評価尺度
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評価尺度(ひょうかしゃくど、英: rating scale)とは個人の意見、態度、症状などの目に見えない概念を、選択肢や段階を用いて測定・数値化するための"ものさし"である。心理学、医学、アンケートや世論調査、ビジネスなど様々な分野で利用されている。
構造と理論
評価尺度の構造は共通する部分がある。評価尺度はいくつかの調査目的に関する質問項目とその質問に対して応答する部分からなる。各項目の応答はなんらかの方法で数値化されることが多い(項目スコア)。一般的に質問項目は複数であるが、(キャントリル尺度のように質問項目が一つしかないものもある)。項目スコアの和(総スコア)を調査対象の指標とする。
総スコア(項目スコアの和)を測定対象の指標と見なすことは評価尺度の根幹となる理論である。しかし誰がどんな理由で総スコアを測定目的の指標とし始めたかは不明である。おそらく先人の誰かが「一つの項目スコアより、いくつかの項目スコアの和を指標とした方がバランスをとれるのでは」と直感的に思いついたのではないかと言われれている。そして次第にこの理論が定着し、現在まで踏襲されている[3]。
厳密に言うとこの理論は実証されていない(真の対象のレベルを測定できないため真の対象と総スコアとの関係を検証できないからである)[3]。その一方でこの理論を支持するシミュレーション研究も報告されている[4]。
分類
応答する評価法によって次のように分類できる。
- 数値評価スケール Numeric Rating Scale (NRS)
- 痛みを0から10の数字で評価してください、といった評価法。
- 視覚的アナログスケール Visual Analogue Scale (VAS)
- 直線の左端を「痛みなし」、右端を「最悪の痛み」とし、患者に現在の痛みの程度を指し示してもらう評価法。
- カテゴリースケール Verbal Rating Scale (VRS)
- 0:痛くない、1:少し痛む、2:かなり痛む、3:耐えられない程痛む、といった具合いに言語によるカテゴリーでの評価法。
- カテゴリースケールにおける片側尺度と両極尺度
- カテゴリースケールはリッカート尺度のような両極尺度("非常に不満"から"非常に満足"などのように両極の選択肢)と抑うつ評価尺度のような片側尺度("ない"から"非常に多い"などのような単極の選択肢)に大別できる。測定対象の指標が正の数となることを想定している場合は片側尺度のカテゴリースケールとなる。
- 医学分野で使われる評価尺度は症状や機能の程度を評価するものが多いのでほとんどが片側尺度がである(症状が負の数になることはない)。
- 被験者自身が評価するものと被験者以外が評価するもの
- 評価尺度は、大別すると被験者自身が評価する自己記入式のものと、評価者が被験者の状態や行動を評価するものがある。例えば抑うつ評価尺度でもPHQ-9は被験者本人が質問に答えるが、ハミルトンうつ病評価尺度 は医療者が評価する。