マレーナ
2000年のジュゼッペ・トルナトーレ監督によるイタリア映画
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『マレーナ』(Malèna)は、2000年公開のジュゼッペ・トルナトーレ監督によるイタリア映画。
| マレーナ | |
|---|---|
| Malèna | |
| 監督 | ジュゼッペ・トルナトーレ |
| 脚本 | ジュゼッペ・トルナトーレ |
| 原案 | ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ |
| 製作 |
ハーヴェイ・ワインスタイン カルロ・ベルナスコーニ |
| 製作総指揮 |
ボブ・ワインスタイン テレサ・モネオ ファブリツィオ・ロンバルド マリオ・スペダレッティ |
| 出演者 |
モニカ・ベルッチ ジュゼッペ・スルファーロ |
| 音楽 | エンニオ・モリコーネ |
| 撮影 | ラホス・コルタイ |
| 編集 | マッシモ・クアッリア |
| 製作会社 |
メデューサ・フィルム ミラマックス・フィルムズ パシフィック・ピクチャーズ テレ+ |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 |
108分(イタリア版) 92分(アメリカ版、日本版) |
| 製作国 |
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| 言語 | イタリア語 |
| 興行収入 |
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概要
モニカ・ベルッチ主演のノスタルジック青春映画。世界的に彼女をブレイクさせるきっかけになった映画でもある。第73回アカデミー賞で撮影賞、作曲賞にノミネートされた。
ストーリー
時は第二次世界大戦中の1940年、物語の舞台となるのはイタリアのシチリア島。主人公の少年レナートは12歳半でありながら、大人の女性のマレーナに夢中でいた。マレーナは人妻だが夫のニノは出征して一人暮らしをしている。町一番の美人でスタイルも良く、洒落た服を着こなしてハイヒールで歩くマレーナが通ると、町の男たちは「良いケツだ」とジロジロ見送り、おかみさん連中は「愛人がいる」と根拠のない陰口で盛り上がった。
思春期で性に目覚め始めたレナートは、マレーナの家の壁によじ登り、壁の穴から彼女の生活を盗み見るようになった。送ることのないラブレターに「僕が大人になるまで待って」と書いては海に投げ捨てるレナート。
マレーナの夫のニノが戦死した。追悼集会を欠席したマレーナについて「男漁りしている」と噂する女たち。だが、覗き見するレナートは、彼女が涙にくれ、集会どころではなかった事を知っていた。
経済的に困窮しており、夫の死後に空軍の若い中尉と交際し始めるマレーナ。そこへ来て「マレーナの婚約者は俺だ!」とケンカを売る歯医者。この歯医者は妻帯者ながらマレーナに近づき、彼の妻は夫を殴った中尉と愛人のマレーナ、夫自身も不義の罪で裁判所に訴えた。中尉は遠方に転属となり、孤立無援で町の弁護士に助けを求めるマレーナ。勝訴はしたが、弁護士は高額の弁護料を請求し、払えないマレーナの身体を求めた。
教師だった父親が空襲で亡くなり、いよいよ生活に困ったマレーナは、長く美しかった髪を短く切って染め、同盟軍として町に駐留しているドイツ軍人を相手に娼婦として働き出した。だが、イタリアは連合軍に破れ、ドイツ軍はシチリアから撤退した。町のおかみさん連中は、ドイツ軍人と付き合ったマレーナを引きずり出してリンチし、丸坊主にして町から追い出した。
マレーナが去った町に帰って来る夫のニノ。戦死は誤報だったのだ。町の男たちはニノに聞かれても嘲(あざ)笑うばかりでマレーナの消息を教えなかった。そんな中、ニノに手紙を書くレナート。マレーナを愛し見つめ続けたレナートだけは、憶測や噂話ではないマレーナの真の姿を知っていた。マレーナが保護を求めて男と交際したのはニノの戦死の報の後だった。「彼女が愛したのは夫だけ」と真実を書き綴り、マレーナが乗った列車の行き先を伝えるレナート。
姿を消したニノは一年後に、マレーナを伴って自宅のある町に帰って来た。以前より地味な服装で市場に買い物に来たマレーナに、何事もなかった風で挨拶する女たち。マレーナを殴っていた女性も普通に接している。
映画は平凡な人生を送って年老いたレナートのモノローグで終わる。多くの女性を愛しては別れてきたが、彼女らのことはみんな忘れてしまった。生涯忘れることがなかった女性は、マレーナただ1人であったと。
キャスト
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
|---|---|---|
| マレーナ・スコルディーア | モニカ・ベルッチ | 勝生真沙子 |
| レナート・アモローソ | ジュゼッペ・スルファーロ | 阪口大助 |
| レナートの父 | ルチアーノ・フェデリコ | 水野龍司 |
| レナートの母 | マティルデ・ピアナ | 磯辺万沙子 |
| ボンシニョーレ教授 | ピエトロ・ノタリアーニ | 峰恵研 |
| ニーノ・スコルディーア | ガエタノ・アロニカ | 山野井仁 |
| その他 | N/A | 緒方賢一 隈本吉成 板東尚樹 稲葉実 山村紘之 小原雅一 伊藤浩司 蓮池龍三 栗山浩一 辻親八 細野雅世 片桐真衣 山門久美 佐藤晴男 室園丈裕 岡本嘉子 栗田かおり 秋元千賀子 遠近孝一 鈴木れい子 真山亜子 |
| 日本語版制作スタッフ | ||
| 演出 | 水本完 | |
| 字幕翻訳 | 松浦美奈 | |
| 吹替翻訳 | 日笠千晶 | |
| 調整 | 佐竹徹也 | |
| 録音スタジオ | 東京テレビ センター | |
| 日本語版制作 | ジャパン・オリジナル・テクニック ザック・プロモーション | |
| ※日本語吹替音声はVHS、通常版DVDとBlu-ray Discにのみ収録。2枚組のDVDディレクターズ・エディションには収録されていない。 | ||
スタッフ
- 監督 - ジュゼッペ・トルナトーレ[2]
- 製作 - ハーヴェイ・ワインスタイン[2]、カルロ・ベルナスコーニ[2]
- 製作総指揮 - ボブ・ワインスタイン[2]、テレサ・モネオ[2]、ファブリツィオ・ロンバルド[2]、マリオ・スペダレッティ[2]
- 原案 - ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ[2]
- 脚本 - ジュゼッペ・トルナトーレ[2]
- 撮影 - ラホス・コルタイ[2]
- 美術 - フランチェスコ・フリジェッリ[2]、フランチェスコ・コトーネ[3]
- 編集 - マッシモ・クアッリア[2]
- 衣装 - マウリツィオ・ミレノッティ[2]
- 音楽 - エンニオ・モリコーネ[2]
- キャスティング・ディレクター - アドルフォ・オノラティ[3]
- 助監督 - ダビデ・シンチス[3]、フランチェスコ・ボビーノ[3]
- 特殊効果 - アントニオ・コリドーリ[3]、マウリンツォ・コリドーリ[3]
- 視覚効果スーパーバイザー - デヴィッド・ブッシュ[3]
- 視覚効果プロデューサー - マンフレート・ビュットナー[3]
- デジタルペイント - ダミアーノ・アルベルティ[3]、フェデリコ・ボッッアーニ[3]
評価
レビューアグリゲーターのRotten Tomatoesでは、78人の批評家レビューに基づき54%の支持率を集め、平均スコアは10点満点中5.6点。同サイトの総評は「『マレーナ』はタイトルにもなっている女性を客体化している。また、少年がマレーナに抱く特別な感情も、マレーナを立体的な生身の人間として描いていないために説得力に欠ける」というものだった[4]。加重平均を用いるMetacriticは、22件の批評家レビューにより54/100点という、「賛否両論」の評価を与えている[5]。
『バラエティ』誌のデヴィッド・ルーニーは「夫が出征中の美女に向ける少年の性的執着にコミカルさを持たせながら、レナートが自分とマレーナを主人公に夢想する白黒映像を通して、彼の豊かな空想を肉付けしている」と評価をしながらも「遊び心のあるユーモアはたっぷり詰まっているものの、ドラマチックな展開が足りないようにも思う。レナートが毎日マレーナを尾行するシーンが延々と続き、男たちは卑猥な言葉を投げかけ、嫉妬深い町の女たちがマレーナの噂話をするなどで彼女は必死にそれを無視しようとする。これらのシーンが長々と続くが、アメリカ公開用に編集される短縮版でペースは改善されるはずだ」と書き、こう総括した。「少年の成長物語と、美しさゆえに罰せられた女性の悲しき旅路を組み合わせたこの映画は、繊細さや深み、テーマに対する重さが欠け、アートハウス系映画の有力候補になるには物足りない。それでも官能的要素と、『ニュー・シネマ・パラダイス』や『イル・ポスティーノ』といった大ヒット映画を送り出した、あの消え去ったイタリア映画のノスタルジックな描写は、商業的成功の可能性を秘めているだろう」[6]。
『ワシントン・ポスト』の記者マイケル・オサリバンは「トルナトーレ監督が観客の同情を呼ぶ手段は、マレーナを町の蔑視の対象にすることだ。ただ美しいというだけで地元民は彼女を売春婦呼ばわりし、夫の戦死が伝えられるとマレーナは本物の娼婦に転落して、人々から疎外されて行く」として、以下のように続けた。「マレーナが堕落して行く中でレナートだけが誠実であり続けた。しかしその愛情は決して純粋ではなく、彼はマレーナの下着を使ってオナニーすることが我慢できない少年なのだ。それこそがまさに『マレーナ』の弱点である。彼女はレナート少年とトルナトーレ監督にとっての性の対象で、生身の人間ではない」と、オサリバンは辛辣な批評を寄せている[7]。
『シカゴ・サンタイムズ』の映画評論家ロジャー・イーバートは「トルナトーレ監督の『マレーナ』は、類まれなる美貌と素晴らしい尻という不幸な才能に恵まれたため、人生を破滅させられる女性の話だ。この悲しきテーマをコメディやノスタルジアを織り交ぜて表現しようとしているが、カメラがベルッチのカリスマ的魅力を長々と映し出そうとしているため、作り手の誠実さに疑問を抱かざるを得ない」と評した。「フェデリコ・フェリーニの映画には、肉欲を体現する女性に心奪われる思春期の若者が登場する。『フェリーニのアマルコルド』や『8 1/2』を見てみると良い。しかしフェリーニは性的執着の根底にあるユーモアを見抜いている。そこへ行くと『マレーナ』は、より単純な話だ。1人の少年が年上の女性に魅了され、成長して行く過程で“彼女という概念”と実質的に結婚する。物語が徐々に陰鬱になり、それまでの展開に比べて度を超えた恥辱に至り、残念ながら本来意図されていたものより観客を深く感動させようとする結末が、この映画を複雑なものにしている」として、イーバートは4点満点中2点を付けた[8]。
受賞歴
- 第73回アカデミー賞
- アカデミー撮影賞ノミネート - ラホス・コルタイ
- アカデミー作曲賞ノミネート - エンニオ・モリコーネ
- 第51回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞ノミネート - ジュゼッペ・トルナトーレ
- 第54回英国アカデミー賞
- 英語圏外映画部門最優秀賞ノミネート - 『マレーナ』
- カブール映画祭
- グランプリ受賞 - ジュゼッペ・トルナトーレ
- 第46回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
- 最優秀撮影賞受賞 - ラホス・コルタイ
- 最優秀音楽賞ノミネート - エンニオ・モリコーネ
- 最優秀美術賞ノミネート - フランチェスコ・フリジェッリ
- 最優秀衣装デザイン賞ノミネート - マウリツィオ・ミレノッティ
- 第58回ゴールデングローブ賞
- ナストロ・ダルジェント賞
- 最優秀作曲賞受賞 - エンニオ・モリコーネ
- 最優秀編集賞ノミネート - マッシモ・クアッリア
- 最優秀衣装デザイン賞ノミネート - マウリツィオ・ミレノッティ
- 最優秀美術賞ノミネート - フランチェスコ・フリジェッリ
- フェニックス映画批評家協会
- 最優秀外国語映画賞ノミネート - 『マレーナ』
- 第5回ゴールデン・サテライト賞
- 外国語映画賞ノミネート - 『マレーナ』
- 最優秀作曲賞ノミネート - エンニオ・モリコーネ