1940年[注 2]、リデラード(リデル)・ソドサ夫人がジョン・オービンに子供の頃の思い出話を語り始める。
リデルは、エドガーとアランの2人の少年と、夏ごとに森から別の森へと移り住んでいた。時折次の森へと移動する途中で村で村人を見かける以外には、他に人の姿を見かけることはなかった。
しかし、彼女が10歳の頃の春先に、リデルは彼女の祖母に引き渡される。そうして森の世界から引き戻されたリデルは、人間の世界で目覚め歩き出し始める。
そんなある日突然、リデルは気がつく。まるで絵から抜け出た画像のように姿の変わらない少年たちは、一体何者だったのだろうと。そして、私だけが年を取る、だから彼らは私を見放したのだと。
それから彼女は毎夜、彼らがいつか突然訪れはしないかと期待して、窓を開けて眠るようになる。しかし、いつしか窓を閉じ、そして彼女は結婚するのであった。
それでもときにどうしようもなく昔の自分が浮かんできて、せつない思いをすることもある。そんなときには夫に「私、昔小鳥の巣箱にいましたの。どこかの遠い森の中で、2羽の小鳥に育てられたんですよ。」と語りかける。夫は何のことかわからずに、ただ眉を上げて微笑むのであった。