3]
共同プロデューサー:長井龍[2][3]
共同プロデューサー:岡村裕太[2]
共同プロデューサー:山崎エマ英語版[2]

共同プロデューサー:四宮隆史[2]
出演者 伊藤詩織[2]
音楽 マーク・デリ・アントーニ英語版[2]
撮影
  • ハンナ・アクヴィリン[3]
  • 岡村裕太[3]
  • 伊藤詩織[3]
  • 大塚雄一郎[3]
編集
  • 山崎エマ[2][3]
  • 編集コンサルタント:マヤ・デイジー・ホーク(Maya Daisy Hawke)[2][3]
  • 共同編集:マリコ・モンペティ(Mariko Montpetit)[2][3]
製作会社 スターサンズ[1]
配給 日本の旗 スターサンズ / 東映エージエンシー
公開
上映時間 102分[5]
製作国
言語 英語日本語
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ミュンヘン国際映画祭ドイツ語版英語版で質問に答える監督の伊藤詩織、2024年7月1日

ブラック・ボックス・ダイアリーズ』(Black Box Diaries)は、2024年公開のドキュメンタリー映画である。ジャーナリスト伊藤詩織による初の長編監督作品[6]

2024年1月20日サンダンス映画祭で上映され、その他数多くの映画祭に出品された[6][4]。同年10月には第20回チューリッヒ映画祭でドキュメンタリー賞と観客賞を受賞[7]。2025年には第97回アカデミー賞で日本人監督初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた[8]。また第78回英国アカデミー賞英語版のドキュメンタリー賞にも、日本人監督として59年振りにノミネートされた[9]

伊藤詩織が2015年4月に受けた性被害の後日の日々を、2022年1月民事裁判の二審での勝訴などの節目を経て、およそ10年にわたって記録した。実録画像、音声やフライ・オン・ザ・ウォール的動画、日記画像などをつなぎ合わせて綴られるドキュメンタリー映画[10][11]。不本意ながらも日本の #MeToo運動の「顔」にまつりあげられた彼女の監督デビュー作[10]

事件前のホテルの防犯ビデオ[10][12]、情報筋の捜査員Aとのやりとりは要である[11]

自撮り映像で、自分は決してくじけない、自殺などしないと決意を語る場面、その対極の心境まで追い詰められた場面があるように 様々なプライベートな瞬間、感情のあらわれが垣間見られる[12]

公開

海外

2024年1月20日、第41回サンダンス映画祭の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門にて上映された[13][4]。その後、釜山国際映画祭(10月6日)、ロンドン映画祭(10月12日)、台北金馬映画祭(11月8日)など多数の映画祭に出品された[4]。同年11月20日、スペイン社会労働党所属の欧州議会議員リナ・ガルベス・ムニョススペイン語版の企画により、欧州議会庁舎で上映され、伊藤や一部の欧州議会議員が参加した[14][15]。映画は2025年2月の時点で、世界58か国にて公開された。アメリカ合衆国ではMTVのドキュメンタリー映画としても配給された[16]

日本

2024年7月11日、東京大学本郷地区キャンパスで日本初上映会が開催された[17]東京大学やメディアの関係者約100人が参加し、上映後伊藤とジャーナリスト浜田敬子との対談が行われた[17]

伊藤の出身国である日本では2025年2月時点で封切の予定がなかった。フランスでは日本での公開を求めて署名運動まで発生した[16]。このことについて疑問を投げかける声もあがったが[18]、国内劇場が足踏みする理由に後述の法律問題があるとされる[19]

2025年11月6日、日本での劇場公開が発表され[20]、同年12月12日から東京都港区T・ジョイPRINCE品川で上映。上映初日には伊藤などによる初日舞台あいさつも行われた[21][22]。なお、日本で公開されるのは、当事者からの指摘を受けて一部表現を修正した新バージョンの「日本公開版」となる[23]

公開から3日間(計6回)の上映は連日満員となり、動員数1000人、興行収入220万円を記録した。これを受けて、6都市[注 1]の映画館でも順次公開されることが2025年12月18日に決定した[24]

無許可の映像音声使用

2024年10月21日、伊藤の性被害訴訟でかつて代理人を務めた西廣陽子弁護士、加城(かじょう)千波弁護士、そして今回はその二人の代理人を務める佃克彦弁護士が、伊藤監督作品による映像音声の無許可使用について記者会見を開いた[25]

特に例の防犯ビデオをホテル許可を得ずに映画に流用したことを問題視した。他にも事件当時のタクシー運転手の姿や会話内容、情報提供した刑事(捜査員A)の会話内容、伊藤と西廣弁護士らの会話内容が映画で無断に公開されたとする。防犯ビデオは、ホテル側から得た際、裁判に限って使用するという誓約を交わしているので、違約である。(姿ははっきりしなくとも)、その声のまま自身や刑事との会話の音声が公開されたことも、取材源秘匿や事実上の公益通報者を守っておらず、問題であるとの見解を示した。また、事前に無断使用についての伊藤氏と談話して、映画公開前に弁護士に諮る約束があったが、やりとりはあったものの、西廣の承認に至らないまま海外で公開されたとする。映画を編集し、今からでも無断使用状態を是正するよう求めている姿勢である[25][26][27][28]

伊藤側は、今回のケースでは映画がもたらす公益(公共の利益)がさまざまな事情よりも上回るという立場をとっている[29][30]

この件について(伊藤監督と類似し、出演者の許可撤回により封切の差し止め主張を起こされた『主戦場』の)ミキ・デザキ監督は、佃克彦弁護士が『集英社オンライン』で発表した持論[31]に反論し、少なくとも米国のジャーナリズム(ドキュメンタリー製作)の実践では、同意が取得できない時も「フェアユース」と「公共の利益」を(プライバシー権と)天秤にかけて使用することがあり、伊藤監督の使用を擁護、佃が提唱するのはアメリカでの理想論にすぎないとする[32]

伊藤によれば、ホテルの防犯ビデオは、二人以外の人物が特定できないよう映像処理する費用の名目で45万円を支払い入手したものだとしている[33]。裁判のみ使用という約束であったが、民事訴訟第一審の最中に、伊藤がホテルを離れる部分の映像のみがネットにリークされ、"それがあたかも同意があったことの証拠のように使われ、現在まで何十万回も再生されてネットリンチの最大の原因となっています"と、2025年2月25日のFCCJ記者クラブ会見[34]を欠席した代わりに発表した声明文などで述べている[33][35]。伊藤は代理人声明の中で承諾が抜け落ちてしまった人に対して謝罪をしている[34][36]

望月衣塑子の記事

記者の望月衣塑子は、かつてすでに伊藤詩織に接触して取材をしており、そのもようは『i-新聞記者ドキュメント-』(2019年、森達也監督)にも記録されている[37]。2024年10月21日付東京新聞記事では望月らは無断映像使用についての森監督の意見「情報源を守るという原則はジャーナリズムもドキュメンタリーも同じ。もちろんドキュメンタリーはぎりぎりを狙う。弁護士らの会見内容が事実ならば、明らかにぎりぎりを逸脱している。今からでも修正すべきだ」を紹介[38]

次いで望月を筆者とする2025年1月14日付の東京新聞は、新たな無断使用問題を提起した。すなわち2017年12月、伊藤が講師に招聘された、約30名の性被害を語る婦人会合を、当時 BBC が伊藤の記録として撮影していたが、それが映画に流用されたことについて「『性被害』語る女性の映像を許諾なく使用」という文言で報道した。しかしこれにはあたかも自ら性被害に遭った女性の映像が許可なしに使われたという印象を与える語弊があったため、東京新聞は2月7日付で「性被害めぐる集会の映像」と表現し直した題名に変更し、その旨の説明と謝罪を発表した。ただし参加者の中には同意を出していない者も削除依頼の者もおり、主旨は撤回しなかった[39]。2025年2月10日、伊藤側は望月に対し「記事は利己的な人物であるとの印象を植え付ける内容であり、名誉を毀損された」として、330万円の損賠賠償の支払いを求め東京地方裁判所に提訴[40][41]。望月は「記事を掲載した社を訴えずに個人に訴訟の負担を負わせるこの訴訟は、言論活動を抑えようとの意図を感じざるを得ず、まことに遺憾」とコメントしている[42]

評価

本作は批評家から絶賛されている。レビュー収集サイトRotten Tomatoesによれば、71件の評論のうち高評価は99%、平均点は10点満点中8.3点となっている[43] Metacriticによれば、18件の評論に基づく加重平均英語版は100点満点中82点で「世界的な絶賛(universal acclaim)」となっている[44]

ニューヨーク・タイムズのManohla Dargisは、「本質的に一人称の記録であり、そうした観点では成功しており、最終的には知的満足感よりも感情的な魅力の方が強い」と書いた[45]ザ・ニューヨーカーのリチャード・ブロディは、「伊藤は暴行、裁判、そして正義の追求が彼女に与えた巨大な感情的負担を惜しみなく記録し、それを容赦なく率直な映画的感性で成し遂げている」と評価した[46]ハリウッド・リポーターのLovia Gyarkeは、本作を「生存と救済の生々しい証言」と呼び、「伊藤の映画が際立つのは、日記的なiPhoneビデオにある」と書き、「それらは証言の概念を再定義し、公的行為から緊急で癒しの私的行為に変える」と論じた[47]

英紙フィナンシャル・タイムズのNicolas Rapoldは、この映画を「本物のエンパワーメントを与えるもの」と評価し、「véritéスタイルの映画制作と音声のみのインタビューの組み合わせが、彼女の旅の浮き沈みを生々しく描いている」と絶賛した[48]。RogerEbert.comのNell Minowは、本作に4つ星中3.5つ星を与えて「親密で、痛ましく個人的」であり、「彼女の勇気の証」とした[49]。TheWrapのLex Briscusoは、「被害者性を奪還し、正義のための闘いの見事で効果的な物語」表現し、「他の生存者に内なる聖域を再建するだけでなく、有意義な正義を求めることが可能だと示す無私の贈り物」とした[50]

スクリーン・デイリーのFionnuala Halliganは、「『Black Box Diaries』は今年のサンダンス映画祭の発見の一つであり、一世代の夢と失望、苦痛と勝利をカプセル化しているように見える」と書いた[51]バラエティのガイ・ロッジは、本作を「緊密に巻かれた、心を袖に着た手続き的ドキュメンタリー」と述べた[52]ロサンゼルス・タイムズのジャスティン・チャンは、本作を「厳しく辛辣な自己肖像作品」と呼び、「彼女がひるまなかったことは英雄的な行為であり、多くの人々に勇気を与えるだろう」と評価しサンダンス映画祭で観たトップ10作品の1つに選んだ[53]。 デッドラインのヴェレリー・コンプレックスは、「精密な映画制作が、この疲弊する捜査を通じて彼女のマインドセットに私たちを置く。彼女を前進させる悲しみ、喜び、そして決意を捉えている」と書いた[54]。Autostraddleのドリュー・バーネット・グレゴリーは、「事件の事実だけでなく、この闘いが彼女の人生に与える巨大な負担を明らかにしている」「この映画で最も重要なのは、彼女の疲弊、時間の経過、そして残酷さを私たちに見せる部分だ。どんなに素晴らしい活動家、どんなに素晴らしい生存者、どんなに素晴らしいジャーナリストであっても、やはり人間なのである。」と書いた[55]

受賞歴

脚注

外部リンク

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