マルチシート
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マルチシート(英:multiseat, multi-station , multiterminal)とは1台のコンピューターを複数ユーザーで同時に使えるようにした構成である。


「シート」とは、特定の作業場所に割り当てられ、1人のユーザーが座ってコンピュータを操作するための一連ハードウェアデバイスをさす。シートは、出力用のグラフィックデバイス(グラフィックカード、または出力ポート(HDMI / VGA / DisplayPortなど)と接続されたモニター/プロジェクター)と、入力用のキーボードとマウスで構成される。ビデオカメラやサウンドカードなども含まれる場合がある。
商用マルチシートソフトウェアの歴史
1960年代以降、コンピュータはユーザー間で共有されるようになった。特にコンピュータが極めて高価だった初期のコンピューティングにおいては、中央のメインフレームコンピュータと多数の端末が接続されるという構成が一般的だった。パーソナルコンピューターの登場により、この構成はパーソナルコンピュータ(つまり、ユーザー1人につき1台のコンピュータ)に大きく置き換えられた。
状況によっては、マルチシート構成の方がコスト効率が高い場合がある。これは、ユーザーごとにマザーボード、CPU、RAM、ハードディスクなどの部品を個別に購入する必要がないためである。例えば、高性能CPUを1つ購入する方が、低性能CPUを複数購入するよりもコストが低くなるのが一般的である。
- 1990, Solbourne cg30 running SunOS
- 1996–2005, Silicon Graphics InfiniteReality running Irix
- 1996, ThinSoft/BeTwin
- 1999, Ibik/ASTER
- 2001, ThinSoft BeTwin
- 2004, Open-Sense Solutions (Groovix)[1]
- 2006, NComputing X-series
- 2010, Windows MultiPoint Server
- 2011, Black Box VirtuaCore
- 2013, LISTEQ BoXedVDI[2]
要件
ハードウェア
各ユーザーは、ホストマシンに接続されたモニター、キーボード、マウスが必要である。例えば、4人(4ユーザー)のシステムを構築するには、最低モニター4台、キーボード4台、マウス4台、そして2画面出力可能なグラフィックボード2枚、または4画面出力可能なグラフィックボード1枚が必要である。USBキーボードとマウスは、 USBハブに接続できるため、PS/2接続よりも一般的に推奨される。カメラ、カードリーダー、タッチスクリーンなどの追加デバイスや周辺機器も、各席に割り当てることができる。複数の物理ビデオカードとの接続の代わりに、USB経由のDisplayLinkが利用できる。
ソフトウェア
Linux
最近の Linuxでは、マルチシート機能はsystemd-logindによって提供され、[3] loginctlコマンド[4]またはudev変数(ID_SEAT もしくは ID_AUTOSEAT)によって設定される。[5]
特殊なUSBハブを接続すると、設定を必要とせずに自動的にシートが機能する。[6]
Microsoft Windows
Windows 2000、XP、およびVistaオペレーティング システムの場合、2 つ以上のシートのマルチシート構成を実装する市販製品がいくつかある。
かつて特殊なUSBハブを接続するだけで簡単にマルチシートを実現する製品があった。この製品ではUSBハブからのVGA映像出力もサポートされていた。[7]
マルチシート構成向けに特別に設計されたオペレーティングシステム「Windows MultiPoint Server」が、2010年2月24日に発表された。Windows Server 2008 R2のリモートデスクトップ(ターミナルサービス)テクノロジを利用してマルチシート機能を提供する。この機能は、Windows Server 2016以降、「MultiPoint Services」という新しいサーバーロールとしてWindows Server本体に組み込まれたが、Microsoftが2018年にこのサービスの開発を中止したため、Windows Server 2019では削除された。
仮想マシン
マルチシート構成においてオペレーティングシステムのサポートに頼る代わりに、ハイパーバイザーが複数の仮想マシンを実行するように構成し、I/O仮想化によってサーバーのI/Oの一部を一つの仮想マシン、一つのシートに割り当てることが出来る。入力デバイスはUSBリダイレクトを介して仮想マシンに接続でき、GPU全体はIntel VT-dを介して接続できる。
仮想化ベースの2シート[8]および7シート[9]構成がホストOSとしてUnraidを搭載した状態でデモが行われた。各シートは、ホスト上で実行されているWindowsゲストOSのいずれかを排他的に制御する。各ゲストには専用のハイエンドグラフィックカードが搭載されており、VT-dを使用することでその性能を最大限に活用し、すべてのシートで同時に最高品質で要求の厳しいビデオゲームセッションをホストできるシステムを実現している。