三菱・380

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販売期間 2005年 - 2008年
駆動方式 FF
三菱・380
DB型
三菱・380 リミテッド
概要
製造国 オーストラリアの旗 オーストラリア
販売期間 2005年 - 2008年
ボディ
ボディタイプ 4ドア・セダン
駆動方式 FF
プラットフォーム 三菱・PSプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 6G75型 V型6気筒 3.8 L SOHC24バルブ
変速機 5速MT、 5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,750 mm (108 in)
全長 4,837 mm (190.4 in) - 4,855 mm (191.1 in)
全幅 1,840 mm (72 in)
全高 1,480 mm (58 in)
車両重量 1,625 kg (3,580 lb) - 1,670 kg (3,700 lb)
系譜
先代 三菱・マグナ
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380(スリーエイティ)は、日本自動車メーカー三菱自動車工業完全子会社であるミツビシ・モーターズ・オーストラリア(略称: MMAL)により2005年から2008年にかけて製造された中型乗用車英語版である。380は1985年4月に導入されたマグナ及び1991年4月に導入されたヴェラーダの後継車であり、殆ど米国で設計された9代目ギャランを基にAU$600万を費やして開発と生産が行われた[1]。380はMMALのオーストラリア市場向けに生産される前輪駆動方式セダンを踏襲し、トヨタ・オーリオンと共に後輪駆動方式のフォード・ファルコンホールデン・コモドアに競合した。

380の発表前でさえ既に380はMMALにとり「伸るか反るか」の博打であると噂されていた[2]。販売が低調なまま推移すると、2006年4月28日にモデル構成が見直されシリーズIIとなりベースモデルは約20%もの価格引き下げを実施された[3]。購買意欲を喚起するために2007年7月29日に主に外観デザインに手を入れたシリーズIIIが導入された[4]。これらの変更があったものの販売を好調する事は出来ず、380はMMALが生産で利益を向上させる事が出来ないまま2008年3月に生産終了となった。

デザイン

「DB」シリーズの三菱・380の開発は、日本三菱自動車工業経営幹部がMMALに2種類の近似モデルに関する作業開始を承認した2002年に始まった。最初のモデルはコードネーム「PS41」と命名された9代目ギャランの右ハンドル仕様であり、マグナとヴェラーダの代替となる予定であった。2番目のモデルは2007年に発売予定の社内で「PS41L」として知られたロング・ホイールベース版で、左右両ハンドル仕様が作られる予定であった[5]。しかし三菱自動車工業の財務状況が更に悪化するとダイムラー・クライスラー社は三菱自動車工業との提携から手を引き、「PS41L」の開発は2004年に破棄され、「PS41」が量産に入るかどうかも疑問視されるようになった。2004年半ばに実施された会社の調査では84%のオーストラリア人(だいたい5人中4人)が三菱自動車のオーストラリアでの生産中止を信じ込んでいることが分かった。ブランドに対する信頼回復のために380の発売前の2004年12月に一連のテレビCMが放映された[6]。後のMMALのCEOトム・フィリップス(Tom Phillips)を中心に宣伝は業界初の5年/13万km 保証の導入を喧伝した。三菱は元クライスラー社の会長リー・アイアコッカのスローガンをもじってCMの最後を「高品質で素質の良い車をお探しなら、これをどうぞ」("if you can find a better-built, better-backed car anywhere, then buy it.")で締めくくった[7]

380 SX(写真)とGTに共通の顔回り

380の開発には車両製造のためのアデレードの生産施設へのAU$250万の投資を含む合計AU$600万が投じられた[8]。これには、それまでの別個のパネルから整形されていたボディ側面を一体パネルから製造するための新しいプレス機器の導入費が含まれていた。これにより2005年時点での業界標準の1.0から1.5 mm(0.04 - 0.06 in)厚に比べ0.7 mm(0.03 in)厚の鋼板を使用しての生産が可能になった[9]

LSとLXとも共通のベースモデルの380(写真)のオリジナルの顔回り
380の後ろ姿

開発の極初期の段階から三菱自動車は常に「PS41」を北米のギャランとは外装スタイリングの面で異なるものにしようという意図を持っていた。問題は「PS41」がギャランと同じ骨格と側面形状を有していたため、ほとんどの部分は変更されずそのまま残るということであった。クロベリー・パーク(Clovelly Park)工場が刷新されたことでボディパネルを製造する治具も新しくなり、より強靭なボディを製造することができるようになった。これによりMMALはデザインに多少は手を入れる余地を得ることができ、大型化した前部フェンダーやボンネットの刷新、新しいヘッドライトやグリル、バンパーが生み出された[10]

「PS41」の顔回りは元々は当時の三菱自動車のチーフ・デザイナーのオリビエ・ブーレイがデザインしたものであった。ブーレイは2003年モデルのマグナ/ヴェラーダのフェイスリフトも担当していたが、この変更は購入者には不評であった。2004年にダイムラー・クライスラー社が三菱自動車との提携から手を引いたときにブーレイの影響も終わりを告げ、これにより発売前に外装に手を入れる1回だけの最後の機会が訪れたが、生産開始まで1年弱の時間しか残されておらずデザインのやり直しはMMALと親会社の日本との協力で行われた。デザイン修正の基本的な部分は日本のデザイン・スタジオで実施され、スポーツモデルが現地でデザインされた[11]

エンジニアリング

よりオーストラリア市場に適した車となるようにギャランと比較して70%の変更が施されていた[12]。オーストラリアの道路状況、法規、顧客の嗜好といったものが変更箇所の根源であった[13]。車体後部の床構造は標準サイズのスペアタイヤを搭載できるように変更され、後部側面の梁は牽引能力改善のために強化された。オーストラリアの道路状況のためにボディの強度が上げられ、これにより改善されたボディ剛性により車両の運動性能も向上した。このことは、より洗練された設計のサスペンション、新しいショックアブソーバースタビライザーの採用といったものに繋がった[14]

380はセダンのみで、エンジンは全くの新型の3.8 L V型6気筒SOHC24バルブヘッドを採用した6G75型であった。普通とは異なりスポーツモデルが最廉価のベースモデルよりも高出力のエンジンを搭載しているといったことはなかった。異例なことは、5速MTの380 ES(5速ATはESにはオプション)が事実上全モデル中で最速車であり、175キロワット (235 hp)と343 Nmのエンジンはこの車を0–100 km/h (0–62 mph) 加速を7.6秒で走らせた。ギヤ比の関係で380が装着したMTとATの加速性能は同じであった。

各モデルの仕様

2007年モデルの380 ES スポーツ(シリーズIII)の内装

380 シリーズIIIにはES、SX、VRXとGTという4モデルがあった。5速のMTかATのどちらかが選べるESはトラクションコントロール、前方と側面エアバッグ、自動温度調節式エアコン、電動ドアミラー、パワーウインドウ、運転席の電動調節式シート、ハンドルに装着されたオーディオ用スイッチ、電気式ブレーキ圧分配装置付(Electronic Brakeforce Distribution:EBD)アンチロック・ブレーキ・システムといったものを標準で備えていた。ESはアルミホイール、フォグライト付スポーツ・フロントバンパーも備えていた。その上のATのみのSXは、特徴ある灰色のスポーツ・シート、革巻きハンドル、多機能カラーLCDディスプレー付6連装CDプレイヤー、スポーツ・リヤバンパー、17"のアルミホイールとスポーツ仕様のサスペンションが追加されていた。VRXはより大がかりなスポーツ仕様の外観を備え、前後のバンパーには濃灰色のアクセントが入れられ、目立つリヤウイング、磨きと塗装が入った17"のアルミホイールを装着していた。VRXの内装は座席に青い生地が追加され、前部座席には「VRX」の刺繍が入り、刺繍はオプションで銀糸でかがられた革製も選択できた。VRXは5速のMTかATのどちらかが選択できた。最上級モデルのGTは標準で革内装、磨きと塗装が入った17"のアルミホイール、トランク一体型スポイラーとトランクのメッキ装飾パネルとボディ側面の傷防止ストライプを備えており、三菱はGTには追い金なしでGTLという名称通りの豪華装備オプション付のモデルを提供していた。GTLスポーツは、控えめなテールライト回り、銀塗装のアルミホイール、ベージュ色に黒色をあしらった内装を持っていた。

シリーズIIIの発売時に三菱は2つの特別モデルを発表した。ESをベースとしたスポーツ・エディションは、17"のアルミホイール、目立つリヤウイング、スポーツ仕様サスペンション、黒色内装とサンルーフがESと同価格で提供された。

VRXをベースとした380 VRX 「フュージョン・バースト」("Fusion Burst")は、限定のオレンジ色塗装であった。塗色以外ではサンルーフと特別生地の内装を備えたフュージョン・バーストはVRXと同価格で提供された。

販売、評判とオーストラリア生産の終幕

脚注

出典

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