世界の名著 : マキアヴェリからサルトルまで
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『世界の名著 : マキアヴェリからサルトルまで』(せかいのめいちょ : マキアヴェリからサルトルまで)は、1963年に中公新書から刊行された古典解説書(思想史文献ガイド)である。編者は河野健二。
本書は、ニッコロ・マキアヴェッリ『君主論』からジャン=ポール・サルトル『存在と無』まで、西洋思想史の主要著作を網羅し、それぞれの内容と意義を簡潔に解説している。戦後日本における古典読書運動の一環として企画され、思想史教育や一般教養に大きな影響を与えた。
- 本書は「中公新書」の第一冊である桑原武夫編『日本の名著 : 近代の思想』の姉妹編として企画された。
- 『日本の名著』が明治以後約80年間を対象としたのに対し、本書はルネサンスから現代まで約450年間を扱い、対象国も10か国に及ぶ。
- 社会思想を中心に据えつつ、哲学・宗教・歴史・自然科学も含め、学問領域の閉鎖性を打破し、総合的な視点から選書することを意図した。
- 編纂にあたっては作田啓一、平井俊彦、田中真晴の協力を得て、討議を重ねて選定が行われた。
- 近代の哲学・社会思想に重点をおき、芸術作品はすべて除外した。
- ページ数の制約から収録は45冊に限定され、重要項目(ルネ・デカルト、ジョン・ロック、ジャン=ジャック・ルソー、アダム・スミス、カール・マルクスなど)には余分のページを割いた。
- 割愛した著作については、関連性の深い収録作品の解題によって代表させる方針が採られた(例:ロックの項でデイヴィッド・ヒュームをカバーするなど)。
出版情報
内容構成
本書は思想史上の主要著作を時代順に紹介している。目次には以下の著作が含まれる:
特筆性
- シリーズの起点 - 後に展開された「世界の名著」シリーズの先駆的存在。
- 思想史教育への影響 - 戦後日本の大学教育や一般教養において、古典解説書として広く利用された。
- 文化的意義 - 哲学・思想の古典を一般読者に紹介する役割を果たし、読書文化の形成に寄与した。
解題対象作品と解説者
表記は原則として原本に従った。ただし、原本では 都築忠七 が「都筑忠七」、滝沢克己 が「滝沢克巳」と表記されているが、誤植と思われるため修正した[1]。
| 著者 | 書名 | 刊行年 | 解説者 |
|---|---|---|---|
| マキアヴェリ | 君主論 | 1513 | 河野健二 |
| トマス・モア | ユートピア | 1516 | 平井俊彦 |
| カルヴァン | キリスト教綱要 | 1536 | 西川潤 |
| デカルト | 方法叙説 | 1637 | 橋本峰雄 |
| ホッブズ | リヴァイアサン | 1651 | 平井俊彦 |
| 黄宗羲 | 明夷待訪録 | 1663 | 小野和子 |
| ニュートン | プリンキピア | 1687 | 浅井健次郎 |
| ロック | 人間悟性論 | 1690 | 平井俊彦 |
| モンテスキュー | 法の精神 | 1748 | 樋口謹一 |
| ルソー | 人間不平等起原論 | 1755 | 桑原武夫 |
| アダム・スミス | 諸国民の富 | 1776 | 河野健二 |
| カント | 純粋理性批判 | 1781 | 山元一郎 |
| エドマンド・バーク | フランス革命の省察 | 1790 | 越智武臣 |
| マルサス | 人口論 | 1798 | 溝川喜一 |
| ヘーゲル | 法の哲学 | 1821 | 出口勇蔵 |
| サン=シモン | 産業者のカテキスム | 1824 | 坂本慶一 |
| トクヴィル | アメリカのデモクラシー | 1835 | 樋口謹一 |
| キルケゴール | 死にいたる病い | 1849 | 橋本峰雄 |
| ダーウィン | 種の起原 | 1859 | 渋谷寿夫 |
| ジョン・S・ミル | 自由について | 1859 | 行沢健三 |
| マルクス | 資本論 | 1867 | 河野健二 |
| イェーリング | 権利のための闘争 | 1872 | 磯村哲 |
| ランケ | 世界史 | 1881 | 越智武臣 |
| ニーチェ | ツァラトゥストラはかく語りき | 1883 | 梅原猛 |
| トルストイ | 人生論 | 1887 | 滝沢克己 |
| シドニービアトリス・ウェッブ | 産業民主主義 | 1897 | 都築忠七 |
| デュルケーム | 自殺論 | 1897 | 作田啓一 |
| マックス・ウェーバー | プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 | 1904 | 出口勇蔵 |
| レーニン | 民主主義革命における社会民主党の二つの戦術 | 1905 | 河野健二 |
| ラッセル | 哲学の諸問題 | 1912 | 橋本峰雄 |
| フロイト | 精神分析入門 | 1915 | 作田啓一 |
| デューイ | 民主主義と教育 | 1916 | 永井道雄 |
| ルカーチ | 歴史と階級意識 | 1923 | 平井俊彦 |
| 孫文 | 三民主義 | 1924 | 西田太一郎 |
| ハイデッガー | 存在と時間 | 1927 | 橋本峰雄 |
| マンハイム | イデオロギーとユートピア | 1929 | 作田啓一 |
| ラスキ | 近代国家における自由 | 1930 | 岡本清一 |
| トロツキー | ロシア革命史 | 1932 | 松田道雄 |
| アインシュタイン | 晩年に想う | 1950 | 井上健 |
| グラムシ | 新君主論 | 1929 | 藤沢道郎 |
| ケインズ | 雇用・利子および貨幣の一般理論 | 1936 | 山田浩之 |
| 毛沢東 | 新民主主義論 | 1940 | 貝塚茂樹 |
| フロム | 自由からの逃走 | 1941 | 作田啓一 |
| バルト | 福音主義神学入門 | 1961 | 滝沢克己 |
| サルトル | 存在と無 | 1943 | 竹内芳郎 |