マツブサ科

From Wikipedia, the free encyclopedia

マツブサ科

(上) 1a. Illicium henryi の花
(下) 1b. チョウセンゴミシの雌花
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
: アウストロバイレヤ目 Austrobaileyales
: マツブサ科 Schisandraceae
学名
Schisandraceae Blume (1830)[1]
タイプ属
マツブサ属 Schisandra Michx. (1803)[2]
シノニム
  • シキミ科 Illiciaceae (de Candolle) A. C. Smith (1947)
  • サネカズラ科 Kadsuraceae Radogizky (1849)
英名
star anise family[3]

マツブサ科(マツブサか、学名: Schisandraceae)は、被子植物アウストロバイレヤ目に属するの1つである。直立またはつる性木本であり、精油を含む。は両性または単性、らせん状に配置した多数の花被片萼片花弁の分化は不明瞭)と雄しべをもつ(図1)。雌しべは離生し、果実は集合性の袋果または液果となる。

北米南東部と東アジアから南アジアに隔離分布している。3属(シキミ属サネカズラ属マツブサ属)、約80種が知られる。シキミ属を別科(シキミ科)に分けることが多かったが、2020年現在ではふつうマツブサ科としてまとめられている。

常緑性または落葉性木本であり、直立 (低木から高木) またはつる性 (藤本)[3][4][5][6] (下図2a, b)。材は散孔材 (道管は散在)、道管は階段穿孔、網状穿孔または単穿孔をもち、チロースが存在する[5][6]。髄は均質だが中央部の細胞の細胞壁は薄い[5][6]師管色素体はS-type (デンプン粒を含む)。節は1葉隙1–3葉跡[3][4][5][6]互生し、しばしば枝先にまとまってつく[3][5][6] (下図2c)。単葉葉縁は全縁または鋸歯があり、葉柄をもち、托葉を欠く[4][5][6] (下図2c)。葉にはふつう腺点がある[3][5][6]葉脈は羽状[3]気孔は不規則型または平行型[5][6]。植物体は精油細胞や粘液細胞、星状厚壁異形細胞をもつ[3][7]。四環トリテルペンをもつ[7]フラボノールを有し、フラボンを欠く[7]

2b. サネカズラはつる性
2c. シキミの葉と花芽

はふつう葉腋に単生する (まれに幹生花)[3][4][5][6] (上図2c)。両性花、あるいは単性花雌雄同株異株または雑性 (両性花と単生花をつける)[3][4]花托は、花後に肥大または伸長することがある[4] (下図3d)。花は放射相称、花被片は多数 (5–33枚)、萼片花弁の区別がなく (ときに外側から内側へ萼片状から花弁状へ連続的)、離生し、らせん状につく[3][4][5][6] (下図3a, b)。雄しべは4–80個、ふつう離生だがときに合生、花糸は葉状ではないが短く、らせん状につき、求心的に成熟する[3][4][5][6] (下図3a, b)。小胞子形成は同時型、タペート組織は分泌型[5][6]花粉は2細胞性、3または6溝粒である点で真正双子葉類の花粉に似ているが、溝の位置が異なり、相同なものではない[3][4][5][6]心皮は5個から多数、離生しており、螺生または輪生する[3][4] (下図3a)。子房上位、1心皮に1–5個の胚珠 (倒生胚珠または湾生胚珠) がつく[3][5][6]果実袋果または液果であり、集合果となる[4] (下図3c, d)。種子は多量の脂質の胚乳を含み、胚は小さい[4]。内胚乳形成は造壁型[5][6]

3a. シキミの花
3b. Schisandra rubriflora の雄花
3c. シキミの果実 (裂開して種子が見える)

少なくとも一部の花は発熱性である[7]。主な送粉者はタマバエ類であり、特定のタマバエ類の雌が訪花、花に産卵、幼虫は花の分泌物 (セスキテルペンなど) を食料としていることが報告されている[7]。その他に甲虫による送粉もあり、また騙し送粉 (送粉者に報酬を与えない) をおこなっている可能性もある[7]

分布

アジア東部と北米に隔離分布する。新世界ではアメリカ合衆国南東部とメキシコ東部、西インド諸島旧世界ではセイロン島およびネパールから東南アジア日本を含む東アジアまでの熱帯から温帯域に分布している[3][4][5][6][7]

人間との関わり

マツブサ科の植物は精油を多く含み、しばしばこれが利用される。トウシキミ果実八角はっかく大茴香だいういきょう、スターアニスとよばれて香辛料生薬として広く利用され、大規模に栽培もされている[8][9] (下図4a, b)。またチョウセンゴミシマツブサも果実が飲料や生薬とされたり、つるや葉が浴湯料とされることがある[10][11][12][13] (下図4c, d)。

シキミ属は有毒のセスキテルペン (アニサチンなど) を含むものが多く、食中毒が発生することもある[14][15]。一方、日本に分布するシキミは仏事に広く用いられ、仏前や墓前の供花とされたり、抹香線香の原料とされる[16]

4a. 乾燥されるトウシキミ果実 (八角)
4b. 市場で売られる八角
4c. 市場で売られるチョウセンゴミシの果実 (五味子)
4d. 五味子茶

分類

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI