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ペンタン

炭素数5つの直鎖状のアルカン From Wikipedia, the free encyclopedia

ペンタン(英: pentane)とは、炭素数5つの直鎖状のアルカンである。天然ガスや石油エーテル、ガソリン等に含まれている。

概要 物質名, 識別情報 ...
ペンタン
Skeletal formula of pentane
Skeletal formula of pentane with all explicit hydrogens added
Pentane 3D ball.png
Pentane 3D spacefill.png
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
バイルシュタイン 969132
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
DrugBank
ECHA InfoCard 100.003.358 ウィキデータを編集
EC番号
  • 203-692-4
Gmelin参照 1766
MeSH pentane
RTECS number
  • RZ9450000
UNII
国連/北米番号 1265
性質[3]
C5H12
モル質量 72.151 g·mol−1
外観 無色の液体
匂い ガソリンのような臭気[4]
密度 0.626 g/mL; 0.6262 g/mL (20 °C)
融点 −130.5 - −129.1 °C
沸点 35.9 - 36.3 °C
40 mg/L (20 °C)
log POW 3.255
蒸気圧 57.90 kPa (20.0 °C)
7.8 nmol Pa−1 kg−1
酸解離定数 pKa ~45
塩基解離定数 pKb ~59
λmax 200 nm
磁化率 -63.05·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.358
粘度 0.240 mPa·s (at 20 °C)
熱化学
標準定圧モル比熱, Cp⦵ 167.19 J K−1 mol−1
標準モルエントロピー S⦵ 263.47 J K−1 mol−1
標準生成熱 (ΔfH⦵298)
−174.1~−172.9 kJ mol−1
標準燃焼熱 ΔcHo −3.5095~−3.5085 MJ mol−1
危険性
GHS表示:
可燃性 急性毒性(低毒性) 経口・吸飲による有害性 水生環境への有害性
Danger
H225, H304, H336, H411
P210, P261, P273, P301+P310, P331
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 1: Exposure would cause irritation but only minor residual injury. E.g. turpentineFlammability 4: Will rapidly or completely vaporize at normal atmospheric pressure and temperature, or is readily dispersed in air and will burn readily. Flash point below 23 °C (73 °F). E.g. propaneInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
1
4
0
引火点 −49.0 °C (−56.2 °F; 224.2 K)
260.0 °C (500.0 °F; 533.1 K)
爆発限界 1.5–7.8%[4]
致死量または濃度 (LD, LC)
  • 3 g kg−1 (皮膚, ウサギ)
  • 5 g kg−1 (経口, マウス)
130,000 mg/m3 (マウス, 30分)
128,200 ppm (マウス, 37分)
325,000 mg/m3 (マウス, 2時間)[5]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
TWA 1000 ppm (2950 mg/m3)[4]
REL
TWA 120 ppm (350 mg/m3) C 610 ppm (1800 mg/m3) [15分][4]
IDLH
1500 ppm[4]
関連する物質
関連するアルカン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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名称

ペンタンも含めて、直鎖状のアルカンをノルマルアルカンと総称する[6]。ペンタンには分枝した構造異性体が2つ、つまり、イソペンタンとネオペンタンが存在し、構造異性体を含めた総称として、俗に「ペンタン」と呼ぶ場合もある。そこで、これらと区別する際に、n-ペンタン(ノルマルペンタン)と呼ぶ場合がある。

しかしながら、IUPAC命名法でペンタンと言えば、直鎖状のn-ペンタンを指す。なお、構造異性体であるイソペンタンをIUPAC名で言えば2-メチルブタンであり、ネオペンタンをIUPAC名で言えば2,2-ジメチルプロパンと、きちんと区別できる。その上に、IUPAC名は化合物の構造を言い表している。

よって本稿では、これ以降、IUPAC名に従って記載する。

物理化学的性質

常圧でのペンタンの沸点は36 ℃であり[7]したがって、常温・常圧でペンタンは液体として存在する。常圧での沸点が常温を上回る、最短の炭素鎖の直鎖状アルカンが、ペンタンである[7][8][注釈 1]。なお、液体であっても色は無い。また、ペンタンの揮発性は比較的高く、揮発してきたペンタンを、ヒトの嗅覚は感知できる。

アルカンは一般に可燃物であり、酸素と化合して燃焼し、水と二酸化炭素に変化する。この反応は発熱反応であるため、アルカンの燃焼反応は、アルカンと酸素が供給され続ける限り、外部からエネルギーを与えずとも、勝手に持続し得る[9]。ペンタンもまた可燃物であるだけでなく、さらに、揮発性が高く、引火点が-49 ℃と引火し易いため、その取り扱いには注意が必要である。

日本では消防法に定める第4類危険物の特殊引火物に該当し、法規制されている。

利用

ペンタンには多くの利用法が知られており、以下に、その例の一部を記載する。

発泡剤

発泡スチロール製造に際して発泡剤として利用される。

熱媒体

安価な低沸点の流体として、地熱発電の1種であるバイナリー発電に於いて、蒸気タービンを回すための媒体として用いる場合がある。水より低温でも沸騰して蒸気になるため、水では沸騰しない低い温度の熱源を利用できるためである。

要するに、比較的低い温度の熱源に、液化したペンタンを曝して沸騰させて気体にし、液体から気体になった際に体積が急激に膨張した圧力で、蒸気タービンを回し、その回転を利用して発電機を駆動するのである。なお、蒸気タービンを回した後は、何らかの方法で再びペンタンを液体に戻して、ペンタンは循環させて使用する[注釈 2]。

九州電力の八丁原発電所には日本国内初のバイナリー発電施設があり、2006年からペンタンを利用したバイナリー発電を実施している。

有機溶媒

室温で液体として存在する直鎖状アルカンの中では、ペンタンが最も揮発性が高いため、実験室では蒸発させ易い溶媒として利用される場合がある。液相クロマトグラフィーの溶媒としても使われる場合がある。

ペンタンは多くの非極性溶媒(有機塩素化合物、芳香族、エーテルなど)と自由に混和する。しかし、ペンタンは非極性で官能基が無いため、非極性でアルキル鎖に富んだ化合物しか溶かせない。

脚注

外部リンク

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