ロレンチーニ器官
微弱な電流を感知する電気受容感覚器官
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歴史
進化
解剖学
コラーゲンの鞘内では複数の神経繊維を含む感覚細胞の束が形成されており、これを膨大部という。膨大部はゲルで満たされた管と皮膚の細孔を含む。ゲルは、海水と同じ抵抗率と半導体に似た電気特性を持つ糖タンパク質ベースの物質である[4][9][10]。
孔は、サメやエイの鼻孔と口の周囲の皮膚、ならびに前鼻弁、ひげ、ひだ、および下唇の溝に集中している。管のサイズは通常、動物の体の大きさに対応するが、膨大部の数は同じである。ロレンチーニ器官の管には、孔が開いている場合とそうでない場合がある。孔のない管は、外部の流体の動きとは相互作用せず、異物の干渉を防ぐ触覚受容体としての機能を果たす[11]。
- イタチザメの頭部。細孔がはっきりと見える
- ロレンチーニ器官における電気受容器(赤点)は、初期の脊椎動物の側線器官(灰色線)から進化した。
- ロレンチーニ器官内部。白い丸型の構造は膨大部である。
電気受信
ロレンチーニ器官は、水中の電場を検知することができる。より正確には、皮膚の細孔にある電気受容体細胞基部の電圧との電位差を検出する[7][12][13]。100万分の1ボルトという極小の電位差を感知できる。
正の細孔刺激は電気受容細胞からの神経伝達の速度を低下させ、負の細孔刺激は速度を増加させる。各膨大部には、支持細胞によって分離された単一層の受容体細胞が含まれる。細胞は頂端の密着結合によって接続されており、細胞間で電流が漏れることは無い。受容細胞の頂端面は表面積が小さく、電位依存性カルシウムチャネル(脱分極を引き起こす)とカルシウム活性化カリウムチャネル(その後の再分極を行う)が高濃度で存在する[14]。
管壁の抵抗は非常に高いため、管の孔と膨大部の間の電位差はすべて、厚さ50マイクロメートルの受容体上皮を介する。受容体細胞の基底膜は抵抗が低いため、電圧の大部分は閾値にある興奮可能な頂端面全体で降下する。受容体細胞を横切る内向きのカルシウム電流は基底面を脱分極させ、大きな活動電位、つまり脱分極の後に再分極が起こる波を引き起こす。これにより、シナプス前でのカルシウムの放出と求心性神経繊維への興奮性伝達物質の放出が引き起こされる。これらの繊維は、検出された電場の大きさを脳に伝える[15]。
膨大部には伝導度の大きいカルシウム活性化カリウムチャネルがある。サメは他のどの動物よりも電界に対して敏感で、感受性閾値は5 nV/cmと低い。膨大部の管を満たすゲルであるコラーゲンゼリーは、あらゆる生物材料の中で最も高いプロトン伝導性を持つものの1つである。これは97%の水にケラタン硫酸を含み、伝導率は約1.8 mS/cmである[12][15][16]。すべての動物は筋肉の収縮によって電場を発生させる。電気受容性の魚は獲物の筋肉の収縮から弱い電気刺激を感知する可能性がある[7]。
ノコギリエイは他の軟骨魚類よりも多くの孔を持ち、電気受信能力が高い。頭部、吻側の腹側と背側、体の背側にロレンチーニ器官を持つ[17]。
