ミラノ大学
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| Università degli Studi di Milano | |
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| |
| ラテン語: Universitas Studiorum Mediolanensis | |
| 別名 | UNIMI |
|---|---|
| モットー | Scientia illuminans dignum |
| 種別 | 公立大学 |
| 設立年 | 1924 |
| 学術的提携関係 |
EUA LERU |
| 予算 | €467 million (2020年) |
| 学長 | Elio Franzini[1] |
教員数 | 2100 (2018年)[2] |
職員数 | 1872 (2017年)[3] |
| 学生総数 | 61547 (2018/19年) [4] |
| 学部生 | 36717 |
| 大学院生 | 23058 |
博士課程在籍者 | 869 |
その他の学生 | 903 |
| 所在地 |
ミラノ |
| スクールカラー | Milan blue |
| 公式サイト |
www |
ミラノ大学(ミラノだいがく、Università degli Studi di Milano、英語: University of Milan)は、イタリア・ミラノの研究大学。
ミラノ大学(英語:The University of Milan、イタリア語:Università degli Studi di Milano、ラテン語:Universitas Studiorum Mediolanensis)は、公式には「UniMi」と略され、通称「ラ・スタターレ(La Statale、「国立大学」の意)」として知られる、イタリア・ミラノに位置する公立の研究大学である。約6万人の学生と約2,000人の常勤の教育・研究スタッフを擁し、ヨーロッパでも最大規模の大学の一つである[5]。
同大学は10の学部を有し、学士・修士課程あわせて140の学位プログラム、32の博士課程、65以上の専門課程を提供している。研究および教育活動は長年にわたり発展を続けており、国際的にも高い評価を受けている。また、欧州のエリート校のみで構成される名誉ある招待制ネットワークであるヨーロッパ研究大学連盟(LERU)に加盟する唯一のイタリアの大学であり、イタリア国内では研究量・質ともに最上位層である[6][7][8]。
中でも医学および生命科学分野は同大学の中核を成しており、臨床医学、腫瘍学、薬理学など複数の分野で世界トップクラスの評価を受けている。医学部はイタリア国内でも最難関の一つとして知られ、特に英語で授業が行われる医学課程(International Medical School, IMS)は募集枠が限られていることから競争が極めて激しく、非ヨーロッパ圏からの志願者にとっては欧州でも屈指の難易度を誇る[5]。
ミラノ大学はこれまでに多くの著名な卒業生を輩出しており、1974年のフィールズ賞受賞者エンリコ・ボンビエリ、2002年ノーベル物理学賞受賞者リッカルド・ジャッコーニ、2006年グルーバー宇宙論賞受賞者マルコ・ベルサネッリ、ブルーノ・ロッシ賞を複数回受賞したパトリツィア・カラヴェオ、2016年ロベルト・コッホ賞受賞者アルベルト・マンタヴァーニ、CERN事務局長を2度務めたファビオラ・ジャノッティなどがいる。また、イタリア元首相シルヴィオ・ベルルスコーニおよびベッティーノ・クラクシ、元ギリシャ大統領カロロス・パプーリアスも同大学の出身者である[5]。
さらに、同大学にはこれまでに、1963年ノーベル化学賞受賞者ジュリオ・ナッタ、1979年ウルフ賞(物理学)受賞者ジュゼッペ・オッキアリーニ、1995年ブルーノ・ポンテコルヴォ賞受賞者ウーゴ・アマルディといった著名な研究者も在籍していた[5]。
歴史
初期の歴史
ミラノ大学は1924年に、医学・科学・人文学の分野で長い伝統を誇る2つの機関――1861年設立の科学・文学アカデミー(Accademia Scientifico-Letteraria)と、1906年設立の臨床専門研究所(Istituti Clinici di Perfezionamento)――の統合によって設立された。1928年までに、同大学はすでにナポリ大学、ローマ・サピエンツァ大学、パドヴァ大学に次ぐ、イタリアで4番目に多い学生数を擁する大学となっていた[5]。
大学の施設の多くは、1915年以降に整備されたミラノの大学地区「チッタ・ストゥディ」に位置しており(同地区にはミラノ工科大学も所在する)、理系の学部・学科の大部分がここに集まっている。一方で、人文学部、法学部、政治・経済・社会科学系の学部などは主に歴史的中心市街地に配置されている[要出典]。
設立当初は、法学、人文学、医学、数理・物理・自然科学の4つの伝統的学部から構成されていた。その後1930年代には、既存の獣医学部(1792年)および農学部(1871年)を統合する形で、新たに獣医学部と農学部が加えられた[5]。
第二次世界大戦後、かつて「カ・グランダ」として知られたミラノ大病院(Ospedale Maggiore)の建物が大学に移管された。この建物はルネサンス期にフランチェスコ・スフォルツァの命により1456年に建設された歴史的建造物であったが、1943年の爆撃で大きな被害を受けた。1958年に修復が完了し、現在では大学本部や事務局、法学部・人文学部が置かれている[5]。
1960年代の改革
1960年代には義務教育の拡大と高等教育への進学機会の拡充により、イタリアの大学進学者数が増加し、ミラノ大学の学生数も6万人を超えた。これに伴い、学部の拡充と施設の増設が進められた。薬学部と社会・政治科学部が新設され、それぞれチッタ・ストゥディ地区と市中心部のヴィア・コンセルヴァトリオに設置された。また、生物学系学科のための新たな施設も建設された[5]。
医学部の学生が臨床研修を行うため、市内の病院との連携も強化された。大学の施設面積は1968年の約12万7千㎡から、1980年代初頭には約20万5千㎡へと拡大した。1989年には22学部・学生数7万5千人、1993年には9万人に達した[5]。
1980年代の再編
学生数の増加を受け、1986年以降、大学は施設の再編と分散化を進めた。ミラノ市内のビコッカ地区をはじめ、コモ、ヴァレーゼ、クレーマ、ローディなど地域各地に新たな拠点が設立された[5]。
1998年には大学が分割され、新たにミラノ・ビコッカ大学が設立された。また、ヴァレーゼにはインスブリア大学が設立され、ミラノ大学およびパヴィア大学の一部教育課程が統合された。この再編後も、ミラノ大学はロンバルディア州最大規模、かつイタリア有数の大学であり続けている[5]。
2000年代以降
2001年の教育制度改革により、新たな発展段階に入った。社会的ニーズや産業の変化に対応するため教育課程が見直され、学位プログラム数は74に増加、学生数も再び増加した。また、進路指導、インターンシップ、オンライン教育などの学生支援の充実や、約8万㎡に及ぶ教育・研究施設への投資も進められた[5]。
近年では[いつ?]、コミュニケーション学、異文化仲介、芸術分野への拡張が進むとともに、情報技術、獣医学、バイオメディカル分野でも発展が続いている。さらに、研究成果の社会実装や産業応用にも力が入れられている[5]。
現在
現在、ミラノ大学は9学部、134の学位プログラム、19の博士課程、92の専門課程を擁し、約6万5千人の学生が在籍している。教員は約2,500人の常勤教授・研究者と約500人の非常勤教員で構成され、技術・事務職員は2,300人以上にのぼる。欧州のトップ研究大学のみが参加を許される名誉ある招待制ネットワークであるヨーロッパ研究大学連盟に加盟している。さらに近年では、同大学は万博跡地に整備された未来志向の都市開発プロジェクトであるMilan Innovation District(MIND)への参画を進めており、理系分野を中心としたキャンパスの一部移転が計画されている。この地区は研究機関、大学、医療施設、企業が集積する次世代型のイノベーション都市として構想されており、同大学はその中核的存在として、産学連携や最先端研究の推進に重要な役割を担うことが期待されている[5]。
医学
ミラノ大学医学部(Facoltà di Medicina e Chirurgia)は、イタリア国内における医学教育・研究の中核的存在の一つであり、臨床医学および生命科学分野において高い国際的評価を受けている。
同大学の医学分野は各種大学ランキングにおいて上位に位置しており、QS世界大学ランキング(分野別)では医学分野で世界上位に入り、イタリア国内では首位とされている。さらに、研究実績に基づく評価として知られるResearch.comの医学分野ランキング(2025/2026年版)では、世界第47位に位置しており、イタリア国内では最高位となっている(東京大学69位、京都大学84位)。また、ライデン・ランキング(Leiden Ranking)においては、生命科学・医学分野における論文の質および被引用数の観点からも上位に位置しており、研究インパクトの高さが示されている。
教育面では、イタリア語課程に加え、英語による医学課程であるInternational Medical School(IMS)を設置している。IMSは国際的な志願者を対象とするプログラムであり、募集枠が限られているため、競争率が高いことで知られている。
臨床教育および研究は、ミラノおよびロンバルディア州内の医療機関との広範な連携により行われている。特に、イタリア保健省により研究機関として認定されたIRCCS(Istituto di Ricovero e Cura a Carattere Scientifico)を中心とするネットワークは、診療・研究・教育が一体化した高度医療体制を形成している。
主な教育・研究拠点は以下のとおりである:
- IRCCS カ・グランダ財団 マッジョーレ・ポリクリニコ病院
- ニグアルダ・カ・グランダ病院
- IRCCS サン・ドナート・ポリクリニコ
- IRCCS モンツィーノ心臓病センター
- IRCCS 国立がん研究所
- IRCCS ガレアッツィ整形外科研究所
- IRCCS「サンタ・マリア・ナシェンテ」ドン・カルロ・ニョッキ財団
- ガエターノ・ピニ整形外科研究所
- サン・パオロ病院
- ルイージ・サッコ病院
- サン・ジュゼッペ病院
- サン・カルロ・ボッロメーオ病院
- ファテベネフラテッリ病院
- IFOM-IEOキャンパス
これらの医療機関はそれぞれ専門分野において高い評価を受けており、心臓外科、腫瘍学、整形外科などの分野では国内トップクラス、またはヨーロッパでも有数の実績を有する。
このように、ミラノ大学の医学教育は、分野別に高い専門性を持つ複数の医療機関との連携によって支えられており、研究成果の国際的影響力と臨床教育の質を両立した体制を特徴としている。
評価
医学や生物分野に強みを持ち、QS2026の科目別ランキングでは医学が世界65位でイタリア国内1位(東京大学:57位、京都大学:83位)となっている。同様に、QS2026の科目別ランキング「生命科学・医学分野」においては、東京大学が36位、京都大学が60位、ミラノ大学が76位に位置している。医学部には英語課程とイタリア語課程が存在し、英語課程(international medical school, IMS) はイタリア国内でも最難関とされている。特にIMS非ヨーロッパ枠では募集人数が限られているため、欧州の医学部の中でも屈指の競争率の高さを誇る。なおミラノ大学IMSはイタリア語課程よりも倍率・入学難易度が高いとされている。[6][7][8]。
ランキング
- 2025年の世界大学学術ランキングにて、世界第151~200位、イタリアでは第2位とされた[6]。科目別ランキングにおいては臨床医学51-75位、バイオテクノロジー47位、獣医学9位、薬学・製薬科学31位[6]。
- 2026年のQS世界大学ランキングにて、世界第301位、イタリアでは第5位とされた[7]。QS科目別世界ランキングでは医学が世界65位、イタリア国内1位とされた。
- 2025-2026年のUSニューズ&ワールド・レポートにて、世界第150位、イタリアでは第3位とされた[8]。科目別評価では、消化器学・肝臓学15位、腫瘍学43位、薬理学・毒性学53位、臨床医学54位、放射線医学・核医学・医用映像64位、心臓・循環器系68位、感染症学同率77位、神経科学・行動学80位、免疫学98位。[8]
- CWTS Leiden Ranking(2025・Biomedical and health sciences)[9]世界 64位(参考:東京大学 78位、京都大学 139位)
- Research.com医学分野ランキング(2025/2026年版)[10]世界第47位(参考:東京大学69位、京都大学84位)。
組織
大学は10の学部(8のFacoltà、2のScuole)で構成されている[11]。
- 法学部(Facoltà di Giurisprudenza)
- 医学部(Facoltà di Medicina e chirurgia)
- 獣医学部(Facoltà di Medicina veterinaria)
- 農学部(Facoltà di Scienze agrarie e alimentari)
- 薬学部(Facoltà di Scienze del farmaco)
- 政治・経済・社会科学部(Facoltà di Scienze politiche, economiche e sociali)
- 理工学部(Facoltà di Scienze e tecnologie)
- 人文学部(Facoltà di Studi umanistici)
- メディア・言語・文化科学部(Scienze della mediazione linguistica e culturale)
- 運動科学部(Scuole Scienze motorie)