ドイツやスイスではチーズの長期保存の観点からチーズの缶詰の製造が研究されていた[3]。そのような中、1911年にスイスのゲルベル社がスイスチーズを乳化溶融して扇形に成形したプロセスチーズを発明した[3]。
アメリカンチーズを挟んだチーズバーガー
アメリカでは1910年代に、クラフトフーヅの前身企業を設立したジェームズ・L・クラフトがアメリカンチェダーチーズを用いたプロセスチーズを作ることに成功[3]。のちに同社は世界ーのプロセスチーズ製造会社となった[4]。アメリカ食文化の一部として長く根付いていており、飲食店のチーズバーガーやピザにはプロセスチーズが利用されている。
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日)」(厚生省令第52号)において以下のように規定されている[5]。
第2条 18 この省令において「プロセスチーズ」とは、ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。
日本ではゴーダチーズやチェダーチーズが原料に使われることが多い。プロセスチーズ販売の初期においてはブロック状の製品が市場を占めており、固形石鹸を想起させたことやチーズ独特の匂いや香りから敬遠され一部の嗜好品に過ぎなかった。その後、食の欧米化が進行し多種多様な乳製品が食生活にも浸透し、パン食の普及と共にシート状に薄く整形したスライス・チーズ、わずかな加熱で容易に溶けるチーズなどが販売されるようになる。一部の輸入食料品を扱う専門店や高級百貨店以外ではプロセスチーズしか入手できなかったため、日本人にとってチーズと言えばプロセスチーズを意味していた。
海外産の各種チーズが一般のスーパーマーケットでも販売されるようになっていくと、プロセスチーズのシェアはナチュラルチーズに押されていくようになったが、味にクセがなくハンバーガーやサンドイッチなどのパン食や料理の具材として、また味覚の多様化により果汁や果肉が入ったチーズ、アーモンド等のナッツや穀類が入ったチーズ、チューブ入りチーズ、ヨーグルト状チーズ、6Pチーズなどの個包装チーズ等の需要は依然として高い。