中国崩壊論

From Wikipedia, the free encyclopedia

中国崩壊論ちゅうごくほうかいろん)は、バブル経済公害民主化などによって、中華人民共和国が崩壊するという論である。

水質などの環境汚染(公害)、人口爆発あるいは少子化、民主化への不満からくる内紛などから中国は自滅をして崩壊するという論である。 日本において特に2000年代から多数出版されているが、同じ筆者による内容の焼き直しも多く、またタイトルに「崩壊」とあっても悲観的な材料をあつめて最後に「崩壊するおそれがないとはいえない」といった本も多い[1][2]高田勝巳によれば、1984年ごろからすでに語られており中国の人口で経済発展は爆発的だが、一党独裁の政治的な不安定さから崩壊のリスクも見据えなければならない、といった論調であったという。[3]

中国崩壊論の崩壊

中国や中国共産党政府に対しては、中国崩壊論が書籍によって大々的に語られてきた。黄文雄の書籍を例にとると、「大予言 中国崩壊のシナリオ」という本を1989年に出版している[4]。 2017年にジャーナリストの高口康太が出版社に対して行った取材によると、中国崩壊本の主要読者層は60代前後であり、著名作家の本であれば1万部を超える売上が見込めていた[5]。しかしながら、野嶋剛によって同年、中国崩壊論が主張する主だった予測が外れていることが指摘されている[6]。また、これには日本に大きなコストを払うことなく中国の存在感が縮小してほしいという願望に基づく側面が多く、崩壊後に日本が取るべき対応について議論した本はほとんどない[7][8]。 複数の「崩壊本」を執筆してきた評論家の石平は、「崩壊するなどとは言っていない」「持続不可能と指摘しているだけ」と主張している。また、中国崩壊というタイトルをつけた自著についても、出版社側が勝手にそのような名称にしただけだと弁明している[9]

こうした「崩壊本」が出版され続ける背景として、中国人に対する優越感にもかかわらず、現実の中国の台頭を認めたくないという日本人の願望が指摘されている[10][11][12]。 また、中国崩壊本は一定の需要があることから、出版業界では「中国崩壊マーケット」とも言えるものが形成されており[3]、中国研究者の富坂聰も複数の出版社から『中国が今すぐ崩壊するという本を書いてくれ』と頼まれたことがあったという[13]

野嶋剛川島博之も「“中国崩壊”は日本人の願望に過ぎず、あり得ない」と分析している。

また、野嶋剛は中国崩壊論は特に日本のみに多く見られるもので、米国や台湾では中国脅威論はあっても中国崩壊論はあまり見られないと述べている[14]

海外での中国崩壊論

米国、台湾、オーストラリア、インドなどでも中国に批判的な書籍は多数存在するが、特に日本の書籍の特徴として中国脅威論だけでなく、中国崩壊論が多いことがあげられる。 しかしながら、日本以外にも下記のような中国崩壊論の書籍が存在する。

米国

海外での中国崩壊論は、2001年に発売されたゴードン・チャンの「やがて中国の崩壊がはじまる」などか有名である。

台湾

2018年には王世榕によって「2031中國崩潰」という本が発売されている。王世榕は本書の中で、「第22回全国代表大会」を控えた2031年には、独裁的・権威主義的な帝国支配の大一統という概念の下、中国は権力の乱用と内部闘争に巻き込まれる運命にあり、指導者が交代すると中国は再び破壊的な混乱に陥る可能性があると予測している。 また、遅くとも2031年には、中国は大きな社会的・制度的崩壊に直面すると予測した[15]

その他

劉仲敬は、中国はやがて崩壊し無秩序な状態に陥るとしてそれを「大洪水」とよんでいる。

中国脅威論との関係

関連項目

脚注

Related Articles

Wikiwand AI