主観的幸福感
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主観的幸福感(しゅかんてきこうふくかん)、主観的ウェル・ビーイング(Subjective well-being, SWB)とは、主観的な幸福感のこと。
心理学では評価尺度によってSWBを測定する。SWBの尺度は長期的な認識からの評価尺度(振り返ってどう認識しているか)とその瞬間の感情面の評価尺度(今どう感じているか)に大別される。認知面の評価尺度には人生満足度尺度やキャントリル尺度があり、感情面の評価尺度としてはPositive and Negative Affect Scheduleがある。
主観的幸福感 (SWB) はしばしば幸福を表す学術用語として使われる[1]。両者の概念の違いに関しては様々な意見がある[1]。
エド・ディーナーは、ポジティブ感情が頻回で、ネガティブ感情があまりなく、人生満足度尺度のような認知面での評価の高い状態をSWBの高い状態と定義した[2][3][4]。
SWBは長期にわたって安定する傾向があり、性格特性と強く関連している[5]。しかしSWBの感情的要素は状況によって影響を受ける。例えば、COVID-19のパンデミックは、感情的幸福感を74%低下させたという報告がある[6]。
健康とSWBは相互に影響し合うという証拠がある。健康は幸福感と関連する傾向があり、ポジティブ感情や楽観主義が健康に有益な影響を与えることが報告されている[7]。
評価尺度
SWBの認知的評価尺度としては、人生満足度尺度(Satisfaction with Life Scale、SWLS)やキャントリル尺度がある。SWBの感情的評価尺度としてはPositive and Negative Affect Schedule(PANAS)がある。
日本人の主観的幸福感について
2025年度の世界幸福度報告によれば日本の順位は155カ国中55位(中の上)である。この状況に対して、先進国にも関わらずなぜ日本の主観的幸福度はこの程度なのかと議論されることが多い[8]。日本の幸福度の順位の低さについては日本人のアンケートにおける特性が影響しているという報告がある[9]。
世界幸福度報告では10点法のキャントリル尺度を用いて主観的幸福度を調査している。市場調査会社インテージが行った11カ国を対象とした国際調査によると、"普通”の場合どの点をつけるか?という質問に対して日本人の場合10点法では5点を選択する人が多く、日本以外の国では6点~8点を選択する人が多かった[10]。つまり10点法で採点すると日本人の"普通”のスコアの分布は中央寄りとなり、結果として11カ国の中で韓国と並んで最低のスコアとなった。
実際日本人を対象にポジティブな内容(幸福、満足度、夢、希望、など)のアンケート調査を行うと他国と比べて中央寄りのスコアを示すことは昔からよく知られている(韓国や中国を含む東アジア諸国はそういった傾向を認める)[9][11]。ポジティブ感情[12]、人生満足度[1]、恋愛満足度[13]、職場への満足度[14]、高校生の将来の夢の有無[15]、高齢者の生きがい[16]、容姿への満足度[17]、いずれも日本人のスコアは国際的にかなり低い。こういった結果から日本人の主観的幸福度や生活への満足度が本当に低いと見なすのか、あるいは日本人は謙遜や中庸を好むので結果として分布が中央寄りとなり低いスコアを示すと解釈するのか、意見の分かれるところである[18]