Wikiwand AI

銀聯

中国のクレジットカード会社 From Wikipedia, the free encyclopedia

銀聯(ぎんれん、簡体字中国語: 银联)は、上海市に本社を置く、中国銀聯、銀聯国際が提供する、中華人民共和国の居住者を中心に世界的な電子決済システムである。本社ではディスカバーカードと相互に加盟店を開放している。

略称 銀聯 CUP
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国
200135
上海市浦東新区含笑路36号 銀聯ビル
設立 2002年3月26日
概要 種類, 略称 ...
中国銀聯股份有限公司
China UnionPay
銀聯ビル
銀聯ビル
種類 株式会社
略称 銀聯 CUP
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国
200135
上海市浦東新区含笑路36号 銀聯ビル
設立 2002年3月26日
業種 金融業
代表者 劉廷煥(董事長)
許羅德(総裁)
外部リンク Global Site
https://www.unionpayintl.com
日本語サイト
https://www.unionpayintl.com/jp/
テンプレートを表示
閉じる
繁体字 銀聯
簡体字 银联
拼音 Yínlián
発音: インリェン
概要 銀聯, 各種表記 ...
銀聯
各種表記
繁体字 銀聯
簡体字 银联
拼音 Yínlián
発音: インリェン
日本語読み: ぎんれん
英文 Union Pay
テンプレートを表示
閉じる

概要

銀聯ネットワーク

中国銀聯は、2002年3月26日中国人民銀行の主導により、中国の銀行・カード産業の発展を目的に、中国国内の80以上の金融機関が共同で、中華人民共和国国務院の同意を得て設立された金融企業である。本社は上海市。設立から徐々に加盟機構数を増やし、現在は国内外の400近くの組織が加盟している[1]

銀聯設立以前は、中国の金融機関での決済は各地域・各金融機関でシステムやルールが統一されていなかった。異なる金融機関間の取引(残高照会、預け入れ、引き出し、送金など)や、同じ金融機関でも異なる地域間の取引については、一部または全部の決済ができない場合があるといった問題が生じた。

しかし、銀聯が設立されたことで、中国国内でもバラバラだった金融機関間の決済システムやルールを統一して標準化し、銀聯に加盟した金融機関同士をオンラインで結ぶことで銀聯設立以前にあった様々な問題を解決した。

銀聯カード

「銀聯カード」(银联卡/銀聯卡)は、銀聯のキャッシュカードであり、銀聯口座決済と紐付けされたクレジットカードまたはデビットカードである。中国国内発行数の約92%はデビットカードである。

中国以外にも、日本アメリカ合衆国大韓民国タイシンガポールドイツフランスオーストラリアなど181カ国に加盟店があり、VisaやMastercardの様な国際ブランドとなっている。

中国銀聯の公報によれば2015年第1四半期の銀聯カードによる決済額がVisaの同期決済額を抜いて世界トップになった[2]。2016年12月末現在中国国内で62億枚(内クレジットが5億枚)発行され(中国の人口は約13億7900万人)、取扱高は中国内だけで72兆9000億人民元に上る[3][4]

日本国内では、三井住友カード三菱UFJニコスが銀聯クレジットカードを発行している。クレディセゾンが銀聯プリペイドカードを発行していたが、2021年にサービスを終了した。銀聯デビットカードは、中国に本拠を置く銀行の在日支店の一部が発行している。また、銀聯キャッシュカードを用いた国外での現金引き出しには上限額の制限がある[5]

その他サービス

沿革

  • 2002年1月13日 - 中国人民銀行が銀行カードの全国共通決済システムの統一ロゴ「銀聯」を発表[8]
  • 2002年3月26日 - 中国銀聯股份有限公司が、中国工商銀行中国農業銀行中国銀行中国建設銀行交通銀行等の銀行カード発行金融機関85社の共同発起により、中国人民銀行の批准を経て正式に設立[8]
  • 2003年8月27日 - 南京市商業銀行が中国本土初の銀聯国際BIN番号「62」開頭のクレジットカード(銀聯標準カード)を発行[9]
  • 2004年4月30日 - 中銀香港が香港で海外初の銀聯標準人民元カードを発行[10]
  • 2004年5月9日 - 招商銀行が中国本土初の「62」開頭の銀聯標準デビットカードを発行[11]
  • 2005年5月 - ディスカバーカード (Discover Card) と相互提携協定を締結。ディスカバーカードが銀聯ネットワークのPOS・ATMで利用可能となり、銀聯カードもディスカバーのPULSEネットワークで受理可能となる[12]
  • 2008年・2009年 - 二度の増資を経て、株主数は152社に拡大、登録資本金は29.3億人民元となる[13]
  • 2014年11月17日 - Appleとの提携を発表し、中国国内で発行された銀聯カードによるApp Store決済に対応[14]
  • 2014年11月28日 - 中国銀聯・中国国家開発銀行ラオス中央銀行万象でラオス国家銀行カード決済システム構築の合作協定を締結。
  • 2015年6月15日 - 銀通に3%出資し、戦略パートナーとなる。
  • 2015年6月25日 - 銀聯カードの取引総額および発行数がVisaを上回り、世界最大の銀行カード決済機構となる。2015年第1四半期の銀聯カード全世界取引総額は11.8兆人民元(約1.9兆米ドル)で、Visaの同期1.75兆米ドルを上回った[15]
  • 2020年12月9日 - 金融クラウドサービス「銀聯雲」を発表[16]
  • 2024年12月31日時点で、銀聯カードの全世界受理ネットワークは183の国・地域に延伸し、84の国・地域で銀聯カードが発行されている[17]

業務範囲

中国銀聯の主要業務は以下の通り[18]

  • 銀聯ロゴの管理・運営。クレジットカードおよびデビットカードを発行する銀行に対し、銀聯ロゴおよび他のカードブランド (VisaMastercard等) のロゴを併記したデュアルブランドカードの発行を認可する。
  • 中国本土全域における銀行カード相互利用情報交換ネットワークの構築・運営。銀聯のサービスは中国本土の枠を超え、香港、マカオ、台湾、韓国、タイ、シンガポール、アメリカ合衆国、ドイツ、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア等160の国・地域で、銀聯カードによる現金引き出し・購入等のサービスが利用できる。
  • 中国人民銀行と連携し、銀聯クロスバンク取引決済システム (CUPS、China UnionPay System) の運営を行う。
  • QuickPass (閃付)、銀聯オンライン決済等の決済プロダクト・サービスの提供。
  • 銀行カードクロスバンク取引の業務規範および技術標準の策定。銀行間取引で発生する紛争 (カード発行銀行 (イシュア) と加盟店銀行 (アクワイアラ) との手数料配分等) の調停・仲裁
  • 業界研修、業務検討、国際交流の実施、関連する研究・コンサルティングサービスの提供。

株主と子会社

株主

2002年の設立時、原始株主は85社で、中国印鈔造幣総公司を除くいずれも国有銀行、株式制商業銀行および地方金融機関であった。2002年3月の検資報告および銀聯登録資本実収明細表によれば、工商銀行農業銀行中国銀行建設銀行交通銀行の五大国有銀行および中国印鈔造幣総公司が同等の出資 (各9,000万元、各5.45%)。9社の株式制銀行および国家郵政局が合計1/3の株式を保有していた[13]

2008年・2009年に二度の増資を経て、2014年時点で152株主となる。2009年時点での最大単一株主は中国印鈔造幣総公司で1.425億元 (4.86%)。次いで五大国有銀行、うち建設銀行が4.78%、その他は3.84%を保有し、上位6株主の合計持株比率は25%である[13]

主要子会社

中国銀聯傘下には十数社の子会社が存在する[13]。主な子会社は以下の通り。

  • 銀聯国際有限公司(銀聯国際)
  • 銀聯商務
  • 銀聯数据服務
  • 銀聯電子支付
  • 銀行カードテストセンター (BCTC、Banking Card Test Center) - 1998年4月設立、銀行カード・金融ICカード・端末機器の技術検査・安全認証を行う第三者専門技術検査機関

銀聯国際

銀聯国際有限公司(銀聯国際) は、銀聯の国際業務を担当する子会社であり、会員制で運営される国際協力機構でもある。本社は上海市浦東新区に置かれている。

ロシアのウクライナ侵攻による影響

銀聯国際のロシアでの事業は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に拡大した。2022年3月時点で天然氣工業銀行の銀聯カード発行枚数は10倍に増加した[19]。Novikombankの試算によれば、VisaMastercardがロシアでのサービス提供を停止したままであれば、銀聯カードはロシアにおいて5〜7%の市場占有率を獲得し得るとされる[20]

2022年9月には、フィンランドのロシア国境近郊の自動預け払い機 (ATM) で銀聯カードによる現金引き出しが急増し、ATMで現金が頻繁に枯渇する事態となった[21]。同年10月にはフィンランドのATMシステム運営会社Nokas CMSが銀聯と協議の上、フィンランドのATMでの銀聯カード受理を停止することを発表した[22]

ロゴマーク

現行の銀聯ロゴ (2005年採用、英字「UnionPay」を追加)

銀聯ロゴは、中国銀聯設立以前、銀聯ネットワークシステムの試運転初期に、計算機および図学の背景を持つ試運転責任者により「多元一体・海納百川・安定発展」をコンセプトに設計された。「天使の色」と称される赤・青・緑の3原色のブロックを配列して、誠信合作・安定通暢・安全保証を表現し、白色の中文「銀聯」を配置している。同ロゴは1997年に深圳で試用・登録された後、中国銀聯設立に際して同社に移管された[23]

2001年3月、中国人民銀行が「中国人民銀行関于統一啓用『銀聯』標識及其全息防偽標志的通知」(銀発〔2001〕57号)を発出し、銀聯ロゴが正式に採用された。2002年1月10日からは、北京、上海、広州、杭州、深圳の5都市で銀聯ロゴ付きの銀行カード発行が開始され、その後中国本土全域に拡大した[23]

2005年10月18日、中国銀聯は新ロゴを採用した。3色ブロックの色彩・面積・傾斜度等の局部要素を微調整するとともに、新たに英字「UnionPay」を追加したものである。導入当初は、海外に展開した旧ロゴと国内での新ロゴの併存による加盟店の混乱を避けるため、国内デビットカードおよび人民元単币クレジットカードに新ロゴを統一し、国際デビットカードおよび2通貨クレジットカードには旧ロゴを継続使用していたが、2009年以降は2通貨クレジットカードも順次新ロゴへ移行している[23]

中国国外で発行される銀聯カードの一部には、簡体中文「银联」の文字を含まず、英字「UnionPay」のみが表記されているものもある。

決済サービス

QuickPass

QuickPass闪付、クイックパス)は、銀聯カードに国際標準EMV(またはPBOC)チップを搭載した上で、RFID技術を用いて提供されるコンタクトレス決済サービスである。MastercardMastercardコンタクトレス、Visaのコンタクトレス決済と同じくEMVの非接触決済仕様に準拠しており[24]、銀聯カードを店舗の決済端末にタッチして決済を完了でき、決済時間を大幅に短縮できる。

2017年時点で、QuickPass機能を搭載したICカードは全世界で30億枚発行されており、中国国内では1,000万店の加盟店で取り扱われ、香港・マカオ・台湾・シンガポール・オーストラリア・アラブ首長国連邦・ロシア・ギリシャ等10以上の国・地域でも利用可能となった[25]。日本国内では2017年12月、東急プラザ銀座での導入を皮切りに、松屋銀座[26] 等で順次対応が進められた。2022年6月には西表島交通やんばる急行バスの路線バス車内において、日本国内の公共交通機関で初めてQuickPassが導入されている[27]

物理カードによるコンタクトレス決済に加え、Mobile QuickPassと呼ばれるNFC対応スマートフォン上での非接触決済にも対応する。銀聯カード会員はNFC機能付きのスマートフォンで専用アプリと紐付けることで、Apple PayHuawei PaySamsung Pay等の電子財布アプリ上でQuickPass決済を利用できる[25][28]

銀聯QR

銀聯QR (UnionPay QR Code) は、銀聯が提供するスマートフォンによるコード決済サービスである。利用者がスマートフォン上にコードを表示する利用者提示型と、店頭のコードを利用者が読み取る店舗提示型の両方に対応する。日本のコード決済統一規格JPQRにも対応している[29]

日本ではみずほ銀行が提供するコード決済サービスJ-Coin Payとの連携が実施されている。2024年11月22日にみずほ銀行・ユーシーカード・銀聯国際の3社で「銀聯QRユーザーへのJ-Coin Pay加盟店開放に関する提携契約」が締結され[30]、2025年3月24日にサービスが開始された[31]。訪日した銀聯QRユーザーが銀聯QR (UnionPay) アプリを日本国内で起動すると「J-Coin」ボタンが表示され、J-Coin Pay加盟店の店頭コードを読み取るか、店舗の端末で銀聯QRアプリのコードを読み取ることで円貨での決済が可能となる[32]。J-Coin Payとしては初めての海外決済事業者向け加盟店ネットワーク開放事例である[31]

雲閃付

雲閃付 (UnionPay App) は、銀聯が中国国内の各商業銀行や決済機関等の業界各社と共同で2017年12月に提供開始した、銀行業界統一のモバイル決済アプリである[33][34]。QuickPassによる非接触決済、銀聯QRによるコード決済、生活料金の支払い、振込、海外決済、口座開設、残高照会等の機能を統合的に提供する。複数の銀行口座やカードを1つのアプリで管理でき、利用者は1回に最大10枚までのカードを紐付けることができる[33]

デュアルブランドカード

中国本土

デュアルブランドカード双标卡、デュアルブランドカード)は、銀聯と中国外のカードブランド(VisaMastercardAmerican Express等)の2つのブランドが併記された銀聯カードの一種である[35]。海外のカードブランドが中国の金融取引に参加することへの制限と、銀聯の海外での適用性の低さという両面の課題を解決するため、両者の連携による発行戦略が採られたものであり、最初の発行は2002年12月、招商銀行とMastercardによるデュアルブランド・2通貨(人民元と外貨米ドル)カードである[36]

この方式のカードは、国内の決済端末での消費は銀聯の取引チャネルで決済され、国外POSでの消費は対応する海外のカードブランドの取引チャネルで決済される。中国国内における人民元決済は、中国政府の方針により銀聯の取引チャネルのみとされ、これにより海外のカードブランドが国外で発行したクレジットカードの中国国内利用に制限が課されている[36]

2017年以降は、デュアルブランドカードに代わって「1+1」単一ブランドカード(銀聯1枚と、Mastercard・Visa等の国外組織カード1枚を組み合わせ、両者で限度額を共有)への移行が進んだ[37]。2020年6月13日には、American Expressの中国本土子会社連通が中国人民銀行から「銀行カード清算業務許可証」の交付を受けた[38]。これを受けて、2023年3月には招商銀行がAmerican Expressと銀聯のデュアルブランドカードの発行を停止し、既存カードは満期到来後にAmerican Express単一ブランドカードに切り替える方針を発表した[39]

2025年4月以降は、中国銀行交通銀行・招商銀行をはじめとする複数の銀行が、既存の「銀聯-VISA」磁気ストライプ式デュアルブランドカードをPBOC・EMV両規格対応チップカード(国内外の銀聯ネットワークおよび国外のVISAネットワークでの接触式・非接触式決済に対応)にアップグレードする方針を発表している[40]

海外

韓国・ロシア・タイミャンマーパキスタンモンゴル等の一部の国では、現地のカードブランドと銀聯が提携してデュアルブランドカードを発行している。海外発行の銀聯デュアルブランドカードの主な提携先には、BC卡(韓国)、Mir(ロシア)、KoronaPay(独立国家共同体)、MPU(ミャンマー)、1link(パキスタン)等がある[要出典]

また、中国銀行・中国工商銀行の海外分支機構も、各国の決済システムに対応した銀聯デュアルブランドカードを発行している。カナダのInterac、オーストラリアのeftpos、マレーシアのmydebit等が代表例である[要出典]

Appleとの関係では、2014年11月17日に中国銀聯とアップルが提携を発表し、中国国内で発行された銀聯カードによるApp Store決済への対応を開始した。同社のApple Payは2016年2月に中国本土でサービスを開始し、銀聯カードによる利用が可能となった[41]

カード発行メンバー

その他

  • かつて、日本のクレディセゾン上海現地法人である世尊商務諮詢(上海)有限公司は、中国の中国銀行と提携し、「長城-SAIS◎Nクレジットカード」(長城《セゾン》カード)の名称で発行していた[42]。アジアの音楽授賞式Mnet Asian Music Awardsの2014年と2015年の公式スポンサーを務めた[43]

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks