湿球温度計を用いた湿球温度の測定原理はルイスの関係を用いて考察される。測定系をモデル化し、球形の液滴が気温T∞の気流の中に存在しているとし、このとき液滴の温度Twがいくらになるかを考える[2]。気流速度があまり速くなく、温度差T∞ - Tw > 0もあまり大きくないと仮定すれば液滴の蒸発は激しくなく、ルイスの関係が成り立つと考えてよい。液滴の蒸発潜熱をL、液滴が蒸発する質量速度を
とすると、気流から液滴に単位時間あたりに与えられる熱量
は

である。一方、
は

で与えられる。ここでdは液滴の直径、ww, w∞はそれぞれ液滴表面と主流中の水蒸気の質量分率である。
ルイスの関係が成り立っていればh/hD = cpであるから、

となり、液滴温度Twは気流速度によらずに定まることが分かる。この液滴温度が湿球温度であり、また水蒸気質量分率と水蒸気圧と一定の関係があるため、この関係式は湿球温度と水蒸気圧との関係とみなすことができる[3]。
もう少し具体的に述べると、気流のレイノルズ数がRed = 0.6 - 2400の範囲では

である。ルイスの関係が成り立っていればPr = Sc、かつk/(ρ cp D) = 1であるから、h/hD = cpであることが確認できる。