マイケル・フリード

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マイケル・フリード(Michael Fried、1939年 - )は、アメリカ合衆国美術評論家ジョンズ・ホプキンス大学人文科学教授1967年に書いた評論文『芸術と客体性』は、発表以来、モダニズムミニマリズムについて語られる時には数多く引き合いに出される文献となっている。

キュレーション活動

ニューヨーク市で生まれ、幼少期から水彩や油彩で絵を描き始め、高校時代(Forest Hills High School)には漫画を描くなど芸術に親しんだ。プリンストン大学で英語を専攻し、1959年にsumma cum laude(最優秀)で卒業(20歳)。在学中から美術批評に興味を持ち、1958年に批評家クレメント・グリーンバーグと出会い、ギャラリーを共に見て回るなど影響を受けた。卒業後、1959年から1961年までRhodes Scholarとしてオックスフォード大学マートン・カレッジに留学。Ruskin School of Drawing and Fine Artで学び、1961-1962年にはロンドンユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンにて哲学を部分的に履修(Stuart Hampshire、リチャード・ウォルハイムに師事)。その後、ハーバード大学で美術史のPh.D.を取得(1969年)し、批評活動と学術研究を並行して進めた。[1]

1965年、当時26歳のフリードはハーバード大学フォッグ美術館で展覧会「Three American Painters: Kenneth Noland, Jules Olitski, Frank Stella」をキュレーションした。これはカラー・フィールド絵画の主要作家3人を紹介するもので、ケネス・ノーランド、ジュールズ・オリツキー、フランク・ステラの作品を各6点ずつ展示。フリードの形式主義的批評の重要な出発点となった。展覧会カタログにはフリードによるエッセイが収録されており、後の『芸術と客体性』(1967年)につながる考えが示されている。[2]

芸術と客体性

フリードは、1967年の論文「芸術と客体性」(Art and Objecthood)でミニマリズムを「演劇性」として批判し、芸術の本質を物質性と視覚性に置いた。ある意味、美術評論の世界での「それ以前」と「それ以後」を作り出したといえよう。

歴史学者ペリー・ミラー(en:Perry Miller)が1949年に神学者ジョナサン・エドワーズについて著した『ジョナサン・エドワーズ』の中の、時間の連続性、瞬時性について語られた部分の一節丸ごとの象徴的な引用から始まるこの論文には、冒頭から最後まで主に、取り上げられた作家達の作品と時間の永続性の関係について、それ以前にはなかった独自の見解を絡めて書かれている。

この著作の中で擁護された主な作家は、アンソニー・カロデイヴィッド・ローランド・スミス英語版であり、批判された作家は、ドナルド・ジャッドロバート・モリスカール・アンドレソル・ルウィットトニー・スミス等のミニマリズムの芸術家達である。

フリードが影響を受けた美術評論家のクレメント・グリーンバーグの『抽象表現主義以後』からの引用文も当書内に見受けられる。

スタンリー・カヴェルとの交流

ハーバード大学在籍中のフリードは、哲学者スタンリー・カヴェル(Stanley Cavell)と親交を深めた。1962年にフリードがハーバードに着任した頃から始まった交流で、カヴェルが1963年に開催した映画セミナーをフリードが聴講するなど、両者は現代芸術・モダニズムをめぐる激しい対話を継続した。カヴェルの普通言語哲学や懐疑論的アプローチ(特に「現前性 presentness」や「自動性 automatism」の概念)が、フリードの「現前性 presentness」や「没入 absorption」の理論形成に影響を与えたとされ、後年のフリードの著作(例: 『Absorption and Theatricality』1980年)でもその痕跡が見られる。この友情は、美術批評と哲学の交差点で両者の思想を相互に豊かにした重要な要素である。[3]

1970年代以降

1970年代以降、フリードのキャリアは批評活動から美術史研究への移行を遂げた。1975年にジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)に移籍し、人文科学および美術史の教授に就任。1986年にはJ.R. Herbert Boone Professor of Humanitiesに任命され、現在は同職の名誉教授(Emeritus)となっている。この時期以降、彼の研究は18世紀から19世紀のフランス絵画を中心に展開し、演劇性(theatricality)と没入(absorption)の概念を基盤とした美術史的分析を深めた。

詩人として

一方で、フリードは批評家・美術史家としての顔だけでなく、詩人としても活動している。主な詩集として『Powers』(1973年)、『To the Center of the Earth』(1994年)、『The Next Bend in the Road』(2004年)、『Promesse du Bonheur』(2016年)などがあり、芸術・作家・自伝的要素をテーマにした作品が多い。2006年にはAmerican Academy of Arts and Lettersから文学部門のAcademy Awardを受賞している。

主な著作物

脚注

関連項目

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