ラーンジャナー
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| ラーンジャナー | |
|---|---|
| Raanjhanaa | |
| 監督 | アーナンド・L・ラーイ |
| 脚本 | ヒマーンシュ・シャルマ |
| 製作 |
アーナンド・L・ラーイ クリシカ・ルッラ[1] |
| 出演者 |
ダヌシュ ソーナム・カプール アバイ・デーオール モハンマド・ジーシャン・アユーブ スワラー・バースカル |
| 音楽 | A・R・ラフマーン |
| 撮影 |
ナタラージャン・スブラマニアン ヴィシャール・シンハー |
| 編集 |
アミターブ・シュクラ サンジャイ・サンクラ |
| 製作会社 | カラー・イエロー・プロダクション |
| 配給 |
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| 公開 |
|
| 上映時間 | 146分[2] |
| 製作国 |
|
| 言語 | ヒンディー語 |
| 製作費 | ₹360,000,000[2] |
| 興行収入 | ₹1,050,000,000[2] |
| 次作 | Tere Ishk Mein |
『ラーンジャナー』(Raanjhanaa)は、2013年のインドのヒンディー語恋愛映画。アーナンド・L・ラーイが監督を務め、主要キャストとしてダヌシュ、ソーナム・カプール、アバイ・デーオール、モハンマド・ジーシャン・アユーブ、スワラー・バースカルが出演している[3]。また、映画音楽の作曲はA・R・ラフマーン、作詞はイルシャード・カミルが手掛けた[4]。2013年6月21日にヒンディー語版が公開され、1週間後にはタミル語版『Ambikapathy』が公開されたほか[5][6][7]、2025年にはスタンドアローン映画の『Tere Ishk Mein』が公開された[8]。
ヴァーラーナシーで暮らすタミル人バラモンの少年クンダンは、ムスリムの少女ゾーヤーに恋をして何度もアプローチするが、やがてヒンドゥー教徒の少年が娘に近付いていることを知ったゾーヤーの両親は、彼女をアリーガルの学校に遠ざけてしまう。
8年後、成長したクンダンは仕事を通してゾーヤーの屋敷に出入りするようになっていた。そんな中、ジャワハルラール・ネルー大学の学生になっていたゾーヤーが帰郷し、クンダンと再会する。クンダンは再びゾーヤーにアプローチするが、彼女は宗教の違いを理由に彼を拒絶するが、両親が決めた縁談を断るためにクンダンに助けを求める。彼の活躍によって縁談は破談となったが、そこでゾーヤーには学生運動のリーダーであるアクラムと恋仲にあることが判明し、彼女から「アクラムとの結婚を両親に認めさせて欲しい」と依頼される。クンダンはゾーヤーの父ハイダルを説得して結婚を認めさせ、感謝するゾーヤーに対して「ほかの女性と結婚して君のことを忘れる」と告げ、幼馴染ムラリの妹で長年自分に想いを寄せていたビンディヤーと婚約し、同じ日に結婚式を挙げようとする。結婚式当日、クンダンはアクラムの正体がヒンドゥー教徒のジャスジートであり、ムスリムと偽ってゾーヤーと結婚しようとしていることを知る。激怒したクンダンはゾーヤーとジャスジートの結婚式場に乗り込んで事実を暴露するが、その結果ジャスジートはリンチされ瀕死の重傷を負い、ゾーヤーも自殺未遂を起こしてしまう。彼は2人の対応にかかり切りになっていたため、ビンディヤーとの結婚式を忘れてしまい、激怒した両親から勘当されてしまう。その後、クンダンは病院からゾーヤーを連れ出してジャスジートの屋敷に向かうが、すでにジャスジートは死んでおり、罪悪感を感じたクンダンは屋敷を飛び出してしまう。
ジャスジートを死に追いやり、ゾーヤーを苦しめる結果を引き起こしてしまったクンダンは故郷に戻らず各地を放浪するが、その際に出会った男から正しい行動をとるように助言され、ゾーヤーのもとに向かう。大学に戻っていたゾーヤーはジャスジートの遺志を継ぐため、彼の立ち上げた政党「全インド市民党」の党首となり、彼の姉ラーシュミと共に政治活動を始めていた。クンダンは贖罪のために政党のスタッフとなり、いくつかの政治問題を解決したことで党員たちの信頼を獲得し、やがて党のリーダー的存在になっていく。しかし、ゾーヤーはクンダンの台頭を快く思わず、「ジャスジートの作った政党を奪おうとしている」と反発し、党員たちにクンダンがジャスジートを死に追いやったことを暴露するが、ラーシュミを始めとする党員たちはクンダンの実力を重視して彼を次期選挙の候補者に擁立しようとする。同じころ、全インド市民党の躍進を阻止したい州首相は党内で孤立していたゾーヤーと接触し、クンダンの暗殺を持ちかける。選挙を間近に控えたころ、政治集会に出席したクンダンは狙撃され重傷を負い、病院に搬送される。良心の呵責に悩まされたゾーヤーは記者会見の場でクンダン暗殺の首謀者が自分と州首相であることを暴露し、その際にクンダンが暗殺計画を知りながら集会に出席していたことを知らされる。一方、クンダンは薄れゆく意識の中、ヴァーラーナシーで生まれ変わり、再びゾーヤーと恋に落ちることを誓いながら死を迎える。
キャスト
- クンダン・シャンカル - ダヌシュ
- 幼少期のクンダン - ナーマン・ジャイン
- ゾーヤー・ハイダル - ソーナム・カプール
- 幼少期のゾーヤー - サニヤー・アンクレサリア
- アクラム・ザイディ / ジャスジート・シン・シェールギル - アバイ・デーオール
- ムラリ・グプター - モハンマド・ジーシャン・アユーブ
- 幼少期のムラリ - アンシュ
- ビンディヤー・トリパーティー - スワラー・バースカル
- 幼少期のビンディヤー - パヤル・ボージュワーニー
- シャーヒド - イシュワク・シン
- ラーシュミ・シェールギル - シルピ・マルワハ
- アーナンド - スーラジ・シン
- インザマーン・カラブ=イ=ハイダル - クムド・ミシュラー
- ゾーヤーの母 - ディーピカー・アミン
- クンダンの母 - ウルミラ・シャルマ
- シヴラーマン・シャンカル - ヴィピン・シャルマ
- アショーク・トリパーティー警部 - ラーフル・チャウハン
- ビンディヤーの母 - リーナー・クマール
- 州首相 - スジャータ・クマール
- ヴィノード・グプター議員 - アルヴィンド・ゴウル
製作
企画
2011年末にシャーヒド・カプールとソーナークシー・シンハーが主演に起用されたが、『“ロミオ”・ラージクマール』に出演するため降板した。その後、2012年1月下旬にタミル俳優のダヌシュが主人公クンダン役に起用された。彼にとって『ラーンジャナー』がヒンディー語映画デビュー作となり[9]、役作りのためにヒンディー語の会話術を学んだという。同年3月下旬にソーナム・カプールがヒロイン役に起用され[10]、翌4月に彼女は監督のアーナンド・L・ラーイと共にジャワハルラール・ネルー大学を訪れて役作りを行ったほか、舞台演劇の演出家として知られるアルヴィンド・ゴウルが主催するワークショップに参加して大道芸を学んでいる[11]。また、アーナンド・L・ラーイは『ザ・タイムズ・オブ・インディア』の取材を受けた際、主演の2人を起用した理由について「キャラクターの若いころの姿も演じられる俳優をキャスティングした」と語っているほか、ストーリーについて「非常に激しいラブストーリーであり、デリー・パンジャーブ州・チェンナイを旅するほか、アバイ・デーオールが特別出演する予定だ」と明かしている[12]。クンダンの母親役にはヒンディー語ドラマ界で活動するウルミラ・シャルマーが起用され[13]、クンダンの幼馴染ビンディヤー役にはアディティ・ラーオ・ハイダリーが起用されたもののスケジュールの都合で降板し、代わりにスワラー・バースカルが起用されている[14]。
キャラクター造形
ダヌシュ演じる主人公クンダンは、故郷ヴァーラーナシーとヒロインのゾーヤーに強い執着を見せる人物であり、10代の少年が繊細な大人に成長する姿が描かれている。また、ソーナム・カプールはゾーヤーについて「ゾーヤーは子供っぽくて予測不可能なんです。彼女は冷たくて、同時に客観的でもあるんです。彼女は男性にとって魅力的に映る要素をすべて持ち合わせた存在なんです」と語っているほか、ゾーヤー役を演じるに際して、『Guddi』でヒロインのグッディ役を演じたジャヤー・バッチャンからインスピレーションを得たことも明かしている[15]。また、アバイ・デーオールは社会主義者で政治家を志す大学生アクラム役を演じている[16]。
撮影

主要キャストの発表後も撮影は大幅な遅れが生じていたが、これは音楽監督のA・R・ラフマーンが2012年ロンドンオリンピックの開会式の楽曲に取り掛かっていたことが原因といわれているが、アーナンド・L・ラーイはこの報道を否定している[17]。2012年9月上旬からヴァーラーナシーで撮影が始まり、40日間かけて同地及び周辺地域で撮影が行われた。報道によると、ダヌシュとソーナム・カプールが17歳の若者の姿も演じていたという[18]。10月に入り、ダヌシュが他作品の撮影中に肩を負傷したため『ラーンジャナー』のダンスシーンの撮影が延期され、12月からヴァーラーナシーで撮影が再開された[19][20]。11月4日にはデリーのインド門でソーナム・カプールとアバイ・デーオールが出演する「Tu Mun Shudi」の歌曲シーンの撮影が行われ[21]、会話シーンの撮影は同地のインド・マスコミュニケーション研究所で12月上旬から2013年1月まで行われた。当初は物語の舞台となるジャワハルラール・ネルー大学で撮影を行う予定だったが、大学側から撮影許可が得られなかったため、代わりにインド・マスコミュニケーション研究所で100人のスタッフを動員して撮影が行われたほか、一部のシーンはハリヤーナー州でも行われている[22]。2012年12月27日にタイトル・ナンバーの撮影が行われ[23]、2013年1月7日からデリーで最終スケジュールの撮影が行われた[24]。また、3月にはハリヤーナー州のパタウディ宮殿でいくつかのシーンが2日間かけて撮影された[25]。
音楽
背景音楽とサウンドトラックの作曲はA・R・ラフマーンが手掛けており、ヒンディー語版の作詞はイルシャード・カミル、タミル語版の作詞はヴァイラムトゥがそれぞれ手掛けている。A・R・ラフマーンは『ヒンドゥスタン・タイムズ』の取材に対し、ヴァーラーナシーの魅力を引き出すために伝統音楽をフィーチャリングしたと語っている[26]。サウンドトラック・アルバムには9曲が収録されており[27]、ヒンディー語版は2013年5月27日に、タミル語版は6月17日にソニー・ミュージック・インディアとエロス・ミュージックからリリースされた[28]。
マーケティング
公開

2013年のホーリー祭に合わせてファーストルックポスターが公開され[32][33]、4月24日に予告編が公開された[33][34]。6月21日にヒンディー語版が公開され、座席稼働率は50-55パーセントを記録した[35]。一方、パキスタンでは中央映画検閲委員会の判断で国内での上映が禁止された。配給会社IMGCグローバル・エンターテインメントのCEOアムジャド・ラシードは中央映画検閲委員会から上映禁止の理由として、「ソーナム・カプールが演じるムスリムの女性がヒンドゥー教徒の主人公と恋に落ち、不倫関係に発展するという不適切な描写があるため」と説明を受けたことを明かしている[36]。
2025年に再上映されたが、その際にAIを利用して結末がハッピーエンドとなるように修正されたため、アーナンド・L・ラーイから批判された[37]。また、ダヌシュもAIを利用した改変を「映画から魂を奪う行為であり、ストーリーテリングに対する誠実性や、映画のレガシーを脅かすものだ」と批判している[38]。これに対し、エロス・インターナショナルは「オリジナルに最大限の敬意を払った再解釈であり、改竄したものではない」と反論し、古典的名作を再上映して地域市場の新規観客を開拓する方針の一環であると説明している[39]。
