事林広記
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『事林広記』は南宋および元の時代の生活百科事典である。
元の時代の百科事典として、まず元朝の領域を示した『大元混一図』を置いている。その中に元の上都・大都が描かれている。ついで元朝の郡邑・蒙古字体・パスパ文字の百家姓・元の官制・元の交鈔貨幣・元の皇帝などを順次紹介している。それから元の市井生活および市民生活の常識を紹介しているが、そこでは生活類百科事典ではじめて挿絵を使用している。挿絵には元の騎馬・弓術・拝礼・車両・旗幟・学校・先賢神聖・孔子・老子・昭烈武成王・宴会・建築・囲碁・シャンチー・投壺・盤双六・打馬(ダイスゲームの一種)・蹴鞠・幻術・唱歌などがあり、元の歴史や社会生活を研究する上の一級の視覚的資料となっている。
パスパ文字で書かれた百家姓に多くの紙幅を割いており、かつ「蒙古字体」の説明を行っている。パスパ文字は後世使用されなくなり、元の滅亡後は廃棄されたため、同書の百家姓はパスパ文字の実物を残すものとして重要である。